ホワイトの考え (original) (raw)

※3期2話まで見ました。

リゼロ3期が面白いことを祝して🎉、雑に話します。

うわ〜、久しぶりに続きが気になるアニメだ〜、嬉しい〜😭

2期がつまんなすぎて絶望してたんだよな〜、面白くてよかった〜😭😭

これからリゼロを批判する記事を書こうと思ってたのに、ちょっとやる気なくなってきた。

まあ書くんですけど……。

◆リゼロお得意の序中盤

画像

プリステラ編で5章目のエピソードになるけど、リゼロは序中盤の物語の展開がずっと良い。

風呂敷を床にドンと置いて、中に入ってるおもちゃを一面に広げる工程と言えばいいのか、「これからどうなるんだろう」って感じで毎回楽しい。

4章も総合的に見るとつまんなかったけど、序盤の「気づいたら閉じ込められてた」って展開や、そもそものパッケージ自体は魅力があった。

そうなんだよな〜、4章も細部を見ると色々いいとこあるんだよな〜。

画像

俺はリゼロに対してずっと、「この五人が政治バトルして、どうやったら面白いの?」って思ってたんだけど、5章を見て彼女たちを戦わせる話ではないんだと悟った。

王戦っていうのは、新しいおもちゃを持ってくるための箱だったのね。

◆台詞が良くなってる

画像

2期以前と比べて、台詞が良くなってる。

「何処が」とか、「誰の」とかじゃなくて、全体的に良くなってる。

作者が戦いの中で成長している?

1話、ほとんど会話メインだったけど、良かったぞー!

特に幼い組のわちゃわちゃが好きだな〜、これ得意なのかな〜。

画像

フェルトとラインハルトのコントが完全に仕上がってた。ラインハルト、生き生きしとる。

画像

画像

2期の最初に出てきた暴食が悪い意味でやばかったから心配してたんだけど、ひとまず安心だ。

でも、怒り出すと微妙……。これには理由があるので次の記事で言ってるかも。

◆期待の新人

画像

一人目、ハインケル。

こいつは活躍できる(予感)

……って思ったんだけど、プリシラの対応が間違ってるし、エミリアとのやり取りも少し違う。

キャラ自体にはポテンシャルがあるけど、扱い方を考えないと、上手く動けなそうだ。

うおおお! なんとかなれー!

画像

二人目、レグルス。

2期で出てきた大型新人。

よそ行きモードなのか、今のところ大人しい。

来週でいよいよ本格始動か。

恐らくこのエピソードの成否はお前にかかってる。

うおおお! がんばれー!

エミリアが心配

画像

なぜそう思うのかは次の記事で書くとして、エミリアがこの先の物語で活躍できるか心配だ。

レグルスに誘拐され、またもや3章と同じようなピーチ姫的な役回りとなったわけだが、

正直、こうするしか、今のエミリアを機能させる術がない。

いまのエミリアは、物語上で重要な立場にありながら、カメラに映ると邪魔になるという、俺界隈で〝コネ入社〟と呼ばれる存在に近い。

エミリアのことは好きだが、物語に出てきて面白いかどうかは、好き嫌いとは異なるものだ。

こうなった後では、トロフィーに変換して、カメラの外に追いやるほかに活路がない。

エミリア、好きなんだけどな……。

◆エンディングテーマ「NOX LUX」がかっこよすぎた

かっこいい~🫠

特にAメロの歌詞と疾走感がめっちゃ好きだ。

最初聞いた時はもうちょっとアニソンっぽいといいなと思ったけど、歌詞見ながら聞いたらおもいっきりアニソンだった。

MYTH & ROIDは一期のEDとOPも好きなんだよな~。

fullも良い。

1:30辺りからのパートほんとに好き。

MYTH & ROIDには思うところがあるので、もしかしたら記事を書くかも。

この記事は「Re:ゼロから始める異世界生活」の一番面白い部分のネタバレを含んでいます。

未見の方は先にリゼロ一期を18話まで見てから読むことをおすすめします。

面白いので是非。

・ネタバレなしでリゼロの魅力を語りました。この記事の間接的な前章です。

目次

◆スバルは正しいことをしている

画像

「隣に立ちたいと望む相手にそんな顔をさせるのは、騎士ではない」

王戦開幕式でユリウスに論破されて以降、スバルは言動、精神のあり方を否定され続ける。

大勢の前でユリウスにボコられ、エミリア と喧嘩し、フェリスに面と向かって否定され、魔女教徒に仲間を殺され、最後には「俺は俺が大嫌いだよ!」と自ら叫び、2期では「あの時の俺は本物のクズだった」と過去の自分を評する。

