「琵琶湖の愛称、『チチカカ湖』に」 ジェンダーニュートラル求める (original) (raw)

「近畿の水がめ」として下流の京都府や大阪府に水を恵む琵琶湖を保全していく姿勢を発信するため、滋賀県は2000年に琵琶湖総合保全整備計画(マザーレイク21計画)を策定。以来「マザーレイク(母なる湖)」をシンボルワードとして、今日まで掲げてきた。

しかし、LGBTやノンバイナリーなど、多様なジェンダーの人々への意識が高まる昨今、ネット上では「父性・母性という概念はステレオタイプではないか」「うちの母親は湖というより毒沼なんだけど」など、ネーミングを疑問視する声があがっていた。

「マザーレイク21計画」から20年目にあたる今年9月、県民ら10人が、性やジェンダーに縛られない、ジェンダーニュートラルな愛称に置き換えることを目指す民間団体「新しい琵琶湖委員会」を発足。「看護師」や「フライトアテンダント」など、既に一般化した中立的な表現を参考に、「チチカカ湖(父母なる湖)」「ペアレントレイク(親なる湖)」「ガーディアンレイク(保護者なる湖)」の3案を提示し、県民5千人にアンケート調査を行った。

アンケートの結果、「チチカカ湖」が90%を超える圧倒的な支持を集めた。音の響きや、英語に頼らない意味の分かりやすさが広く人気を集める理由になったようだ。

ペルーとボリビアの国境に同名の湖があるが、県の観光関係者は「温泉で有名な群馬県の草津や、ラーメンで知られる福岡県の長浜のように、チチカカ湖目当ての観光客を呼べるのでは」と、改名による集客効果を期待する。

委員会では、今回の結果を県に提出して、改名を促したいとしている。

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