もくれんの映画と読書日記 (original) (raw)

職業柄、絶対見たことあるでしょう?
と、法事でお寺さんを見るたびに聞きたくてうずうずする怪談好きの好奇心を満たしてくれる体験ルポ本。

僧の怪談 (竹書房怪談文庫)

死というものと常に身近に接しておられるお坊さんたちならではの、独特の体験談が集められている。

亡くなった檀家さんが訪ねてくるような軽めの話から、大震災の地で出会った不思議な話、修行中深夜の墓地で見たマントの怪人など、信じられないようなエピソードが並ぶ。

しかし一般人の体験談と違うのは、みなさん一様に落ち着いておられる。泣いてわめいて逃げ出したりしない。

不思議な体験を自然に受け止められるのは、やっぱり修行とか日々の心構えとか、やはり大きいのは“慣れ”でしょうか。

いつも思うのだけど、海外のホラーを見ると、牧師さんたちって聖書や聖水なんかで悪魔と闘ってはいるけどなんか絶対的な強さや安心感が薄い。けっこうやられてるし。

その点僧侶の唱えるお経は絶対的な効力を感じて安心するのは、やはり遺伝子とか環境のせいかな。お坊さんが数人並んで一斉に読経すると悪霊をやっつけそうな迫力を感じるけど。
まあ、それは自分の国の身内びいきかな。

この本は、ただただ現代の実録ルポだけでなく、弘法大師八百比丘尼など歴史の中の僧たちの不思議な逸話や伝説も紹介されている。日本人が向き合ってきた僧への思いや関わりが、残された伝説を知ると伝わってくる。

苦しく辛いことに出くわすときや、しんどいことだらけの世の中で、このお坊さんならなんかやってくれるんじゃないか、なんとかしてくれるんじゃないかという、どこかヒーローを求めるような思いが仏さんや高僧の伝説に感じられる。

霊感があるとか無いとかではなく、職業だから特別というのではなく、怪奇な出来事に対して、亡くなった生き物たちすべてに対して真摯に向き合うことが大事だと教えてくれる。

なんか説法みたいなこと言ってますが、
あれ?神さんやっけ、仏さんやっけ? と日常的にちょくちょく沸き起こる疑問は、自分の無信心さと知識の浅さを象徴しております。

ラストを占めたとても短いエピソードは、ホロッと胸が温かくなるお話。
信じるとか信じないとかではなく、まさにそこに尽きると思う。

この夏に水木しげる記念館を訪れ、水木ロードも歩いたので、せっかくだから映画も見ることにした。

アニメに馴れていなくても見れると聞いていたし、何より横溝ワールドを堪能できるらしい。

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確かに。犬神家のお馴染みの場面に加え、いろんなお話がいちいち浮かんで楽しかった。また、見たことあるショットも目白押し。松子さんや弁護士さんなんかそんままでしょ。

とはいえ、これは妖怪映画なのであくまでも主役は鬼太郎のお父ちゃんと水木さん。
予想以上にお父ちゃんがかっこいいという話も聞いていたが、なるほど。

河童やつるべ火、お父ちゃんといっしょに風呂入っていたのは誰なんだろう。狂骨は、ちょうど京極さんの「狂骨の夢」を再読していたので、なんかよくわからないけど嬉しかった。

江戸時代に描かれた百鬼夜行図の狂骨のフォルムに近いし。できればもっといろんな妖怪出てきてほしかったなあと、思うのは贅沢ですね。

妖怪や化け物が子供の頃から大好きなので、当然鬼太郎も見てきた(さすがに今は見てないけど)。その中でなぜか目玉のおやじが大嫌いだった。なぜだか理由はわからないけど、感覚的に嫌いだった。