このように、スバル自身を含む、ほとんどすべての登場人物が、スバルのことを徹底的にこき下ろす。

たしかにエミリアの「私のため?自分のためでしょ?」という推理は正しい。

スバルがエミリアを助けたい気持ちは本物だが、それはエミリアとセックスしたいからだ。

画像

「私のため? 自分のためでしょ?」

ユリウスの「一緒にいる方の品位が疑われる」という指摘も一理ある。スバルを社会的な場に連れて行ったら評判が傷つくだろう。

画像

「そのような態度を表に出しては、一緒おられる方の品位が疑われる」

でも、空気を読まない態度はスバルの良いところでもある。特に、エミリアにとっては。

スバルの「ハーフエルフだからって一括りにして、勝手に見切りつけんなよ」っていう感情は、俺から見ると、性欲とは別に、独立して存在しているように見える。

そしてそれを、社会性の高い空間で、身分の高い者たちにはっきり主張できることは、エミリアの騎士として重要な素質だ。

むろんスバルとルグニカ人の考えの違いは生まれ育った世界の違いであり、現代の多様性思想にもとづくものではあるものの、スバルの精神性はエミリアに信頼と安らぎを与えるのではと思う。「私はスバルを信じたい。でも信じさせてくれなかったのは〜」ってなるのもわりと共感できる。

逆に聞きたいのだが、ユリウスはなぜハーフエルフに対してフラットなのだろう。なぜ外国人を王女にしようとするのだろう。王国の騎士であることがアイデンティティーなのに? いったいどういうことなんだ?

俺はアニメで放送済みの部分しか知らないのだが、こいつがこの先物語をキャリーすることができるのか、俺には甚だ疑問だ。

候補者の騎士の一人でスバルのライバルって、けっこう責任重いけど大丈夫か? 全然大丈夫って思えないんだが? 3期でくそみたいに正しいこと言って剣振ってるだけだったら殴っていいか?

話を戻します。

14話のフェリスの台詞。

クルシュの制止を「いいえ言います。ちょこーっと勘違いが酷すぎますから」と振り切って言う。

画像

「スバルきゅんが行ったって状況は変わったりしない。行くだけ無駄。あれだけ王城で無様を晒して、ユリウスにとことんやられて、まだ分からないの?」

フェリスのこの台詞はスバル本人を含む登場人物全員の共通認識なのだろう。

でも本当は、正しいのはスバルなんだ。

スバルと周囲の認識の相違は、周りの人たちが死に戻り能力を知らないから起こっているにすぎない。

もしスバルの能力を知っていたら、フェリスは「行くだけ無駄」なんて言わないだろうし、むしろ他陣営は最も警戒するべき相手として、王戦が終わるまで監禁しようとするはずだ。

スバルは三章の始めから終わりまでずっと正しいことをしている。

なのに、登場人物はおろか、作者の視点においてですら、スバルが間違ってることにされている。

なぜこんなことになっているのか?

◆ リゼロ世界は〝印象〟と〝存在〟の時系列が反転している

画像

恐らく作者の認識の癖なのだろうが、リゼロ世界は〝印象〟と〝存在〟の時系列が反転している。

例えば、あなたが月に綺麗という印象を抱いたとする。

この際、通常ならば、まず月の存在が先にあって、その後であなたが月を発見し、印象を抱く。

しかしリゼロ世界は逆だ。

リゼロ世界では、綺麗、汚い、丸い、四角いなどの印象が先行し、その後で、印象に即した月が現れる。

もし月がなんの印象も抱かせられなかった場合、月はこの世界に存在することに失敗し、消滅する。

このような世界観が、リゼロの登場人物たちに存在不安を引き起こしている。

スバルが公共の場でペラペラとお喋りをまくし立てるように、リゼロのキャラクターたちは、初登場時に一発ギャグのようなものを披露する。

「全部私のためだったの」
「僕の微力がどれだけ彼の助けになるか分からないが」
「姉様、姉様」
「レム、レム」
「この世界はわらわの都合の良いようにできておる」
「そうか、私の勘違いか」

