為の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)
す 【為】
[一]自動詞サ行変格活用
「五月(さつき)待つ花橘(はなたちばな)の香(か)をかげば昔の人の袖(そで)の香ぞする」
「御息所(みやすどころ)、はかなき心地に患ひて、まかでなむとし給(たま)ふを」
[訳] 御息所(=桐壺更衣(きりつぼのこうい))はちょっとした病気になって、里に退出してしまおうとなさるが。
[二]他動詞サ行変格活用
[訳] 善行を自慢せず、人と争わないことを美徳とする。
語法
「愛す」「対面す」「恋す」などのように、体言や体言に準ずる語の下に付いて、複合動詞を作る。
ため 【為】
名詞
[訳] 経文を説く僧になろうとするために、まず馬に乗ることを習った。
「君がため春の野に出(い)でて若菜摘むわが衣手(ころもで)に雪は降りつつ」
「かくあやしき身のために、あたら身をいたづらになさんやは」
[訳] こんなにいやしい身の上のせいで、惜しいことに、その一生をむだにするだろうか、いや、むだにしない。
④
〔「…の(が)ため」の形で〕…にとっては。…に関しては。▽関係していることを表す。
「わがため面目あるやうに言はれぬる虚言(そらごと)は、人いたくあらがはず」
[訳] 自分にとって面目が立つように言われたうそに対しては、人はたいして抵抗しない。