列島に執拗つきまとい 台風に接近禁止命令 桜島地裁 (original) (raw)

判決によると、台風は日本列島への接近や上陸を1万年以上にわたって繰り返し、強風で建物を破壊したり、大雨で河川を氾濫させたりした。統計を取り始めた1951年から2023年までの上陸回数は215回に達し、その内鹿児島県には2割にあたる43回上陸している。

ストーカー被害防止の観点から発足した気象庁は、1956年以来警戒情報を発してきたが、台風は「マリア」「ヤギ」などさまざまな偽名を使い分けるなどしてストーカー行為を続けていた。

桜島地裁の稲村潤裁判長は、長期にわたる一連の迷惑行為を「悪質なつきまとい」と認定。「台風の進路に日本列島がいただけであり、むしろ積極的にアプローチしてきたのは列島側だ」とする被告側主張に対しては、「九州上陸後、中国・四国から北海道へと列島全体をなめ回すような動きから、明確な悪意が推量できる」として退けた。被告側は判決を不服として即日控訴した。

日本で自然に法的処分が下されたのは、11世紀に法勝寺行幸を妨げられた白河上皇が雨を懲役刑に処した「雨禁獄」以来、約900年ぶり2例目。近年、エクアドルのビルカバンバ川やスペインのマール・メノール塩湖など、自然に法的権利を与える動きが国際的に拡がっているが、同時に自然の法的責任を求める声も今後高まりそうだ。

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