客観的に示せるのはこの辺りなのだが、もっと根本的な根拠として、キャラクターから不安に駆られている波動が出ている。

印象が定まっていないせいで、存在が揺らいでいるのだ。

◆この世界は他人にどう見られるかがすべてだ

ホログラムを知っているだろうか。

画像

正面からは立体に見え、角度を変えると絵が動く。真横から見るとひらぺったい。

リゼロ世界の成り立ちについて、少し大胆な喩えをしてみよう。

リゼロ世界は、スバルを囲い込むように配置された、壮大なホログラムだ。

だから、スバルが立っている場所から見ると立体に見えるのだが、スバルから離れて世界を横から眺めると、たちまち厚みが消え失せ、紙ぺらになる。

リゼロ世界の構成要素――例えば、キャラクター、土地、集団、出来事などは、スバルに印象を与えるために存在し、スバルに印象を与えることで立体感=質量を得る。

このように、リゼロ世界では「〝印象〟と〝存在〟の反転」という法則が全体に適応されているわけだが、

観測者であるスバルの内面でも「〝印象〟と〝存在〟の反転」が起きているということが、事態をややこしくしている。

◆リゼロ世界の宇宙創世を一日目から見てみよう

画像

リゼロ世界の宇宙創世を一日目から見てみよう。

まずはスバルの「俺はこういう奴だ」っていう印象がある。

例えば、俺がこの作品から一番強く感じるのが、「社会に馴染めない」という印象だ。

スバルの「俺は社会に馴染めない=悪い奴だ」という〝印象〟に従って、善玉側にユリウスを筆頭とする王戦メンバーが現れ、悪玉側にスバルを筆頭とする魔女教メンバーが現れる。

この時点で、なぜ登場人物はおろか、作者の視点においてですら、スバルが間違ってることにされているのかが明らかになる。

事実がどうとか、死に戻りを知らないとかは関係ない。

王戦メンバーは、スバルの「俺は社会に馴染めない=悪い奴だ」という〝印象〟から逆生成された〝存在〟だから、スバルを否定し続けるのだ。

15話でペテルギウスがなにやら引っかかることを言う。

画像

「なぜ狂気に染まったような演技をしているのですか? 本気で振る舞うのであれば、他者の目など、意識してはいけない」

他者の目を一切気にしない人間を狂人とするなら、これは狂人の台詞ではない。

他者の目を無視することにストイックな人間の台詞だ。

リゼロに限った話ではないのだが、どうやら俺たち人間は、大事なものを犠牲にすることで、大きな力が手に入ると思い込んでいるらしい。

社会から悪と認識された大罪司教たちは、自分たちを悪と定義し、リゼロ世界で最も重要な「他者からどう見られるか」を犠牲にすることで、大いなる力を手に入れた。

大罪司教たちは生来の狂人ではない。彼らは社会から悪と認識され、その後で自分を悪と認識し、狂人の仮面を被ることで、権能を得ることを選んだ。

言うなれば、スバルと似たような境遇にある者たちなのだ。

ペテルギウスは、悪玉として中途半端なスバルを哀れみ、蔑む。

スバルの「俺は他人の目ばかり気にしている弱い奴だ」という印象から逆生成され、生み出された者として。

◆あとがき

リゼロには良いところと悪いところがあります。

この記事で語った性質が良い方向に働くと、一つ目の記事で書いたようなことが起こります。

では、悪い方向に働くとどうなるのか?

