MedLingua (original) (raw)

スペイン語は基本的にアルファベット通りに発音すれば通じる点で,発音の習得は比較的容易な言語と言えます.

その中でも一部学習者を悩ませるアルファベットとして**"G"**音があります.

日本語の教科書では以下のような説明がなされることが多いと思います.

語頭で後ろにo, a, u, 子音が来ると「ガ行」,語中では「あいまいなガ行」,後ろにi, eが来ると「ハ行」になる

学習し始めたときは3つの違う音が出てきて私の頭は大混乱でした.

しかし実はこの3つの音には一つ共通点があります.それは,調音部位いずれも軟口蓋ということです.

軟口蓋と言われてもピンとこない方もいるかもしれません.舌を使って上の歯から口の奥の方へなぞっていくと,まず硬い板のような部分があるかと思います.ここを「硬口蓋」と呼びます.一番奥には「口蓋垂」,俗に言う「のどちんこ」があります.その間の柔らかい部分が「軟口蓋」です.

日本語で「カ行」や「ガ行」の音を発音するときに使う部分です.

同じ軟口蓋音の中でも,位置によってどのように発音が変わるか示したのが以下の表です.

語頭で後ろにo, a, u, 子音が来る /g/ 有声軟口蓋破裂音
語中で後ろにo, a, u, 子音が来る /ɣ/ 有声軟口蓋摩擦音
後ろにi, eが来る /x/ 無声軟口蓋摩擦音

もともとは/g/の音が歴史の中で,語中では摩擦音に変化し,後ろにi, eが来ると無声摩擦音に変化したと整理することですっきり説明できます.

この3つの音はカタカナで表記するとばらばらのように見えますが,いずれも軟口蓋で調音されるという共通点があったのです.

最近臨床でChat GPTを活用しようと,携帯にアプリをダウンロードして課金し始めました.病棟間の移動の時間などに活用しています.

これがきっかけで,Chat GPTを使って隙間時間に語学学習をすることにはまっています.

私の憧れの存在である,10か国語以上を話す語学の達人である秋山 燿平さんは著書『世界一シンプルな外国語勉強法』の中で,基本的な「犬かきの単語・表現」を覚えたらすぐにチャットアプリなどでネイティブとメッセージのやり取りを始めることを推奨しています.

非常に有用な方法で実践してみたいところですが,シャイな私は(仮に相手が日本人だったとしても)躊躇してなかなかメッセージを送ることができません.

そんな私でもAI相手であれば気軽に話しかけることができます.いずれはネイティブと話して生きた外国語に身を浸すことが大事だと思いますが,最初の一歩としては十分機能するのではないでしょうか.

Chat GPTを使い始めて工夫次第で非常に有用なツールと感じたので,私の行っている方法を紹介します.読者の方のおすすめの方法があれば取り入れさせていただきたいので,ぜひコメントで教えてください!

まずは自分がその言語の初心者だと伝えて会話を始めます.

会話を始める

以下のように,自分の犯したミスをリストアップしてもらうことができます.

ミスを挙げてもらう

会話の中で出てきた単語を例文とともにリストアップしてもらうこともできます.

会話から単語リストを作る

会話の中での頻出単語を収集させることで,自分が良く使う単語を集めた、自分だけの単語帳を作ることができます.また,自分が示した情報を記憶してくれるので,例文も自分が使える形で提示してくれます.

例えば,私は内科レジデントなので,Soy un residente interesado en la medicina (私は感染症に興味のある内科レジデントです) という例文をそのまま使うことができ非常に実用的です.

オリジナル単語帳を作る

地域医療実習でクリニックに来てはや1週間がたった.今日訪問診療で経験した貴重な経験について振り返ってみる.

患者さんは6か月前に左上葉肺腺癌,多発脳転移,多発骨転移と診断され,3か月前に左頭頂葉の転移性脳腫瘍の摘出術を行った.独居だったためサービス付き高齢者向け住宅に退院となったが,ADLや認知機能はほとんど保たれていた.

今日訪室してみると上級医が前回訪問した時よりも意識状態が悪化しており,新規の右上下肢麻痺も見つかった.
施設職員や家族曰く,2週間くらいこのような状態だったとのこと.

医学的には,脳転移巣が増大した可能性,腫瘍を背景に凝固亢進して脳梗塞になった可能性,転倒を契機に慢性硬膜下血腫を発症した可能性が考えられた.

僕は緊急ではないにせよ,鑑別のため頭部CTが必要だろうと直観した.上級医も撮りたいと言いつつも非常に迷っていた.というのは,患者さんは意識が保たれているときに手術や急変時の病院搬送はしないでほしいと意思表示しており,娘様も穿頭術であっても本人は手術を望まないはずだと推定したからだ.
手術をしないのであれば,CT撮影によって大きく治療方針が変わることはない.あるとすれば,PCI後で内服していたバイアスピリンを止めるかどうかの判断に影響するのと,予後予測に役立つかもしれないくらいだ.娘様も上記を理解した上で,CTを積極的には希望しなかった.

終末期の医療は関係性に大きく影響されるという.同じ病態であっても,患者さんや家族の価値観によって治療が変わってくる.さらに,ここには医師の考え方も大きく影響してくる.このような医療を間主観性の医療と呼ぶと教わった.

難しいのが,間主観性に頼りすぎるのも患者さんのためになっているかどうか分からないということだ.
例えば意思表示ができない末期COPDの患者さんがいて低酸素になったとする.家族は患者さんを見ていて酸素を吸っているときに苦しそうだから,酸素は投与したくないという.医師も酸素投与は延命にしかならないと考えている.
では酸素を投与しないでよいのかと言えば,そうとも言い切れないだろう.それは患者さんがその決断によって苦痛を感じればそれは無危害原則に反することになるからである.
間主観性と医学的必要性のバランスを取るのが難しいと感じた.

脱線してしまったが,カンファでこの症例を提示したところ,CTは治療方針に影響しないので不要という意見が多かったが,担当医の主観は治療方針決定に影響して然るべきとして,最終的には行う方針になった.

それとは別に,今の施設でいつまで診てくれるのか,本人や家族は最期の場所としてどこを望んでいるのか,などの意見も出てきた.

今回は終末期の患者さんの(準)急変という貴重な経験をすることができた.
家族,プライマリケアに関わる医療スタッフが,様々な可能性を考慮して話し合いを続けることで,心理・身体的変化の多い終末期の患者さんを支えることができるという学びを得ることができた.