縁の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

え 【縁】

名詞

「えん(縁)」に同じ。◆「えん」の撥音(はつおん)「ん」が表記されない形。


えに 【縁】

名詞

[訳] ここに来てまでもめぐりあった(私たちの)縁は深いのだなあ。

参考

「縁」の字音の「ン」を「に」と表記したもの。和歌では「江に」とかけて用いることが多い。


えに-し 【縁】

名詞

えん。ゆかり。◆名詞「縁(えに)」に強意の副助詞がついて一語化したもの。


えん 【縁】

名詞

因縁(いんねん)。因(=直接の原因)を助けて果(=結果)を生じさせる、間接の原因。◇仏教語。

(物ごとの)結びつき。つながり。特に、親子・夫婦・主従など、人と人との結びつき。

「わが子のえんに結ぼほれざらむには、これほど心をばくだかじものを」

[訳] わが子との結びつきに束縛されなければ、これほどまでに心を痛めなくてよかったものを。⇒え(縁)・えに・えにし


えん 【縁・椽】

名詞

家屋の外縁の、板敷きの部分。寝殿造りでは、母屋(もや)の廂(ひさし)を取り囲む形で、柱の外側に付けられる。


ゆかり 【縁】

名詞

かかわり。つながり。縁(えん)。関係するところ。

「心づきなく恨めしかりける人のゆかりと思し知りて」

[訳] (落葉の宮は、何もかもあの)どうしても気にくわない恨めしいお人(=夕霧)の関係するところとお知りになって。

「国の内は、守(かみ)のゆかりのみこそ、かしこきことにすめれど」

[訳] 国内では、国守の縁者だけがえらい者としてあがめられているようだが。


よす-が 【縁・因・便】

名詞

[訳] (橘(たちばな)は)ほととぎすが身を寄せる所とまで思うからであろうか。

[訳] はじめから妻子がないので、(出家にあたって)捨てにくい縁者もない。

「嵐(あらし)をふせぐよすがなくてはあられぬわざなれば」

[訳] 嵐を防ぐ手段がなくては生きていけないことなので。◆上代は「よすか」。