目玉が嫌いなわけはない。以前書いていたブログの題名はもくれんではなく、もくもくれんだったし。目玉の妖怪は好きなのにね。

これからは目玉のおやじを見るたびに、ゲゲ郎さんを思い出せるので、嫌い感を払拭できそう…かな。

赤ちゃんの鬼太郎のぷよぷよ感もかわいかった。水木記念館で知ったのだけど、鬼太郎を描く時期にお子さんが生まれていたので、娘さんがモデルになったそう。まあるい人物が多くなってきたそうです。

この鬼太郎のサイズ感がかわいい。足の裏とかかわいい。

いろんな見どころや要素が多い中で、水木さんの戦争体験とトラウマが盛り込まれているところも必見だ。

水木記念館は、この春リニューアルされたそうだが、水木先生の戦争体験もパネルの漫画などで実感しやすい展示になっていて、若い方々や子供たちにぜひ見てほしいと、老婆心と理解しつつ、ありがちな感想と思いつつ、それでも心からそう思った。

plaza.rakuten.co.jp

もくもくれんだった頃書いた水木先生の本についてのブログです。
よろしければ覗いてやってください。

北野たけし監督のファンである娘は、たけしが出演している映画も網羅しようとしているが、「わからないことが多すぎる」として解説要請してきた映画がある。

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ロス疑惑豊田商事事件など、有名なものは予備知識を仕入れたが、出ている人たちがさっぱりわからないし、きっとこれは何かをパロディってるんだろうな、と予想はつくけど、元になる何かを知らないので面白さがわからない

なので、もう一度見るから隣で解説してくれまいか、という要請。

ずーっと前に見たことはあるけど、正直強烈インパクトのたけしの場面しか覚えてなかったので、こちらも解説しながら面白く見させていただいた。

主演の内田裕也はワイドショーのレポーター。
うちの母親などは食い入るように見ていたワイドショー黄金期ともいうべき時代だ。

思えば、昭和は凄まじい出来事が多かったのでワイドショーをにぎわす内容にも苦労しなかったのだろう。変な意味で充実していたのかも。

この映画はワイドショーをにぎわせたスキャンダルや、実際にあった大きな事件を強面の裕也さんが突撃レポートしていくというもの。

ただトラブルも多く、タレントである妻ともすれ違い生活で、挙句の果てに左遷されてしまうというストーリーになっている。

しかしストーリーなんてどうでもよいくらい、内容がすごい。とにかくすごい人がいっぱい出ている。ワンシーンだけに桃井かおりが出てきたり、ロス疑惑の三浦さんなんて本物だ。

「本物?どういうこと?」と目を丸くする娘にうまく説明できない私。
また、亡くなっている出演者も多くて、娘は安岡力也は知っていたものの(ひょうきん族のDVDで見たホタテマンとして)

「このキッつい関西弁のガラの悪いおっさんは何者?」
「有名ロックシンガーの桑名正博です」

「この本物のアナウンサーみたいな人は?」
「ガンを公表して亡くなった本物のアナウンサーです」

「この人本物っぽいなあ」
「確か本物の芸能レポーターのはず」

「この人は?」
「あー、モデルさんちゃうかなあ、さすがにわからん」

という会話を繰り返した。

裕也さんの映画はぶっとんでる人物の映画しか見たことがないので、普通のリポーターやってる裕也さんが不思議な感じだった。

おニャン子にインタビューしている時や、AV映画の体験リポートの時のちょっとへらつき気味の表情なんかは芝居なのかマジなのか、どっちにしてもなんか笑える。

基本コメディなのだが、前半のワイドショーよりも、深夜番組に左遷されてからの突撃レポートの方が笑いどころが多い。
片岡鶴ちゃんやひろみ郷、片桐はいりの場面は完全に笑かしにきていて、期待通り爆笑。

とはいえ、ラストのたけしが出演する豊田商事の場面は息を飲んで見た。現場の部屋に突撃する男、血だらけで出てくる犯人の様子は、カメラカットも当時のままで、今見ても信じられない映像だ。

