日本代表 VS フィジー代表 試合所感 (original) (raw)
相当に今更感はあるものの、9月21日(土)に花園ラグビー場で行われたパシフィックネーションズカップ決勝とこの大会の感想を記します。
フィジー代表が41対17のスコアで日本代表に勝利した試合です。
いつもの登録選手所感は時間がなくて投稿できませんでしたが、日本代表は前のサモア戦とほぼ同じメンバーでした。現状組めるベストの布陣だったということでしょう。
当日は雨かと思っていましたが、蒸し暑い以外はコンディションは悪くなかったようですね。
前半は日本が攻勢を仕掛ける時間帯がありながらも、後半は疲労が溜まってきて失点を重ねる展開。
後半に大量失点を許す試合展開に関しては既視感がありました。
前半の攻めている時間帯に思うように得点をあげられなかったのは、フィジーがこの大会で対戦したほかのチームよりも地力があったからですね。
この大会でサモアやアメリカには大量得点できましたが、両チームが対戦した3位決定戦のときには日本の蒸し暑さにもある程度順応していたと思われるので、両チームと同じ日に再戦していたとしたら、もっと競った展開になったのではないかという気もします。
何試合か前の感想にも書いたような気がしますが、相手のディフェンスが整っている場合、個人技や相手のタックルミスなどがないと大きなゲインができない傾向が顕著になってきた感じはします。
パスが軽快に回っているように見えていた時間帯も、横に移動しているだけでたいしてゲインはできていません。
アタックに関しては、ライリーやディアンズあたりの個人能力への依存度が強すぎる感があります。
リスタート時のキックの使い方ももう少し工夫がほしいところ。
滞空時間の長いキックを蹴ってチェイサーが競りにいくわけでもなく、短めに蹴って相手に簡単に渡すというのを繰り返していた印象。
深い位置に高く蹴れるキッカーも、ハイボールをうまく処理できる人材も乏しいのが実状ですが、強敵相手に競るためにはマストの戦術ですので、何とか工夫と改善を重ねていく必要があります。
後々のチームづくりを考えて、エディー氏が意図的に序盤から速い仕掛けをさせているところはおそらくあるのでしょう。
しかしながら、途中から停滞してくる毎試合同じような展開を見せられると、80分を考えた工夫がないなという印象にはなります。
この大会は位置付けが微妙な大会でしたが、それはそれとしてファイナルなので勝負にこだわってほしかったかなと。こだわった結果があれだったとすると、それはそれで心配ですが。
個々の選手は奮闘しているとは感じたものの、フィジカルが上回る相手に対しては、コリジョンにこだわる時間帯と意識的に避ける時間帯を80分のなかで使い分けていかないと、今後もなかなか難しいと思います。
それなりに戦術的な連携が深まり、アタックの選択肢もできてきたようには思いますが、今の成長速度のままではWCベスト8以上はおろか、ティア1からの勝利もおぼつかないように思えます。
居住資格を満たした海外出身選手の追加が最大の強化策、なんて皮肉は言いたくないですが、残念ながらこの大会の歩みを見る限りあまりチームの伸びしろは感じませんでした。