結ぶの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

むす・ぶ 【結ぶ】

[一]自動詞バ行四段活用

活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}

(霧・露・霜・水・泡などが)できる。生じる。形をなす。固まる。

「淀(よど)みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつむすびて、久しくとどまりたる例(ためし)なし」

[訳] (川の)流れの滞っている所に浮かんでいる水の泡は、一方では消え、同時に一方ではできて、そのまま長くとどまっている例はない。

[二]他動詞バ行四段活用

「赤紐(ひも)の解けたるを、『これ、むすばばや』と言へば」

[訳] (自分の着物の)赤い飾り紐が解けたのを、(まわりの女房に)「これを結びたいわ」と言うと。

「絶えじい妹(いも)とむすびてし言(こと)は果たさず」

[訳] (二人の仲は)絶えまい、妻よと、互いに約束したその言葉を果たすこともなく。

両手で印(いん)の形を作る。▽「印を結ぶ」の形で用いる。

「六十(むそぢ)の露消えがたに及びて、更に末葉(すゑば)の宿りをむすべることあり」

[訳] 六十歳という露のようにはかない命が終わろうとするころになって、新たに晩年の住居を構えたことがある。

(状態・形を)かたちづくる。生じさせる。構成する。

「始め興宴(きようえん)よりおこりて、長き恨みをむすぶ類(たぐひ)多し」

[訳] 最初は宴会(の悪ふざけ)から起こって、長い(間続く)恨みを生じさせる例が多い。

参考

古くは、草の葉や木の枝を結び合わせて無事や幸福を祈り、男女が相手の衣服の紐(ひも)を結んで誓いを立てることなどが行われた。