確かに予備知識だけでは理解できない濃すぎる内容の映画だとつくづく実感する。まさににこれは昭和の歴史の1つだ。

「なんかごちゃごちゃしてて面白い時代やったんやなあ、昭和」
と娘の感想。

いやいや平成もすごかったよ。
でも今絶対作れないやろうなあ。色々問題多すぎて。こんな映画。

話題どおり確かに一気読みの勢い

爆弾【電子限定特典付き】 (講談社文庫)

酔っぱらって暴れ、些細な傷害事件で連行された男スズキタゴサク。
記憶喪失なんです、酒のせいです、などとぼけた応答ばかり並べる彼に、うんざりしていた捜査官。

しかし、彼は突然とんでもないことを言い出す。
自分には霊感があり、「10時に秋葉原で爆発がある」のがわかると―

予告通りに起きた爆発。
そしてタゴサクの霊感は次に起こる爆発も予言し、その後数時間おきに起こる爆発を予言していくのだ。

物語は、この怪しい人物と捜査員の緊迫したやりとりを中心に描かれる。
ウソはつきませんと断言し、だらだらとしゃべり続けるタゴサクの言葉から次の爆発のヒントを見つけていくという暗号解読のような形も面白い。

タゴサクの相手をするのは複数の捜査員だが、最終的に出てくるのはこの人だろうな、というキャラクターも用意されていて、それぞれの人物が個性的でわかりやすいのも魅力だ。

特定された爆発現場で翻弄する警察官たちや、身元や動機を必死で探っていく捜査員たちが同時に描かれ、動きのある展開で飽きさせない。

ストーリー的にはめずらしいものではないのだけれど、この物語の面白さとしてドンとメインに据えられているのがタゴサクというキャラクターの濃さだ。

彼は自分のことを卑下し続ける。
自分のようなものは、何者でもない。クズです、ゴミです、誰にも振り向かれることのない人間です。

少々しつっこいくらいに強調してくるので、読んでいてめんどくさくなってくる。
ただそれが彼の動機に繋がっていくのだが。

読者は基本的に警察側に肩入れしているし、あくまでも低姿勢でとぼけた態度をとりつつ、平気で人を殺傷するこの男に憎しみを覚えてくる。それがまた面白いところなのだけど。

この展開、どういう形に終息させるのだろうと思っていると、なんとタゴサクは警察の中にいながら、一般の人々に発信する。

いつどこで死んでしまうかわからない恐怖は、まさにテロと同じ。
混乱に見舞われた人々がまず優先するのが自分にとって大切な人の命—
生まれる命の優先順位。まさにそれがこの物語のテーマ。

これは映像化しやすいだろうなあ。
ただタゴサクの描き方や重みのもたせ方で、ストーリーをなぞるだけの薄っぺらいものにもなりそうだ。

ぜひぜひ映像化するならば、名優さんでお願いしたい。
加えて、嬉しいことに爆弾2が発売予定のこと。なんとスズキタゴサクが帰ってくるようで。これは読まなきゃ仕方ないでしょ。

法廷占拠 爆弾2

ちょっと変わったホラー映画を見た。

バーバリアン

仕事の面接のためネット予約した宿泊先の貸家を訪れた女性テスだったが、そこにはすでに男性が住んでいた。

ダブルブッキングだとわかり、とりあえず出ていこうとするが外は嵐。おまけに辺りは廃墟のような寂れた町で、家にいた男性キースもさすがにテスに泊まっていくようにすすめる。

警戒に警戒を重ねながらも夜を明かすことにしたテスだったが、キースは思いの他気心の知れる相手だった。

そしてテスはベッドで、キースはソファで眠りについた深夜、テスの居る部屋のドアが静かに開く――

前半まるでサスペンスのような展開に、ぐいぐい惹きこまれる。関心はもっぱらキースは善人なのか悪人なのかという一点に尽きる。

またこのキースを演じているのが「IT」のペニーワイズのビル・スカルスガルド。あの鋭い視線は、恐ろしくも優しくも見えて、まさにはまり役。

どうなるのかこの2人、というちょっとラブコメみたいないい感じにもなりつつある展開だったが、テスが地下室で秘密の扉を見つけてしまったことから、ストーリーは本来のホラーへと突き進む。

