今考えるプロダクトとユーザーとの向き合い方〜CREが設計するユーザーコミュニケーション〜 (original) (raw)
この記事は、Mackerel Tech Day開催記念連載 3回目の記事です。 前回は、分散トレーシングサービス Vaxila(ヴァキシラ)ってどんなサービス? - Mackerel Tech Day開催記念連載 #2 でした。
こんにちは。Mackerel CREチーム ディレクターのid:missasanです。 CREチームでは、以前よりプロダクトとユーザーの橋渡し役として、Meetupなどのイベントの企画・運営やアンバサダープログラムなどの運営に携わってきました。
今回は、今後プロダクトがオブザーバビリティプラットフォームとしての進化を目指す大きな変革のタイミング*1にある中、あらためてCREとしてユーザーとどのように向き合っていきたいかということを、10/22(木)に開催されるMackerel Tech DayのコアスタッフであるCREチームメンバーにインタビューしていきたいと思います。
メンバー紹介
id:missasan
2018年にジョインしてからCREとしてユーザーのMackerel活用支援を行う傍ら、Meetup運営やアンバサダー運営などに携わる。2023年2月からはMackerel CREチーム ディレクターとしてチームの取りまとめを行っている。
id:KGA
2023年2月に他チーム所属のアプリケーションエンジニアからMackerel CREに転身、ユーザーのMackerel活用支援を行う。2023年7月に4年ぶりの開催となったMeetupの実行委員長に任命され、今に至るまで各種ユーザーとの接点となるイベント企画・運営に取り組む。
id:meymao
2024年4月に他チームからCREチームのプランナーとしてジョイン。SNS活用、アンバサダープログラムの運営を引き継ぎ、さまざまな改善活動に取り組む。
プロダクトの勢いを届けられていないのでは?コロナ禍を経て感じた課題
missasan私がジョインした2018年頃は、Mackerelのユーザー向けイベントもすごく盛り上がっていて、活発に開催されてた記憶があるのですが、やっぱりコロナを経てそれが減ってしまって、少しプロダクトとユーザーとの距離も空いてしまっていたなと感じているのですが、他チームからCREチームに移籍してきたKGAさんは、見ていてどう感じてましたか?
KGA外から見てる感じではどれくらい実情が変わってるのかは、あまり分かっていなかったですね。ただ、よくOSSを作ってくれている方は継続してくれてるのだなという認識がありました。社内メンバーもよく知るユーザーさんとか、そういう方たちは長年使っていただいていたし、Mackerelに限らずエンジニアコミュニティでもよく見かけていて、Mackerelに関する発信もたびたびしてくれてそうだなと思っていました。
missasanそんな中、Mackerel Meetupの実行委員長に任命されたわけですが、Meetupについてはどういう意気込みで挑んでいたんでしょう。
KGAまず一つは、会いに行ける場を復活させる、というところですね。なので「Mackerel、またイベントやってるじゃん」と懐かしんでもらえるのが大事。 あとは、CREになってミーティングなどでお客さまと話すようになってから「かつては毎週リリース*2とかしてましたよね。最近はあまりそういうの、やられてないんですか?」と言われることもあるのですが、Mackerelの中の人になってみたら、そこはそんなことはないんじゃないかと思っていて。その勢いがまだある、全然継続しているぞ!というところがアピールできてなかったので悔しかったです。 「この勢いを認知してほしい!」というところは、最初の復活1回目に大事にしてたところかなと思います。
懇親会が盛り上がらなかったことがない!エンジニア同士でワイワイできることがイベントの魅力
missasanなるほど、ありがとうございます。 実際に運営をやってみてどうでした?楽しかったところとか、しんどかったところなどあれば。
