リスニングも倍速で 衛府嵐大が「タイパ入試」導入 (original) (raw)

「マークを塗れば合格」とやゆされ巨大マークシートを作った年も

タイパ入試を行うのは、情報商材学部と転売経済学部の新設2学部。両学部とも国語・数学・英語から2科目を選んで受験する。時間効率を上げるため、試験時間も従来の60分から30分に短縮した。

試験内容もタイパを重視。英語ではリスニング問題を倍速で放送するほか、国語では論説文、物語文とも原著の要点を200字程度にまとめた要約を読ませて内容を問う問題に。また数学では試験前日に問題と解答をあらかじめ公開し、「ネタバレ」を確認してから試験本番に臨めるようにした。

通常では試験日から1週間程度要する合否発表も、世界初となる「即時発表」を採用する。採点作業は、試験会場に設置された監視カメラを通じて、リアルタイムに行われるため、試験中でも得点が同大の設定する合格最低点に達した時点で合格が、最低点未満が確定した時点で不合格が、それぞれ試験監督を通じて知らされる。

タイパ入試を導入したねらいについて、同大広報は「私大の複数回受験などで時間に追われる受験生に、タイパに優れた入試を提供することで受験機会を増やしてもらおうと考えました」と説明する。

今年度の募集定員は両学部とも300人だが、来年度以降は20倍の6千人まで拡大。事実上の「全入」を容認する。

同大サイトの「学部長あいさつ」には「ほとんど内容を忘れてしまうにもかかわらず、志望校に合格するためだけに若き日の貴重な1年間を浪費する受験勉強はタイパが最悪と言える。タイパを重視する若者たち、ぜひ本学を受験して入学されたい」と書かれている。

同大は過去20年以上定員割れの状態が続いており、今年卒業予定者の就職内定率も1.3%(前年同期差+1.3%)と低迷。同大で送る学生生活4年間のタイパには大きな課題が残りそうだ。

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