この映画が特殊なのは、ここから第二部へと突入すること。
テスの眼前に得たいの知れない化け物が現れたとたん、テスとキースの話はいったん棚上げされ、新しい登場人物が登場する。

セクハラ疑惑をかけられ、弁護士を雇う金を作るため家の売却をすることにする男AJ。彼が売ろうと向かった家が、まさにテスたちが居た家。

これは過去の話なのか現在の話なのか、どう展開していくのかわからないままこちらは目が離せずにいる。

やがて彼らの話が繋がったところで、また新たに怪しい男のストーリーが挟み込まれていく。彼が住んでいるのもまさにあの家。

もちろん徐々に内容が繋がっていき、化け物の正体もわかってくる。後はホラーの定番的展開が繰り広げられていくのだが、この映画のもう一人の主役ともいえる化け物はかなり特殊なキャラクターをしている。

絶対的な悪者とはいえない奇妙な特徴を持っているのだ。それと対比するようにテス以外のキャラたち、特に男性たちはいい人なのか悪い人なのかわからない。

AJは結果的にはろくでもない行動にでるが、完全に悪い人だったのかというとそうでもない。キース自信の人格は結局謎のまま。助けてくれる人も助言をしてくれる人も、本当はどういう人だったのかわからない。

この映画は見終わってからも、「あれは何だったの?」という部分がけっこうある。
夜中にドアを開けたのは結局誰だったのか、なんでドアが開かなくなるのか、などなど。

まあ家が古かったといえばそれまでなのだけど。
いろいろな疑問を、出てくる登場人物につなげて勝手に想像していくと、それはそれで自分でストーリーを作れそうだ。

そもそも、なんでダブルブッキングしてしまったのか。
2人にも家を貸しておきながら「誰も住んでいない」とAJに証言した不動産会社の女性は無関係な人だったのか?

経済破綻したのだろうとは思うが、あの異常な荒れようの廃墟は何?
あのホームレスはなんであそこにいるの?

解決されないそれらの疑問がすべての登場人物を怪しく見せてしまう。

わざと仕組まれたものであるなら、なかなか手の込んだ映画といえる。
バーバリアンとは他の文化を理解できない野蛮人という意味だそうで、もしかしたらいろいろ意味深ななものがあるのかもしれない。

ようやく配信されました。
待ってました!

首

高い評価をつける人と生理的に合わないという人に分かれるたけし映画。
今回も汚い、残酷、おぞましい、お姫様が出てこないという、特に女性ファンは少ない傾向のたけし映画の特性を、ここでも存分に発揮してくれた。

織田信長羽柴秀吉明智光秀を中心とした戦国時代の大定番、本能寺の変をメインにストーリーが展開される。

ストーリーはもう何回見たことかの本能寺の変だから、たけしがどんな本能寺を描いてくれるのか楽しみにしていた。

中心になるのは秀吉と光秀で、それに関わる様々な人物たちがそれぞれの思惑で動いていく。凄い俳優さんたちの集まりなので、1人1人の人物の裏にしっかりと別の物語を感じることができて、奥が深い。

単なる登場人物ではなく、たまたまその場に居合わせた人々みたいな感じ。それぞれを中心にして別の映画が撮れそう。

本能寺にいきつくまでの過程が、たけし流で独特な展開。なんといっても信長の狂人ぶりは凄まじい。個性とかではなく普通じゃない。まさに命がかかったパワハラの極致。

クライマックス本能寺では、最初から常軌を逸していた加瀬信長だから、ラストだけ優雅に舞うはずもないと思っていたけど、さすがに笑ってしまった。

信長の首が見つからなかった理由を、こう来たか。
去年「黒牢城」を読んでいたが、村重と官兵衛のイメージもぶっ飛んだし。
キム兄の新左衛門も実在の人物とは知らなかった。