KGA最初に運営に加わったコロナ禍後の復活第1回のMackerel Meetup #14に限らず、その後定期的に開催しているMackerel Drink Up(#11, #12)やOpenTelemetry Casual Talk、オブザーバビリティ再入門、12月にはMackerel Meetup #15をやりましたが、懇親会はどれも盛り上がっているんですよね。DrinkUpは少人数だけど、ワイワイしている。盛り上がってないという回はなかったですね。 メインのトークも面白いし、パネルディスカッションがすごく盛り上がったこともありましたが、やっぱり懇親会でユーザーさん同士やユーザーさんとMackerelチームのメンバーとの会話がずっと盛り上がっている、というのが一番嬉しくて、そこが多分一番達成感が得られている部分かなと思います。
難しかったところは、よいものを作っているということをちゃんと伝えたり、Mackerel自体のプレゼンスや評判をイベントだけで取り戻すのは難しく限界があると思っていて、そこはプロダクトの魅力を上げることとの両輪かなと思っています。 イベントをただやるだけではなくて、プロダクトにも貢献できるようなことを考えていかなきゃいけない、というのを一年やって感じています。 「ユーザーさんと一緒に」という切り口だと、巻き込んでプロダクトの魅力を発信していくとか、要望を直接聞いて開発チームにフィードバックするとか、そういうところもCREの活動として大事だと思っています。
ユーザーの声をもっと多くの人の目に触れるようにしたい。X運営改善でできること
missasanmeymaoさんには、Mackerelへのジョインの経緯から聞きたいです。
meymao私は2023年から1年育休していて、育休が明けるときに「Mackerelどうですか?」と人事から打診があって。「Mackerel……!!!」と驚いたのが正直なところでした。
なんで声がかかったかというと、元々私ははてなのtoCサービスのサポートからプランナーという職種を経験していて、エンジニアのような技術的な背景や知識に強みがあるわけではないのですが、一方で、プライベートで夫がエンジニアでCommon Lispというプログラミング言語の人なのですが、国内外のLispカンファレンスや勉強会に同行して参加したりと、Lispコミュニティとの関わりがあって。 あとプライベートでハッカソンを時々開催していて、Lisperの集まりを主催したり、インターネットで人を広く募集して、知ってる人も知らない人も来てみんなでワイワイ!みたいなハッカソンをお家でやったりとか。
missasan意外とユーザーコミュニティとの付き合い方みたいなところでは親和性が高かったんですね!めちゃくちゃ頼もしいですね。 今はどういうロールで活動しているんですか?
meymao今はプランナーとして、Xアカウントの運用やアンバサダーの方々へのコミュニケーション、コンテンツ制作、そしてイベント運営などを行っています。
missasanmeymaoさんが入って、ここ改善しました!というエピソードはありますか?
meymao一番最初にしたことは、Xアカウント(@mackerelio_jp)の運用方針決めですね。Xアカウントの運用方針がチーム内で定まっていなくて。いろんなチーム内の方がポストするのですが、「どういうことができて、どういうことができない。これはしたらダメ、これはしてよい」が決まっていなかったので、そこを決めましょうというのをやりました。
具体的には、せっかくユーザーさんがMackerelについて発信してくれているのに、いいねやリポストを誰もしてないな?すごくもったいない!と思って。なので、そこを明示的に「これはやっていいですよ、やりましょうね」というのを取りまとめて、合意を取って、チーム全体に展開して実施する、というのが最初にやったことです。
missasanチームでやれていないことも多かった中、テコ入れしていただいたのですごく助かっています。ユーザーさんのポストももっといろんな人の目に留まるように盛り上げていきたいですね。
ユーザーも開発者も一緒に楽しめる、メリットの大きい施策を増やしたい
missasanでは後半戦、今後ユーザーさんとどういう向き合い方をしていきたいですか?というのを、ちょっと掘り下げてみたいです。
まずはmeymaoさんから。アンバサダーへの発信もされているし、今後こうしたいなとか、本当はこうだったらいいのに、まだそうなっていないなとか、いろいろ気づいてることがすでにあるんじゃないかと思うのですが、いかがですか?
