身の意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 (original) (raw)

[一]名詞

からだ。身体。

出典方丈記

「あるいは煙にむせびて倒れ伏し、あるいは焰(ほのほ)にまぐれてたちまちに死ぬ。あるいはみ一つ、からうじて逃るるも」

[訳] ある者は煙で息がつまって倒れ伏し、ある者は炎に目がくらんですぐに死んでしまう。ある者はからだ一つ、なんとかして逃げ出すことはできても。

自分。わが身。

出典枕草子 頭の中将の

「これは、みのためも人の御ためもよろこびには侍(はべ)らずや」

[訳] これは、自分のためにもあなたの御ためにも喜ばしいことではありませんか。

身の上。境遇。身分。

出典枕草子 大進生昌が家に

「家のほど、みのほどに合はせて侍(はべ)るなり」

[訳] 家格、身分の程度に合わせて作ってございます。

刀身。▽刀剣の、鞘(さや)におさまる部分。

(容器の蓋(ふた)に対して)物を入れる方。

[二]代名詞

私。われ。▽中世以降、男性が用いる自称の人称代名詞。

出典正徹物語

「みが家は三条東洞院(とうゐん)にありしなり」

[訳] 私の家は三条東洞院にあったのである。

名詞

からだ。胴体。

出典平家物語 四・鵼

「頭(かしら)は猿、むくろは狸(たぬき)、尾は蛇(くちなは)、手足は虎(とら)の姿なり」

[訳] 頭は猿、胴体は狸、尾は蛇、手足は虎の姿である。

死骸(しがい)。なきがら。特に、首を切られた胴体だけの死体。◇「骸」とも書く。