男同士の恋愛沙汰もいろんな駆け引きがあって、それはそれで面白い。
バッスバス落とされる首はなかなかの衝撃で、苦手な人は引くだろう。

一族皆殺しの様は絵巻物とかで見たことはあるけど、映像として見ると凄まじい。でもこれが現実だったのだから。

とにかくもういいですというぐらい落とされた首が出てくる。
首に対する秀吉の扱い方は恐ろしいほどぞんざいで、それがまた小気味よい。

戦国の首というと、谷崎潤一郎の小説で首に死化粧を施す話を思い出すが、首に敬意を表している武士たちの視点と、今回の秀吉の首に対する扱いが対比をなしているようで面白い。

秀吉はあくまでも一般庶民の視点。
実際首なんかどうでもいいのだ。
とはいえ、この映画の中では秀吉に関わらず、武士も百姓も首は出世アイテムの1つとしか見ていない。

尊厳なんかどこにもない。
美しい時代劇が好きな人には過激でぶっ飛びそうな映画だが、たけしの媚びない感じがとても好きだ。

たけし映画がヨーロッパで受けるのがわかる。
文句あんなら見んなよ、みたいな空気をヨーロッパ映画にも時々感じることがあるから。

まず「何て読むのだろう…」と本屋で考えてしまった題名

象られた闇

予想が当たって変に嬉しかったこの漢字「象る」の読み方は「かたどる」

切り絵作家が主人公というめずらしいミステリー。
舞台がヴィクトリア朝ということで、馬車やドレスの時代なのもよいなあと思い読んでみた。

写真というものが世に出始めたものの、魂を抜かれる恐ろしい物という認識でまだまだ人々が受けいれにくかった時代、肖像画といえばもっぱら絵画だった。

それ以外に切り絵というものも肖像画としての需要があった。主人公のアグネスはその切り絵の肖像画を生業にしている女性だ。

とはいえ、売れっ子というわけでもなさそうで、わがままな母と甥っ子と暮らしているが生活はかつかつのようだ。

それでも細々と切り絵稼業で生計をたてていたアグネスだったが、彼女の生活に天変地異ともいえる禍が襲ってくる。

なぜか彼女に切り絵の肖像画を依頼しにきた客たちが、謎の死を遂げていくのだ。不吉な切り絵屋はたちまち噂になり、不安と恐怖に苛まされる日々を送ることになる。

この小説は、2人の人物の主観が交互に描かれていく形式になっていて、もう一人の主人公が霊媒を生業にしている11歳の少女パールだ。

彼女には催眠術を使う姉がいるが、金儲け主義のがめつい性格で臆病極まりないパールには恐ろしい存在になっている。

このパールの元に、アグネスが頼って訪ねてくることで事件は奇妙な形に動き出す。
殺人事件でありながら、警察の捜査もほとんど描かれず、被害者の身元も肖像画の客だったというだけの情報しか知らされない、とても奇妙な展開のミステリーだ。

ほぼアグネスとパールの主観で語られていくが、この2人、犯人を見つけたいという目的をもった探偵役でありながら、臆病の極みでかなり不安定な性格なのだ。

正直だんだんイライラしてくる。
とはいえ、交霊会の場面や少しずつ加えられていく彼女たちの過去の出来事などが絡み合い、飽きさせない展開で読み進められる。

ホラーとミステリーの融合か? と思っていたがラストはしっかりと理論的に締めくくられた。ただ解決したか?というと、そうは簡単に言い切れない展開にうーんとうなってしまう。

ネタばれ出来ないのがもどかしいが、つまりは結局、警察の捜査も被害者の情報も確かに必要のない不気味で変な物語なのだ。

結末を二つ予想していたのだけど、両方当たったような当たってないような、自分にとってはやっぱり不気味で変な物語になった。