気の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)
き 【気】
名詞
①
(万物を生育させるという)精気。
②
空気。大気。また、季節・風雨・寒暑などの気配や、雲・霧など。
出典徒然草 一五五
「春はやがて夏のきをもよほし」
[訳] (春が終わって夏が来るのではなく)春はそのまま夏の気配を誘い出し。
③
活力。生気。気力。気勢。
出典平家物語 三・大臣流罪
「花、芬馥(ふんぷく)のきを含み」
[訳] 花は芳香の生気をただよわせ。
④
気持ち。気分。
出典笈の小文 俳文・芭蕉
「時々きを転じ、日々に情(じやう)を改む」
[訳] その時その時に応じて気分を変え、その日その日に応じて心持ちを新たにする。
⑤
心の働き。意識。
け 【気】
名詞
①
気分。心地。
出典源氏物語 夕顔
「恐ろしきけもおぼえず」
[訳] (夕顔の死体を見ても源氏には)恐ろしい心地も感じられず。
②
ようす。気配。
出典源氏物語 空蟬
「なほ静かなるけを添へばや」
[訳] もう少し静かなようすを添えたい。
け- 【気】
接頭語
〔動詞・形容詞に付いて〕…ように感じられる。何となく…だ。「けおさる」「けおそろし」