次の記事も読んでいただけると嬉しいです。

3期放送を祝して🎉、リゼロの面白さについて語ります。ネタバレはありません。

一期の放送は8年前のはずなのに、つい最近のように感じるな〜🫠

あの時は「久しぶりにデカいの来たあああ」って一人で盛り上がってた記憶。

一話を初めて見た時、クレジットに

スペシャルサンクス
小説家になろうからお付き合いくださっている皆様
書籍からお付き合いくださってる皆様
これからお付き合いくださる皆様

って出てきて涙腺が緩んでしまった。

ネット小説から実力でここまで上がってきたんだな~😭

正直、リゼロに対しては好きが昂じて文句も山のようにあるのだが、この記事では好きな部分に焦点を当てていく。

目次

◆軽いあらすじ

画像

男子高校生・菜月スバルは、ある日突然、剣と魔法のファンタジー世界に誘われた。
スバルは異世界で出会った仲間たちを滅びの運命から救い出すため、死して時間を巻き戻す〝死に戻り〟の能力で絶望的なループを繰り返してゆく……。

リゼロは、同じ時間を何度もやり直すタイムリープストーリーと、ネット小説界隈で流行中の異世界転生をかけ合わせた物語だ。

異世界転生物では、転生者に何らかの特殊な能力を授けられるのがお約束になっており、スバルの場合は「死に戻り」の能力を授かった。

スバルと周囲の人間が「破滅の運命」に巻き込まれ、何度も死に戻りながら手がかりを集めて結末をハッピーエンドに書き換える、というエピソードが章立てで繰り返し展開される。

めちゃくちゃ面白いので未見の方は是非見てほしい。

一話目から拡大版で放送したり、二クールに納めるためにOPとEDを可能な限りカットするといった、アニメ史上類を見ない待遇を受けており、制作陣がいかにリゼロに力を入れているかが窺える。

