月組「琥珀色の雨に濡れて」観劇感想 (original) (raw)

こんにちは

月組新トップコンビお披露目「琥珀色の雨に濡れて」観劇してきました!!新トップに似合う作品が選ばれたなーと感じた琥珀でした。

琥珀色の雨に濡れて」は、映像で望海風斗・真彩希帆を観たのみ。個人的には今回の配役の方がハマったかなと思います。

戦争から生きて帰り、その経験を経て友人と企業、その友人の妹と婚約。あの時代でいえばきっと線路の上を着実に進んでいたはずのクロードが、たまたま散歩の途中にマヌカンシャロンに一目惚れしてしまったせいで両方の女性を傷つける。ほんとそれだけの1人の男の純粋な浮気ストーリーなわけですが、それをどれだけ宝塚らしい少し浮世離れした美しいものにみせるかということが問われる作品。起きてることは現実にもありそうなのに汚い現実の浮気とは一線を画す潔癖さがたしかにありました。

それではキャスト別に書いていきます。

クロード : 鳳月杏

本当に素敵な演技をしますよね。シャロンに一目惚れした時、ただ立っているだけなのに見つめる目線の熱さで一目惚れしたのだと誰もが分かる。フランソワーズと踊っているのに心ここにあらず。シャロンと再会した時の目に熱のこもった表情、オリエント急行の駅で2人ともを失ったと気付くときの目の曇り。どこを切り取っても素晴らしく、客席にまで想いが届くのに演技は決してやりすぎではなく自然。

一女性としては絶対に許せないはずのクロードを、なんだか可哀想思わせてしまう純粋さと潔白さ。絶対に許せないクロードを少し仕方ないと思わせてしまうところが技量の高さです。素晴らしかった。

シャロン : 天紫珠李

華やかで手足の長いビジュアルがシャロンにぴったり。世の中つまんないから少しでも自由気ままに歩いてみたりして、でも心のどこかでは一所懸命歩んでみたいという気持ちも全くないわけではなくて。クロードには本気で恋をしたというより、違う世界からきた彼に今まで感じたことのないワクワクを感じて、世界がパッと明るくなったような気持ちなんだろうなと感じました。

クロードに婚約者がいたという事実より、彼を追いかけて一晩中運転することのできたフランソワーズの一所懸命さへの嫉妬のプロポーズされた発言、オリエント急行の駅まで来たフランソワーズをみてやっぱり世界が違うと悟って唇をかみしめてクロードより先に言葉を発することで自分自身を護る弱さ。シャロンの人となりがよくわかる素晴らしい役作りだったと思います。

ルイ : 水美舞斗

まあとにかく一挙一動、舞台にいる一瞬全てがかっこよすぎて。ルイはただかっこよくて楽しいからジゴロをしているわけでなく、ジゴロとしてしか生きようのなかった暗い過去を感じさせる闇の部分が見え隠れして、それがまた魅力的なんですよね。

今まで交わりようのなかった公爵クロードとの一時は、同じ女性を純粋に追いかけることである種の共鳴みたいなのがあり、シャロンを追いかけること以上にクロードと対等にいられた時間が楽しかったのではないかなとみていて思いました。

フランソワーズ : 白河りり

フランソワーズが婚約者を家で待ち焦がれるだけのお嬢様なら、それはシャロンが魅力的だし仕方ないよねクロードとなるところ、フランソワーズは自ら婚約者を探しに一晩中車を走らせる気概があり、一度青い列車に乗るという過ちを犯したクロードを(自分を追いかけてきてくれたことに免じて)許して結婚して、そして再びオリエント急行まで追いかけるガッツのある女性だからこそ、クロードの浮かれ具合と純粋さゆえの酷さが際立っていて、健気さと儚さと同時に本気を出した時の女の強さを持っていたのが魅力的でした。とっても月娘ぽいフランソワーズでしたね。

ミッシェル : 礼華はる

ミッシェルは出番こそ少ないものの最後のクロードへの語りかけで物語の後味を決めるので大事な役目。「がっかりだよ」の一言は作中最も難しいセリフだったと思いますが、これからのビジネスも一緒にやってくけど2人の間には一生埋まることのない溝ができてしまったというのを端的に確実に正確に伝える一言は見事でした。

ジョルジュ・ドゥ・ボーモン伯爵 : 凛城きら

シャロンは魅力的だけど、それはお金になるからで、クロードやルイが持っている気持ちとは絶対に何かが違う本物の大人というのが少ない場面でもしっかり出ていたのがさすがだなと思いました。

エヴァ : 白雪さち花

月組若手イケメン衆を率いるさち花、シンプルにとても良い。そりゃ姐さんの言ってることは絶対だよなあ?!少し哀しさのある雰囲気がまた素敵でした。

シャルル・ドゥ・ノアール子爵 : 夢奈瑠音

いやあ上手いですね。そうか、ジゴロの元締めは貴方ですか大納得。ビジネスを回して表面は大成功しているのに、長年結婚なんてできないエヴァとの関係と距離感が切なくて、2人が結ばれていないという事実がシャロンとクロードが一緒になる未来もないと示唆しているし、いろんなものを抱えた上で歩んでいる背中はとっても魅力的でした。

アルベール : 英かおと

うーちゃん×ジゴロは罪です。一挙一動すべてが最高です。

ピエール : 七城雅

ジュヌヴィエーヌ : きよら羽龍

ポール : 甲海夏帆

ピエールとジュヌヴィエーヌの幼馴染の恋、あまりに良すぎないか…?ここもっと膨らませて欲しい。少女漫画のタッチのリアルがそこにあった。そして何も知らない婚約者ポール。立ってるだけ、歩いてるだけなのに、絶対何も知らないし21時に寝ちゃうの納得な佇まいさすがでした。

次はショーの感想を書きたいところですが、記憶が確かなうちに先に「BLUFF」を書きたいと思います。

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