本づくり学校のこと (original) (raw)

東京、飯田橋にある製本の学校(本づくり学校)には、2021年の春に”入学"しました。

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以前より、本づくり学校の存在は知っていて、通ってみたいものだと思っていたましたが、当時は 月に2回、新潟市から東京の学校へ通う体力も財力も、そして予習復習をする時間もありませんでした。

じきに、あっという間にコロナが世界を覆いつくし、いろいろなことが制限されました。外出することを控える生活が続く中、たまたま本づくり学校のHPを見ていると、「基礎科オンラインコース開始」のお知らせが目に飛び込んできました。これなら始められるかも!

オンライン開催が どんなに どんなにうれしかったことか!

当時は平日の19時から授業がスタートしていましたので、授業のある日は「定時で帰る」ことだけを目標に仕事をし、17時半には会社を猛ダッシュで出て、家路に向かいました。最初の頃は製本独自の用語がわからなくて、ちんぷんかんぷん。とほほほ。
何を言われているのかもわからない、冷や汗をかきながらの授業でした。

当時は印刷会社の企画・広報を担当していました。ありがたいことに、社内には多種多様な紙や道具、そして質問できる人たちがいました。会社では、私が突然始めた「製本修行」を面白がってくださり、一般向けの本づくりワークショップやフォトブック講座など、いろいろ自由に企画させてもらいました。とても恵まれた環境にいたと思います。

しかし、現代の印刷会社では、全くとは言いませんが、手製本は行っていません。まれに仕事を受けることはあっても、ほぼ外注になりますので、コストがかさみます。

なるべくコストを抑えて機械で一気に印刷から製本まで行い、流通させることが主流の中で、少部数しか作れない手製本は表舞台からは消えていきます。どんな製本でもできるぜ!といえる職人も少なくなっています。

とはいえ、まるで正反対のことを言うようですが、手製本で本づくりをする人たちは世界中にいます。その人たちはお仕事で製本をしているというよりも、自分のため、誰かのため、日々手を動かしています。そこには、人が本というものをつくり始めた頃と変わらない「伝えたいことがある!」という思いが根底にあります。

そして、改めて周りの人たちを見渡すと、ベストセラーにはならないかもしれないけれど、その人にしか語れない、書けない物語を持っている人たちがたそこかしこにいることに気づきます。

これは、作るしかないでしょう。わたしが? いえいえ、あなたの本は あなたが!

基礎科での1年を終えた後、応用科に進みました。
応用科はオンラインというわけにはいかず、東京の教室に通いました。

そして3年目の今、製本講師養成クラスで学んでいます。
現在は製本を学ぶと同時に、講師の先生のアシスタントに入っています。

まだまだ覚えることは多い上、場数が圧倒的に足りないので、臨機応変に立ち回ることはできないのですが、これも発展途上、まだまだ伸び代だらけさ!そう自分に言い聞かせて自由な本づくりを楽しんでいます。

最終的な目標としては、国内外、いろいろな場所に出かけていって、本づくりのワークショップを開催してみたいです。そこで出会った人たちと、その人にしか作れない一冊を仕立てる、学び合う、語り合うことをしながら生きていきたいのです。

日々の暮らしを面白がり、観察し、英語を学び、体を動かす。
悩んだり、大泣きをしたり、理不尽なことにじたばたする。
それもこれもみーんな、本にしてしまうとあんなこともこんなことも必然であるように思えます。

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