◆ 主人公の対処能力を超えた脅威が襲いかかる

画像

主人公のスバルは死に戻り能力を除くと、ごく平凡な男子高校生だ。

各章ごとに襲いかかる「破滅の運命」の難易度はスバルの対処能力をはるかに超えており、タイムリープ前は毎回成す術もなく轢き殺される。

この「襲いかかる脅威が主人公の対処能力を大幅に超えている」ところがリゼロという作品の魅力だ。

一度死に戻っただけでは「破滅の運命」の全容を把握できず、スバルは再び運命に蹂躙される。

そこからもう一度死に戻ってトライ&エラーを繰り返し、折れそうな心と戦いながらハッピーエンドを手繰り寄せる。

リゼロは主人公が本物の凡人なので、戦闘力ではなく、単純な試行錯誤で敵と戦っていく。

殺されてからセーブポイントで復活し、再び問題に対処していくさまはRPGゲームのようだ。

画像

「たとえサテラが俺と知り合ってなくても、フェルトは徽章を盗み、そしてエルザの奴が……」

リゼロはスバルが視聴者と同じ目線で運命と戦っているため、主人公が喋らないゲームと同等レベルで没入感が高い。

「おいおい、こんなのどうやって解決するんだよ。もう詰んでるじゃないか」という感情を、運命に弄ばれるスバルと共有できるのだ。

リゼロは「俺がやらなきゃ終わりだ」って重責と、主人公の無力さからくる絶望感が尋常じゃない。

スバルがなんとかしなければバッドエンドなリゼロ世界では、スバルの裁量がすべての存亡を左右する。

◆新しい情報が混乱を引き起こす

画像

突然異世界に放り出されたスバルはリゼロ世界について何も分かっておらず、いきなり知らない単語が飛びだしては面を食らう。

しかも知らされるのは決まって無知が裏目に出た後だ。

スバルはこうして痛い目に会いながら、リゼロ世界には自分の知らない常識や法則が存在するのだと知る。

リゼロで良いニュースが舞い込むことはほとんどない。

スバルに新しい情報がもたらされたとしたら、それは悪いニュースか、意味を解釈できないニュースのどちらかである。

悟った時にはすでに手遅れだ。リゼロ世界は徹底的にスバルを追いつめ、新しい情報の引き換えに、かならず心と身体の苦痛を要求する。

この現在進行形で巻き込まれている事件の分からなさと、リゼロ世界の未知領域からくる不安感が平行している感覚がたまらない。

◆ 頑張ってるのに誰にも分かってもらえない

画像

スバルは能力の制約で、死に戻りしていることを他者に話せない。

スバルは異世界にやってきて日が浅く、すべての人間関係が結ばれて間もない。

だから死に戻りするとスバル以外の人間はスバルと過ごした時間の大半を忘れてしまうのだ。

お互いに向ける感情にギャップが発生し、助けたいと思っている相手が、なぜそこまでと不可解そうにする。

しかもそういう展開の時って、だいたい嫌なことがあってメンタルを削られている時なんだ。

孤独は精神的に追い詰められている時ほど骨身に染みる。

周囲はスバルが死に戻り能力者であると知らないため、はたからは無力な子どもにしか見えない。有能な人物ばかり登場する分、余計にスバルが滑稽に映ってしまう。

だが実際はスバルが動かないと「破滅の運命」が物語をバッドエンドに導いてしまうため、首を突っ込まざるを得ないのだ。

しかしふりかかる脅威はスバルが何とかできる範囲を超えており、周囲の認識通りの顛末が待っている。

物語では、主人公がどれだけ苦しんでいるかが面白さの指標になり得る。

アニメ放送当時、スバルを嫌っていた視聴者すら同情するほどに、スバルは苦しめられていた。

俺はスバルのことが好きだったので、スバルが頑張る様をかなり感情移入して見ていた。

◆ハイパーキャリー菜月スバル

対戦ゲームで味方チームを勝利に導く(運ぶ)ことを「キャリーする」って言うんだけど、この〝リゼロ〟っていう物語をキャリーしたのは間違いなくこの方。

画像

菜月スバル

まさに主人公の鑑。

彼がやって見せたのは、それはもう、呪術廻戦の五条悟並みの大キャリーですよ。

スバルの仕事を助けたこのお二方にも拍手👏

画像

画像

スバルは、転生前は高校に通えずに家に引きこもってるような奴で、まっすぐ言ってしまうと社会不適合者なんだ。

彼の社不の片鱗は、転生直後から早くも見え始める。

画像

人通りの多い広場

スバルは都会の人通りの多い広場に転移すると、晴天に響きわたるような声量でこう叫ぶ。

「これってまさか、ひょっとして、異世界召喚ってやつ〜!?」

このことから分かるように、社不といっても、根暗で目が合わず、声が小さくて、話しかけても反応が返ってこないタイプではない。

彼はその逆で、根明でアグレッシブ、暗黙の了解を無視して会話のドッヂボールを仕掛けてくるタイプの社不だ。

スバルを見ていると、話しかけているのか独り言なのかよく分からないことがある。多分、どっちの時も同じ筋肉を使ってるんだと思う。

リゼロの登場人物はいい人が多い。

スバルがわけ分かんないことを捲し立てても大抵は受け流してくれる。

そして、受け流して貰ってるからこそ、より濃厚に漂う社不のオーラ。

このようにかなり癖の強い、人によっては嫌悪感すら催すような主人公なのだが、それでもこの作品の主人公はスバルじゃなきゃダメなんだ。

画像

リゼロはスバルの物語だ。

彼がどんな人間で、この世界に来るまでにどんなことを考え、どんな人生を送ってきたのか、そのすべてが物語に反映されている。

正直、ハイファンタジーとして面白いかと言われると、ネット小説の基準ならいい感じというのが穏当な感想だ。

ではなにが面白さの源泉なのか。半分はストーリーの発想力や構成力であり、もう半分はこの菜月スバルという主人公を介した感情体験なんだ。

能力が〝死に戻り〟なだけあって、スバルは本編で痛い思いをしまくるのだが、それ以上に精神に対する攻撃の手が凄まじい。

まるで世界のあらゆるものが、スバルを痛めつけるという目的のもとに集まり結託しているかのように、多方向から精神攻撃をお見舞いしてくるのだ。

スバルは多方位からのめった打ちの果てに、自分の脆く、醜く、恥ずかしい部分に正面から向き合うことになる。

このリゼロという作品は、彼が数々の試練を経て、自分の内面に深く潜り込んだからこそ、味わい深い物語になったんだ。

画像

◆あとがき

最後まで読んでくれてありがとう!

