2024.3 日光小旅行記 (original) (raw)
※2024年3月前半の出来事です。
今回のお部屋~中禅寺金谷ホテル デラックスツイン~
いつかの日曜日に出勤した代わりの休みを、月曜日にとりました。日・月と休めるのであればホテルが安いので、なにかお買い得なホテルを探していると、「中禅寺金谷ホテル」がヒットしました。旅行サイトで予約すると、時季外れだからかなんと3割引き、普通3万円近くするプランが2万円前半で泊まれるとのこと。一回くらいは名のあるホテルに泊まってみたいと興味を持ちましたので、予約したのでした。
というわけで、今回の小旅行の行き先は奥日光に決定。小さな旅行記を書いていこうと思います。
- 早起きな旅の朝はラーメンを食べよう
- 会津西街道で日光へ
- 洋館建築で優雅なブランチを
- いろは坂を上って奥日光へ
- 今回の宿、中禅寺金谷ホテル
- 中禅寺金谷ホテルでのひととき
- ライトディナーのお夕食
- 爽やかな朝と朝食
- 優雅に日光を去りぬ
- 後記
早起きな旅の朝はラーメンを食べよう
私が住む茨城県北部から奥日光までは、高速道路を使って約2時間かからないくらい。偉大なり北関東自動車道。日光東照宮とその門前町は、小学6年の修学旅行やらなにやらで、まあ幾度となく訪れていますし、奥日光自体は雪の中でオフシーズンなので、早く到着しても時間を持て余しそうです。ということで、朝早く起きられたら、別のところに寄り道しつつ日光に向かおう、という考えに至りました。旅行前夜はあまり眠れない性格で、案の定当日は早く起きましたので、朝ごはんを食べに 喜多方 へ向かうことにしました。
福島県会津地方に位置する喜多方市。
平成の大合併によって市域が拡大する前は、人口当たりのラーメン店の比率が日本一のまちでした。「喜多方ラーメン」は日本三大ラーメンのひとつに数えられ、あの札幌・博多と比肩します(本当か?)。喜多方には、いわゆる「朝ラー文化」があって、朝7時からやってるラーメン店が数多くあり、早く起きた旅立ちの朝に最初に立ち寄るにはとっても都合のいい場所なのです。
常磐道・いわきJCTから磐越道に入ります。天気は晴れ、阿武隈高原には雪の姿はなし。
しかし、郡山以西は 冬タイヤ規制 の案内が。郡山JCTを少し進んだところにある 五百川PA を過ぎたあたりで周辺が雪の景色となり、猪苗代まで来ると路面にも雪がみられるようになりました。磐梯山SAに立ち寄ると、駐車場は一面の雪景色。雪深い会津は、太平洋側気候とは別世界です。
雪の磐梯山SA
郡山方面から喜多方へ行くには、磐梯河東IC で下車すると良いです。県道7号で塩川を経由して喜多方へ行くわけですが、会津盆地まで下ると朝霧に包まれており、田んぼに積もった雪と相まって、一面、白い世界となっていました。
朝霧の会津盆地
本日向かうお店、喜多方市街の北に位置する「一平」さんは、朝7時から営業している「朝ラー」を楽しめるお店のひとつ。このお店を選んでしまう理由が、名物の「じとじとラーメン」。じとじとな理由は、上に載っている背脂。一般的な喜多方ラーメンの姿は、澄んだ黄金色の醤油ラーメンの様相なのですが、このじとじとラーメンは異彩を放っております。背脂で覆われた見た目ほどのくどさはなく、むしろ割とあっさりしており、するするとイケてしまいます。悪いとは思いつつ、スープを飲み干してしまいました。ごちそうさまでした。
喜多方市松山町 らーめん一平さん
じとじとラーメン
会津西街道で日光へ
お店を出て、まだ9時前。このまま下道で、ゆっくり関東へと戻ります。実は喜多方から日光へは、国道121号一本で行けてしまいます。
別名、会津西街道と呼ばれるこの道には、芦ノ牧温泉、塔のへつり、大内宿 など、有名な観光スポットがあります。南会津の雪景色を期待していましたが、雪のピークは芦ノ牧までで、下郷や田島はほとんど雪がありませんでした。山王峠を越えて栃木に入ると雪は全くなくなり、いたって快適なドライブとなりました。
会津若松・神明通り
道中の五十里湖
洋館建築で優雅なブランチを
