成瀬は稀有な存在か (original) (raw)

成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ

成瀬は天下を取りに行く、読了。

成瀬の行動は爽快ですが、それ以上に成瀬の周りの人たちが愛おしかった。

けれども、京大や東大に塾がなくても、あるいは地方からするっと入る人は成瀬っぽい人な気もする。

高校という単位だと学校に1人、地方だと10年に1人くらいの逸材みたいになり、目立つことはあるが、大学に集められると、そんなやつばっか、みたいな状態になる。

そう、意外と成瀬みたいな人だらけになる。

みんな何かの才能に秀でていて、それでいて周囲に変に忖度しない。

「目標や目的にストイックな人」とすると、大体有名外資コンサルで生き残れている人とか、これにあてはまるのではないだろうか。

個人的には成瀬の周囲の人たちが愛おしかった。し、貴重だと思った。

成瀬みたいな子の理解者は、大学に入るくらいまでいないことの方が多い気がするけれど、ずっと成瀬に付き合える自称「普通」のあの幼馴染こそ、一番稀有では?と思ってしまう。

偏差値の高い大学にいくと、中学生くらいから同じような階層でみんなお付き合いがあることがわかる。高校生くらいから階層は分かれて、残念なことに、そこから階層を超えて誰かと交流を持ち続ける人は珍しい人になりつつある気がする。

成瀬は稀有な存在かもしれないけれど、成瀬を理解しようとしたとき、成瀬を理解しようとする人こそが稀有だし、大事にしたいもののような気もする。

おやすみなさい。