In Beauty May I Walk / The Elora Singers (original) (raw)

カナダの合唱団エローラ・シンガーズの2024年リリースの新作。マーク・ヴオリネン指揮。調べてもアルバムに関する情報がほとんど発見できなかったので、コンセプトなどはよく分からないのだが、とりあえずエセンヴァルズをお目当てに聴いてみた。

In Paradisum(Eriks Esenvalds)というなかなかの大曲から始まるアルバム。なんとなくラストのイメージがあって個人的には意外だったのだが、聴いてみるとオープニングでもそんなに悪くないかもしれない。同じくエセンヴァルズの作品からはOnly in Sleepも収録されていて、サウンド感は悪くないものの、色々と引っかかる演奏ではあった。フレーズの後押しが多すぎることとか。F.マルタンのミサにも似たようなことは思った。

その他も(おそらく)20世紀以降の作曲家の作品が並んでいる。決して悪くはないんだけど、細かいところでの詰めの甘さが気になったり、パッとしない演奏が多かったり… という印象だった。一方で、あまり聴いてこなかった曲との出会いはやけに多かったのでアルバムに対しての不満はない。ヴォーチェス8あたりが録音してそうなレパートリーだなとは思ったけど。

曲名も含めて初めて知ったのは、ステファニー・マーティン「A Frost Sequence」、ゲイリー・クレシャ「We have fallen」、アンドリュー・バルフォア「Gaze Upon The Trees」あたり。前半のルネスタッドやダヴ、ラストのヴァスクスとかも普段はまず聴かないから新鮮だった。

久々にそこそこ悪口(不満点)を書いてしまったのだが、全体的に悪いというわけではないことを一応最後に付言しておく。


In Beauty May I Walk
The Elora Singers, Mark Vuorinen
2024
★★☆☆☆(2024/8/17)

In Beauty May I Walk