川治温泉・鬼怒川温泉を過ぎて今市の街に入り、今市警察署北交差点で国道を右に折れ、霧降高原方面へと向かいます。このときすでに時刻は、12時くらいになっていました。もうお昼の時間です。移動しかしていないのでおなかはそんなに減ってはいませんけど。
日光東照宮にほど近い「明治の館」というところでご飯です。東照宮駐車場と同じ場所にあるので、日曜ということもあり観光客渋滞にまんまと巻き込まれます。お昼時なので明治の館の駐車場も満車、しばらく入庫待ちを強いられました。明治の館駐車場は1回1,000円というお値段ですが、お店を利用すると無料となります。ありがたし。
「明治の館」は、明治期に建てられたアメリカ風の洋館建築で洋食をいただけるお店。洋館の元の主は、蓄音機の父と呼ばれるF.W.ホーン氏で、別荘として明治後期に建てられました。日光石を用いた「乱れ石積み」と呼ばれる壁面の石造建築が特徴。洋館内にはホーン氏の蓄音機やレコードのコレクションも展示されています。
明治の館・外観
明治の館の中
お店で一番人気なのが「オムレツライス」です。ふわふわのオムレツがケチャップライスに載っている、とても幸せな食べ物です。オムレツに大きなエビが入っているのが珍しかったです。そしてもう一つ、洋食の王道、ビーフハンバーグステーキをオーダー。香ばしくビターなデミグラスソースがハンバーグを引き立てていておいしかったです。洋館の雰囲気も良く、外の景色もきれいなお庭なので、とても満たされた気分になりました。メイン2つもオーダーしてバカ食いしていますが、夕飯がライトなプランにしてますので、ここでガツガツ食べているわけです。はい。
明治の館で洋食を満喫
いろは坂を上って奥日光へ
優雅にのんびり食事をしてもチェックイン時間まではまだ少し早かったのですが、特にやることもないので奥日光に向かいます。
東照宮の標高は630mで、奥日光の中禅寺湖は1,250m。直線距離にして約10kmの間には、有名な「いろは坂」があります。いろは坂の始まりは馬返という地名。ほう、馬で登れないくらいの坂道だったのだな、と、往時の道の険しさに思いを馳せていたのですが、これには宗教的な意味合いもあったようで、この先は男体山の霊場だったことから、馬はここで引き返す必要があったようです。また、この先に「女人堂」もあるのですが、同じく女性も霊場への立ち入りを禁じていたようです。へえ。
いろは坂案内
いろは坂の始まり・馬返
バンバン早い車に抜かれながらゆるゆると登ってきました。奥日光は一面の雪かと思ってましたが、ぜんぜんでした。いろは坂を登り切った先にある二荒橋前交差点で、そんなに雪をかぶってない日光男体山が出迎えます。中禅寺湖を横目に、湯元まで走ってみることにしました。雪こそ少ないんですが、湯元の近くにある湯ノ湖は凍っていました、さすがに寒いのか。国道120号は湯元から先、群馬の沼田までつながっているのですが、県境の金精峠は冬季通行止めとなります。金精峠は標高2,000mを超えてきますので、ここよりもっともっと雪深いのでしょう。
いろは坂・黒髪平展望台
日光男体山
荒涼とした戦場ヶ原
凍結した湯ノ湖
冬季閉鎖中の金精峠
今回の宿、中禅寺金谷ホテル
「金谷ホテル」という名はどこかで聞いたことがあると思います。金谷ホテルは2つあって、おそらく皆さまが思い浮かぶのは「日光金谷ホテル」のほうでしょう。これは東照宮にほど近い場所にあり、明治期に創業しています。そしてもうひとつが、今夜宿泊する「中禅寺金谷ホテル」です。前者は歴史と伝統を感じるコンセプト、後者は豊かな自然を感じるコンセプトとなっており、両者で趣が異なります。
今夜の部屋タイプは「デラックスツイン」と呼ばれている部屋で、スタンダードツインと異なるのは、ベッド2台がくっついて部屋の真ん中に鎮座している点です。哀しくもぼっち旅なので、キングサイズベッドとして使ってやりました。室内にはフェイク暖炉がありました。インテリア扱いで、機能は特にありません。
