八王子城 主郭北麓 7 西方堡塁群 水汲みの谷津・水平道 編 (original) (raw)

八王子城 主郭北麓 6 西方堡塁群 堡塁群~詰め城まで 編
の続きです。

ではルート案内から

・前半は

「横沢の滝」 (西方堡塁群先端)から尾根を登らずに巻いて稜線東側を辿るオレンジ色のルート

・後半は

「水平道1」「水平道2」の東側ルート。 「水汲みの谷津」と呼ばれる谷地を巻きながら「馬冷の大堀切」へ至ります。

①~[4]の番号順に紹介します。

縄張り図に重要なと地名を落とし込みました。

では早速 前半スタート

「横沢の滝」を後にして巻き道を辿ります。

稜線側を見上げて撮影。

岩盤は見えますが、こちら(東側)に石積み遺構は見当たりません。

東側 支尾根上に残る段郭

しばらく進むと

ルートは沢と直交します。

「細久保谷最上流部ですね。

沢の左手はいきなりです。

ここは「棚沢の滝(上)」

眼下の滝壺が見えないほどの高低差がありこれ以上近づくのはちょっと怖い・・

主郭北麓3 で紹介した「棚沢の滝(下)」の上流部に位置するので(上)が付けられた滝です。

下から這い上がるのは不可能にしか見えませんが、伝承では**直江兼続の奇襲隊は「棚沢の滝(上・下)」**共に突破したそうで・・・えっ!

滝を覗き込んだ感想ですが

「どうやって登ったの??」

の疑問しか湧きません。

不可能としか思われず、だからこそ城方も油断して奇襲が成功したのか?

いやいや

素人が具足付けて武器を携帯して登るのは無理じゃないの?

と 思考は堂々巡り。

手を伸ばしてギリギリのアングルで撮影。

いやいや、どう考えても無理でしょ。

それとも 奇襲隊は全員ボルタリングの猛者ですかね?

対岸に渡って引きのアングルで撮影。

あんまり長居すると滝に吸い込まれそうなので先に進む事にします。

同地点から振り返ると

道は谷筋を進むように思われますが

すぐに左の尾根に取り付きます。

見上げると鎖代わりの虎ロープがあるのでルートは比較的分かり易い。

ここからは緑ライン赤ラインの混じった尾根筋ルートを辿る事になります。

このルート

1本道の尾根筋を登るコースで

実は最短で**八王子城「本丸」**背後を突ける

奇襲を受けたら危険極まりないルートです。

しかし地図を見ると「棚沢の滝(上)」を登らない限り肝心の尾根に取り付く事ができません。

この辺りの縄張りのプランニングが実に見事と言いますか、滝の位置を縄張りに活かしきってます。

では早速 尾根道に・・・

実は まだ登りません。

作業道を逸脱して、そのまま谷筋を進みます。

この先は「水汲みの谷津」と呼ばれる谷地形。

例の奇襲隊は、この水汲みの谷津まで侵入してから分散して山肌を直登し、奇襲を敢行したと言われます。

主郭北麓1 で載せた図に再登場してもらいました。

滝の障壁の時点でこのルートは無理があるような気がしますが・・引き続き検証続行です。

谷筋を進みますが 荒れ放題ですね。 倒木が邪魔で進みにくい。

谷底を2列縦隊で進めるか? 1列かも

いずれにしても進める谷底は狭く歩き難いし、当時は柵やら障壁があったはず。

こんな所をゾロゾロ進んで奇襲になるものなのか?

沢の合流点で少しだけ開けました。

正面に三角形の小郭が確認できます。

ここです。

明確にを意識させる地形はここだけでしたが ちょっと判り難いですね

郭と言ってもこの程度です。

背後には段郭が崩れた緩斜面らしき地形もありましたが確証がないので割愛します。

オレンジ色の矢印も さりげなく 書いてますが ここからも頑張れば??登れます。

実は初回訪問時、道迷いをやらかし

戻るのも面倒なので

直登すれば**八王子城**の主郭部のどこかに必ず出るはず、適当に登ってしまえ!

と言う事で

この矢印から直登し「無名曲輪」北側直下の削平地に無事出られました。

登った印象ですが(写真はないです)、道が全くない藪々にも関わらず木などに掴まる事もほぼなく登りきれました。

城方に発見されずに水汲みの谷津まで侵入できれば、「無名郭」への奇襲なら案外成功するかも。

更に進んで

谷底はいよいよ倒木と藪が酷くここで引き返します。

こちらは後半の①で紹介する支尾根段郭部を「水汲みの谷津」側から撮影。

水平道を歩く限りはそこまで険しい地形には思えないのですが、見上げると壁のような印象を受けます。

ここから後半

「水平道1」 「水平道2」の紹介に移ります。

下の水平道「水平道1」を辿ります。

「水汲みの谷津」に突き出す支尾根上に築かれた段郭群

尾根筋を段々に仕上げた簡素な郭が連なります。

「水平道1」から西方堡塁群へのバイパスルート

稜線側からは判り難いルートですが、水平道からはっきり二股に別れて見えます。

こちらは別の支尾根上の段郭

同じく簡易的に段々に仕上げているだけですね、平場の確保だけが目的に思えます。

ぐるっと進んで

道がだんだん怪しくなってきました・・夏は藪に埋もれているかも?

頑張ってかき分け 藪を抜けると

「馬冷の大堀切」に到着。

ここでやっと一般の登山道に復帰できました。

今の場所を振り返ると

「馬冷の大堀切」の先は ↑ の左右に別れる2本の山道に繋がってます。

辿ってきた水平道1と2に繋がるルートは左手の ↑ の方です。

右手の ↑ は

立ち入り禁止

この先は登山道ではありません。

の看板があり、一般の立ち入りは禁止されてます。

こちらは2本ある**八王子城主郭北麓**を辿る水平道の下の道にあたります。

ルート図では立ち入り禁止を反映して緑ラインのルートで表記してます。

右手は残念ながら入れませんが、辿ってきた左手ルートには現状何の規制も掛かってません。

(立ち入り禁止看板は右ルートだけ)

なので

左手の ↑ 側から水平道を辿って西方堡塁群に戻ります。

画像の補足ですが

既に「水平道1」「水平道2」の分岐点です。

折角なので 上の「水平道2」を歩きます。

踏み跡は薄いものの一定の通行はある様子。

[4]の尾根沿いの段郭群を撮影。

尾根筋を均してまとまった広さの削平地を確保してます

が、西方堡塁群の内側という立地もあり、特に防禦に気を配った様子は感じられません。

まぁ内側の段郭については駐屯地のような目的で普請された郭でしょう。

まもなく西方堡塁群に到着

稜線道との交点に戻りました。

ここもただの交差点じゃないように思えますね。段郭削平地のような

水汲みの谷津 辺りの簡単なまとめです

初回の 主郭北麓1 で触れた

西方堡塁群北端部に隙間がある問題

袋が閉じきってないのかと思えば、3本の滝と天然の岩盤堀切と尾根ラインによって、袋の口はきっちり閉じられていました。

上の図でピンク色の帯は、それらを含めた防衛線をなぞったものです。

このピンクの帯主郭部を繋ぐと巨大な安全地帯(郭と呼ぶべきか?)が存在していた事が判ります。

次回は、水汲みの谷津から稜線を登り主郭背後のルートを紹介

八王子城 主郭北麓 8 主郭北麓 編 にて

他の**八王子城**関連はリンク集から

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