毎日・JNN、読売の衆院選情勢調査によれば、与党の過半数獲得は濃厚だが、自民党の単独過半数は微妙 (original) (raw)

今回の衆院選の序盤情勢調査が、毎日新聞JNNの合同、読売、それに日経などから出た。読売と日経が同じソースかどうかは確認していないが、日経はそもそも無料部分が極端に少ない。

まず毎日。

mainichi.jp

自民が単独過半数の維持うかがう 毎日新聞衆院選序盤情勢調査

毎日新聞 2024/10/16 18:21(最終更新 10/16 22:40)

毎日新聞は15、16の両日、第50回衆院選(定数465=小選挙区289、比例代表176)が27日に投開票されるのを前に、特別世論調査を実施し、取材を加味して序盤情勢を探った。自民党公明党の連立与党が過半数を維持する見通しで、自民は公示前勢力(256議席)を割り込むものの、接戦区の多くで競り勝てば単独過半数(233議席)の確保をうかがえる情勢だ。立憲民主党は公示前の98議席を上回る情勢となっている。

調査では小選挙区で半数近くが投票態度を明らかにしておらず、今後情勢が大きく変わる可能性がある。

自民の推定当選者数は203~250。立憲は117~163、日本維新の会(公示前43議席)は28~34、公明(公示前32議席)は24~29、共産党(公示前10議席)は5~6、国民民主党(公示前7議席)は13~20、れいわ新選組(公示前3議席)は6、社民党(公示前1議席)は1、参政党(公示前1議席)はゼロ、諸派は1、無所属(公示前14)は11~13だった。【影山哲也】

URL: https://mainichi.jp/articles/20241016/k00/00m/010/201000c

中央値(四捨五入)をとれば、自民227(過半数は233)、立民140、維新31、共産6、民民17、新選組6、社民1、参政0などとなる。

ちょうどこの情勢調査が出る直前に、三春充希氏の「リアルタイム議席数予測」で新選組の比例予測議席が4から6に増えたばかりだった*1ので、それと平仄が合っているんだなあと感心した。それまで南関東、東京、東海、近畿の1議席ずつだったのが、北関東と九州が増えている。このうち頭が痛いのは北関東だ。

比例重複の連中が軒並み10%取れなくて 比例単独の党職員たちが議員バッチつける可能性。

あると思います。

— りんこ a.k.a 政治してますか? (@mild_ozi) 2024年10月16日

(党職員ではないが)北関東はその可能性が高井。 https://t.co/4j0kasPK4I

ツイッター政治おじいちゃんお化け (@micha_soso) 2024年10月16日

それだと長谷川羽衣子が当選してしまう。高井崇志、なんとか得票率10%をとってくれ。私は本当は高井崇志なんて大嫌いだが、仮に埼玉13区の有権者だったら長谷川の当選を阻止するための戦略的投票として高井に投票する。同じ理由で東京14区なら櫛渕万里に投票することは既に書いた(伊勢崎賢治の当選を阻止するため)。

なお、毎日・JNNの調査は共産と民民については前記三春氏の「リアルタイム議席数予測」とかけ離れている。毎日・JNNはインターネットのみの調査ゆえに高年齢層の動向を捉え切れていないのではないかと思う。

続いて読売の情勢調査。

www.yomiuri.co.jp

与党が過半数の見通し、自民苦戦・立民は議席増の勢い・維新は不振 読売序盤情勢調査

2024/10/16 23:00

読売新聞社は27日投開票の衆院選について、15、16の両日、全国の有権者を対象に世論調査を行い、全国の総支局などの取材を加味して序盤の情勢を探った。自民、公明両党の与党は衆院定数465の過半数(233議席)を確保する見通しだが、自民は「政治とカネ」の問題を受けて苦戦している。立憲民主党は、公示前から議席を伸ばす勢いだ。日本維新の会は不振で、公示前勢力から後退する可能性がある。

自民が小選挙区選に擁立した266人のうち、優位な戦いを進める候補は100人前後だ。120人近くが接戦を演じ、40人超は劣勢の戦いを強いられている。比例選での獲得議席は、前回の2021年衆院選の72議席を下回りそうだ。公示前の247議席を割り込む可能性があり、単独過半数の維持が焦点となる。

政治資金収支報告書に不記載などがあった自民前議員ら44人は、約半数が小選挙区選で後れを取っている。

公明党は、小選挙区選に擁立した11人のうち優位に立つのは2人で、残りの大半は接戦を展開している。比例選での獲得議席も前回選の23議席より落とす可能性があり、小選挙区選と合わせた公示前の32議席確保は微妙な情勢だ。

立民は、公示前98議席から30議席前後の上積みをうかがっている。小選挙区の公認候補207人のうち、東北や首都圏、愛知などを中心に30人前後が先行。接戦の選挙区も100以上ある。比例選では、前回選で獲得した39議席を上回る勢いがある。

維新は、小選挙区選で優位な戦いを進めるのは大阪や京都などの9人にとどまり、関西以外の地域では勢いに欠ける。比例選での獲得議席も前回選の25議席から減らす公算が大きく、公示前の44議席に届くかどうかは見通せていない。

共産党小選挙区で1人が接戦となっており、比例選では10議席前後の獲得が視野に入る。国民民主党小選挙区選で3人が優勢で、比例選では前回選の5議席から伸ばす勢いがある。

れいわ新選組社民党、参政党、諸派の日本保守党も議席を確保しそうだ。

調査は電話とインターネットで実施し、計26万3027人から回答を得た。一定数の回答者が投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢は終盤にかけて変わる可能性がある。

衆院選には、小選挙区選(定数289)に1113人、比例選(同176)に231人(重複立候補を除く)の計1344人が立候補している。

(読売新聞オンラインより)

URL: https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20241016-OYT1T50164/

ここに引用していない読売の記事のグラフを見ると、共産と民民の予測獲得議席数がほぼ同じだ。前記三春氏のリアルタイム議席数予測だと、比例ブロックの予測議席は共産9、民民6であり、民民には代表の玉木雄一郎をはじめとして何人か、共産では沖縄1区の赤嶺賢勇氏のそれぞれの小選挙区当選が見込まれるから、三春氏の予測と平仄が合うのは毎日・JNNより読売・NTVの調査の方だろう。但し、長期的には共産党の党勢の今後は厳しい。その権威主義的体質が嫌われて、アーリーアダプターたちが次々に離れて行っているからだ。今回の衆院選でも、少なくとも党首(委員長)交代の効果は全く見られない。委員長交代早々に田村智子が大山奈々子神奈川県議を強い調子で批判した悪影響が大きいのではないか。無論あれは志位和夫らにあのようにさせられたものには違いあるまいが、あの時以来私も田村氏に幻想を持つことはなくなってしまった。現在では、人間の類型としては田村氏は立民の泉健太と同型の、党内での遊泳術に長けているだけの人ではないかとみている。

*1:それでも、今年3月の13議席予測から見ると半減している。