すべての部屋から中禅寺湖を望むことができます。夏は景色を眺めながら、ベランダに出て涼むのもいいかもしれませんね。訪れた3月は冬は厳しい寒さのさなかですので、朝目覚めるときにベランダに出て氷点下の風を浴び、目覚ましにうってつけなのでした。
今夜のホテル
中禅寺金谷ホテル・外観
ハリウッドツインのお部屋
中禅寺湖を望むバルコニー
中禅寺金谷ホテルでのひととき
中禅寺金谷ホテルには温泉がありまして、「空ぶろ」という愛称がつけられています。とにかく外が相当寒かったので、チェックイン後に一目散に向かいました。
「空ぶろ」は奥日光湯元の温泉を引いており、いかにも肌に効きそうな白濁したお湯で、かけ流しの硫黄泉を楽しむことができます。内湯と露天風呂があり、また、サウナもあります。露天風呂はかなりぬるめで、外気温が氷点下なのと相まっていい感じに長湯を楽しめます。私が入浴していた時には小雪が舞っていました。これはこれで風情です。なお、クラシックホテルなので、館内着でウロウロしてはいけない決まりなのですが、温泉との行き来だけは浴衣での往来が認められています。
硫黄のお風呂を楽しんだ後はラウンジでゆっくり読書を楽しみました。ラウンジ「しゃくなげ」は大きなソファがあって、また、コーヒーと紅茶のサービスがあり、中禅寺湖を眺めながらゆっくりと過ごすことができます。
ロビーにもくつろげるスペースがあって、こちらには(部屋にあるのとは違って)ちゃんと稼働する暖炉がありました。ホテルのスタッフの方がときおり薪をくべにきます。煙の香り、火の揺らぎを眺めているだけで、心が落ち着きますね。
ラウンジ・しゃくなげ
中禅寺湖を眺めながらのひととき
ロビーの暖炉
ライトディナーのお夕食
ダイニングルーム「みずなら」でお夕食です。ライトディナーのコースで、前菜・スープ・メイン一品・デザート・コーヒーで構成されてます。
せっかくですので、那須野が牛のメインをオーダー。赤身で、しっかりとした肉質。厭な臭みやくどさがなくおいしかったです。
特筆はパンでした。これは印象深かったです。うれしいことにおかわりもオーダーできました。
これまたせっかくなので、ロゼのワインもいただきました。ボトルには開業当初と現在の中禅寺金谷ホテルが描かれています。
前菜
スープとパン(このパンがとてもおいしかった!)
メイン・「那須野が牛」フィレ肉のグリエ
デザート
爽やかな朝と朝食
朝食会場も同じく「みずなら」です。中禅寺湖が見える窓際の席に通していただきました。外は晴れ。雪景色ではありましたが、いい天気に恵まれました。木に包まれる「みずなら」で、ゆったりと過ごすブレックファスト。中禅寺金谷ホテルの真骨頂かもしれません。朝食は、ミニサラダ・ジュース・卵料理・ハムorベーコンorソーセージ・トーストで構成されています。
木のぬくもりにつつまれる、ダイニング「みずなら」
朝食を待つ
自慢のオムレツ
ふと顔を上げると
優雅に日光を去りぬ
今日は月曜日。本来であればオフィスでメールを読んでいるころ、今日だけは、優雅に朝食を摂り、中禅寺湖の景色を眺め、高原の冷たい空気を吸っています。それだけでなんとも言い表せない、満たされる感があります。名残惜しいですが、帰ります。チェックアウトギリギリまで、キングサイズと化したベッドでうだうだしておりました。大変リフレッシュできましたね。
帰り際に眺めた中禅寺湖
ここを降りたら関東平野
帰りは宇都宮市内に寄り道して、天一行きました。一気に現実世界に引き戻された瞬間でした。
現実へのリハビリ
後記
ということで、中禅寺金谷ホテルに宿泊してきました、という小旅行記でした。メインはホテルでゆっくり過ごす、ということでしたので、名所に立ち寄ったりはしませんでした。おかげさまでだいぶリフレッシュできまして、満足度の高い旅行になったと思います。
中禅寺金谷ホテル自体は豪奢なホテルではなく、落ち着くログハウス風のホテル、といった感じです。レトロさは感じられませんが、内装に木をぬくもりを十分に感じることができ、リラックスを求める大人の休日にはぴったりのホテルだと思います。冬ということもあって、とても静かでした。また行きたいと思います。
完(すっかり季節は秋になってしまった……)