続きの記事も書いてるので、よかったら見てねー!🫠

komepopopo.hatenablog.com

eyecatch

最近、アニメ版マブラヴオルタの20話・21話をロボットみたいに見続けている。

「なにしよっかなー」と思ったときには身体が勝手に動画を再生しており、見終わったら原作を起動して「横浜基地防衛編」(アニメ最終話の続き)をプレイする。その後しばらくするとまたアニメを見始める。

周回するたびに思う。

この作品はなんて面白いんだろう。

物語がひと段落ついた後に、「この世に生まれてきてくれてありがとう」という感謝の念が心の底から湧いてくる。

◆甲21号作戦の背景について

甲21号作戦。

PCゲーム〝マブラヴオルタネイティヴ〟のいちエピソードで、恐らく全オタクコンテンツのエピソードの中でも最上位に食い込んでくる面白いの塊。

この世界の人類は、〝BETA〟っていう宇宙からやってきた怪物とずっと戦争してるんだ。

佐渡ヶ島ハイヴ

火星で発見されたBETAは月を経由して、カシュガルっていう中国の西の最果てに着陸し、ハイヴ(基地)を建造。地球人類を40億人以上虐殺する。

日本もかなりやばくて、朝鮮半島から渡ってきたBETAが九州に上陸して、一時は東京の多摩川辺りまで侵略される。

その時はなんとかなったんだけど、今でも佐渡ヶ島のデカいハイヴからBETAがいつ攻めてきてもおかしくない。

日本の防衛線

この「佐渡ヶ島―東京」間の防衛線は国際的にも重要で、もし日本がやられたらBETAが太平洋からアメリカに渡ってしまい、本当に勝ち目がなくなってしまう。

そうなる前に、

日本軍と国連軍で新兵器を引っ提げて、佐渡ヶ島ハイヴに総攻撃をしかけようっていうのが、今回の物語である甲21号作戦なんだ。

甲21号作戦より前は、人類はずーっとBETAにボコられっぱなし。

ハイヴ分布図

特にユーラシア大陸は地獄絵図で、全部の国の政府が別大陸に退避、ハイヴがほぼ等間隔に並んでいる。

ちなみに人類は一度もハイヴを攻略できたことがない。

攻略できない基地が地球に26個あって、40億人死んでる。

マジでヤバいでしょ?

この世界の人類は、もう5年持つか持たないかっていう、死の瀬戸際で戦ってるんだ。

◆「作戦開始から被害がとんでもないことになっている」

甲21号作戦は大まかに説明すると、

①囮役の軍隊を上陸させてハイヴ地下のBETAを誘いだし、
②手薄になった別方向から新兵器で砲撃する

といった具合で、最初は囮役の軍隊を佐渡ヶ島に上陸させるシーンから始まる。

①囮役の軍隊を上陸させてハイヴ地下のBETAを誘いだし、

②手薄になった別方向から新兵器で砲撃する

実は、地球にハイヴがいっぱいあるとか、40億人殺されてるといった情報は、原作では口頭で説明されるだけであり、したがってこの甲21号作戦が初めての対BETA描写となるわけだが、

