先天的・変更不可能な属性ではない「思想信条」にもヘイトスピーチは成立する、との定義(新明解国語辞典) (original) (raw)

――独特の語釈を楽しませてもらっています。今回の改訂でも特徴的な語釈はありますか。

山本さん 〝独特の語釈〟を追求しているわけではない、というのは申し上げているところですが、語が表すものをできるだけ描ききる、という意味で、その語に対する社会的な評価なんかもある種入れていかなければいけないというのはあります。

山本さん 例えば新語として今回採用した「おやじギャグ」で、「多くの場合かえってひんしゅくを買う」とか(笑い)。

第8版=三省堂提供、黄色の強調は引用者。以下同

山本さん「ヘイトスピーチ」が「社会の分断をはかる卑劣きわまる言動や活動」などです。

第8版

山本さん 普通の辞書ならもっとさらっと書くであろうところかもしれませんが、一言付け加わっています。

吉村さん 一歩踏み込む、と。

mainichi-kotoba.jp

新明解国語辞典の改訂をニュースにするのはいいんだが、惜しいことにこの問題に聞き手が詳しくないのだろう、「どこが一番のニュースか」に関する価値判断がずれている。
「卑劣きわまる」とか、そういう形容詞を入れるのは同辞典の通常営業なのだ。 そうではなく「思想信条」…すなわち後天的に、自身が選び取って選択し、変更が可能なものが対象であっても、ヘイトスピーチは成立する…と有名辞書が定義した、ここが今回は大大大ニュースなのだ。
日本屈指の有名辞書がそう定義したのだ。

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「思想信条」に対しても、ヘイトスピーチは成立する(新明解国語辞典の定義)

新明解国語辞典 第八版 青版

ちなみに「少数派から多数派へ」といった定義が「かかれていない」ことに注目している人も。
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