良くの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

副詞

十分に。念入りに。詳しく。

出典竹取物語 御門の求婚

「よく見てまゐるべき由(よし)のたまはせつるになむ」

[訳] 念入りに見てくるようにとの意向をおっしゃられたので。

巧みに。上手に。うまく。

出典宇治拾遺 一三・九

「木登りよくする法師」

[訳] 木登りを上手にする法師。

少しの間違いもなく。そっくり。

出典万葉集 一二八

「わが聞きし耳によく似る葦(あし)のうれの足痛(ひ)くわが背」

[訳] 私が聞いたうわさにそっくり似ている、葦の葉先のように足の弱々しいわが夫よ。

甚だしく。たいそう。

出典今昔物語集 二七・四一

「よく病みたる者の気色(けしき)にて」

[訳] 甚だしく病んでいる人のようすで。

よくぞ。よくも。よくもまあ。▽並々でない事を成しとげたとき、また、成しとげられなかったときに、その行為の評価に用いる。

出典竹取物語 竜の頸の玉

「よく捕らへずなりにけり」

[訳] よくもつかまえなかったものだ。

たびたび。ともすれば。

出典浮世床 滑稽

「てめえ、よくすてきと言ふぜ」

[訳] おまえは、たびたびすてきだと言うぜ。