漏るの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

[一]自動詞ラ行四段活用

活用{ら/り/る/る/れ/れ}

(水・光・音などが)漏れる。こぼれる。

出典源氏物語 夕顔

「月かげ、ひま多かる板屋、残りなくもり来て」

[訳] 月の光がすき間の多い板ぶき屋根のあらゆるところから漏れてきて。

(秘密などが他に)知られる。ばれる。

出典源氏物語 藤裏葉

「忍ぶとすれど、内々の事過(ことあやま)ちも、世にもりにたるべし」

[訳] 隠そうとしても、内々の失態も、世間に知られてしまうでしょう。

除かれる。省かれる。

出典源氏物語 帚木

「その方(かた)を取り出(い)でむ選びに、必ずもるまじきはいとかたしや」

[訳] そういう方面の才能によって人を選ぶということでは、必ずはずれないような女性はほとんどいないものだ。

[二]自動詞ラ行下二段活用

活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}

[一]

に同じ。

出典平家物語 五・咸陽宮

「この事もれぬるものならば」

[訳] この事がばれてしまったのならば。②[一]

に同じ。

出典源氏物語 賢木

「この度(たび)の司召(つかさめ)しにももれぬれど」

[訳] 今度の司召しにもはずれてしまったけれど。

参考

下二段型は、中古中期以後に用いられている。