俺は原作で囮役の軍隊を上陸させるシーンを見た時に、なぜ人類がここまで追い詰められているのか、感覚的に実感した。

BETAは8種類いるのだが、実質的には2種類しかいない。

①光線級と

光線級

重光線級

②その他大勢

その他大勢

その他大勢はがむしゃらに突っ込んでくるだけ。

BETAはとにかく数で圧してくる。何匹殺しても無尽蔵に湧いて、イノシシみたいに走ってくる。

資源が有限な人類にとってはこれだけでもキツいんだけど、光線級はこいつらとは比較にならないほど強い。

光線級の有効射程は300km以上で、関西から関東上空の飛行機を百発百中で撃ち落とす。

アニメの敵勢力特有のくそエイムは、マブラヴ世界にはない。

アニメでも光線級がレーザーをたくさん発射しているが、実は、あれらは全部なにかしらに当たっているんだ。

光線級は、絶対にレーザーを外さない。

ここで甲21号作戦の概要を思い出して欲しい。

①囮役の軍隊を上陸させてハイヴ地下のBETAを誘いだし、

囮役の軍隊は、母艦に載って、遮蔽物のない海上から近づかなければならない。

アニメでもよーく聞くとオペレーターが話しているのだが、

揚陸艦隊の被害甚大なれど、作戦の続行に支障なし。轟沈81、うち戦術機母艦49、大破52……」

つまり上陸する前に軍艦が133隻も潰されていることになる。

重光線級のレーザー照射

全部当たってる

オペレーターの被害報告の後すぐに主人公の視点になって、

「作戦開始から被害がとんでもないことになっている」

って独白が入るのだが、俺もプレイ中に同じことを思った。

上陸の段階でここまで犠牲を払わされるのか……。

BETAが初めて地球に着陸した時には、光線級はいなかったんだ。

地球初の着陸ユニットが中国西部に落下した時、中国政府は航空兵器で戦いを有利に進めていたんだけど、BETA側が人類の航空機に対応する形で光線級を生み出し、それ以来人類側はBETAに一方的に蹂躙されることになる。(岩盤を溶かす採掘種から進化したらしい)

この辺の歴史は序盤の説明で知ってたんだけど、揚陸作戦中の光線級の激しい迎撃を見た時に、

「光線級の強さ」と「この世界の人類が絶滅寸前まで追い詰められている」っていう二つの情報が頭の中で結びついて、

その瞬間、俺の中で〝マブラヴオルタネイティヴ〟っていう作品が特別なものになった。

ちょっと前の〝帝都クーデター編〟の時点で「この作品ヤバいな」とはなってたんだけど、〝甲21号作戦〟の光線級の迎撃を見た時はなんというか、この作品がもっと精神の深い所まで降りてきたというか、

「これが進撃の巨人を生み出した作品か」

っていう興奮を覚えたんだ。

◆「陽動を志願しますッ――俺にやらせてください!」

甲21号作戦には、「マブラヴといえばこのシーン!」っていう名場面がある。

主人公の白銀武属するヴァルキリーズは、新兵器をレーザー照射から守るために、砲撃地点付近の光線級の掃討作戦を決行する。

この範囲の光線級を倒さないと、新兵器がレーザー照射を受けてしまう

BETAの軍勢に突撃するヴァルキリーズ。

これを受けてBETA側は、全高60mの要塞級を壁のように展開して、光線級を守る。

攻めあぐねるヴァルキリーズ。

早く光線級を倒さないと、新兵器がレーザー照射を受けてしまう。

白銀の回想

「ラザフォード場があるとはいえ、主機に負担がかかるから、なるべくレーザー照射させないでちょうだい」

夕呼先生の言葉を思い出した白銀は、敵の防衛線を越えるために、自ら囮役を買って出る。

「速瀬中尉ッ! 陽動を志願しますッ――俺にやらせてください!」

恐らくすべてのマブラヴ信者たちが満場一致で推すであろう究極の名シーン。

俺的にも作中で一番出力の高いシーンはここだと思ってる。

その理由はなんと言っても、「白銀の大活躍」だ。

ここまで白銀は、操縦技術が高いともて囃されてきたものの、特に目立った活躍はしてこなかった。

マブラヴ世界の戦闘は、上官の指揮のもとで組織的に動くのが常であり、ガンダムみたいに一機で無双するような場面はほとんどない。

そんな世界観のもとで、十時間以上プレイした果てにやってきた、この大舞台。

重光線級を守るBETAたち

熱い。

熱すぎる。

他のメンバーは白銀機を残して反転。

白銀が一機で突っ込むと、無数のBETAに取り囲まれ、集中攻撃に晒される。

白銀の奮戦を遠くから見ている仲間たちはこの表情。

いや~、いいですね~

BETAに類する敵勢力――例えば、仮面ライダーのショッカーとか、ゾンビ物のゾンビとか、ワールドトリガーのネイバーとか、進撃の巨人の巨人とか、シドニアの騎士のガウナとか、他にも色々あるけど、

能力バトル評論家であるこの俺から見ると、BETAは他作品の敵勢力と比べて頭一つ抜けている。

BETAには、バトルが面白くなるような仕掛けが設定の段階から組み込まれていて、それを象徴するのが前半に話した揚陸作戦時の激しい迎撃であり、白銀の大活躍を生んだ光線級哨戒(レーザーヤークト)という作戦過程なのだ。

この辺の能力バトル要素は機会があったらいずれ体系的に語りたいと思っている。

◆あとがき

最後まで読んでくれてありがとう!

他にもいろいろ書いていくつもりなので、よかったら見てね!🫠