meymaoMackerelブログの過去の記事を漁ったときに、元Mackerelプロデューサーのid:sugiyama88さんがMackerelが大切にしているエンジニアを"ワクワク"させることについてという記事を書かれていて、そういうのはやはりMackerelならではだと思うので、そこをMackerelチーム内だけでなく、ユーザーさんをしっかり巻き込んでやっていく、というのをもっと加速させたいなと思っています。
具体的なアクションとして、アンバサダーの方へのコミュニケーションをしっかりやっていくことは勿論、ユーザーグループも今はコロナ禍などもあり停滞しているところを、もう一度ちゃんと盛り上げていきたいと考えています。
missasanユーザーグループの再始動は、難易度が高そうですね。
meymaoそうですね、盛り上げてくれるコアメンバーを探すところからです。ただ、私自身がMackerelのコミュニティをまだあまり把握できていないんです。どこから手を付けていいか当たりがついていないところで、「よっしゃ、やっていくぞ!」という気持ちだけがあるので、KGAさんがされているイベント企画と一緒にやっていくことで、相乗効果が出せるんじゃないかなと思っています。 というわけで、コアメンバー絶賛募集中だし、こちらからも声をかけていきたいですね。
missasanちゃんと盛り上げたいなという気持ちは、私もとても共感します。一緒に頑張りましょう! KGAさんは、これからユーザーさんとこういう風になっていきたい、という部分で何かイメージしていることはありますか?
KGAもうちょっと、なんというか「つながりや中身も濃くしていきたい」と思っています。 ある程度この1年間でイベントという場を作って、ワイワイできてきたので。もう少し作戦を立ててコミュニケーション設計をしていきたいです。
CREがユーザーさんとコミュニケーションを取るだけじゃなく、例えば「開発チームとユーザーさんに話してほしいからこういう施策をやるんだ」といった目的を明確にした企画などですね。もっと具体的に交通整理をして、それぞれ効果が高まるような施策をしたいです。 いまはイベントがメインなので、打ち手をいろいろ考えていきたいですね。まず、現状の分析をして改めて見直してやっていく、という形になるんじゃないかな。
missasan具体的にはどういうことをやりたいなど、考えていることはありますか?
KGAイベントだけじゃなくて、かつてもやっていたハッカソンなど、それが最適だと思ったらやりたいです。参加したら「ユーザーさんもMackerelをより使いこなせる」とか「魅力が分かる」とか「ユーザーさんもMackerel自体に貢献できる」といった、イベントでは得られない体験ができるような企画。CREが企画してやることは、Mackerelにもユーザーさんにも、同時にメリットがあることが多いと思うので、その両者が嬉しいものをもっと増やしたいです。
missasanユーザーであるエンジニアがワクワクしてる、Mackerelのエンジニアも一緒にワクワクしてる、みたいな世界観が、両方に同時にメリットがあるということなのかなと思いました。そこは、今も昔もMackerelの目指すところとしてブレないところですね。
KGAそうですね。さらに欲をいうと、それ自体が、Mackerelが選択肢に上がるときの価値の一つになってほしいですね。
周年祝いというより技術的に面白いイベントをやった方が楽しんでもらえる
missasanありがとうございます。では最後に、近日開催のイベントについて意気込みを聞きたいです。 KGAさん、いかがですか?
KGAいつだったかな......仕事じゃない時に、ふと考えてたんですけど。イベント企画などをしている時、「これ、絶対面白いな」と毎回思って企画してるな、と気づいて。その上で、集客に苦戦してる時などは「これ面白いのに、なんでみんな申し込んでくれないんだ?」みたいな気持ちになることがあって。
missasanそれはもったいないですね。
KGAいいものを考えられていて、そこをちゃんと届けられるようにしたいなと思っているので、これを見ている方は、connpassを見て、面白そうと思ったらぜひ申し込んでほしいなと思います。Mackerel正式リリース10周年のタイミングですが、10周年のお祝いというより技術的に面白いイベントをやった方が楽しんでもらえると思っているし、楽しんでもらえるものをいろいろ準備しているので、ぜひ来てください。
missasanmeymaoさんも意気込みをぜひ。
meymao素敵なコメントはすべてKGAさんが言ってくれた!という感じがあるのでアレですけど。 イベントテーマは「モニタリング・オーザーバビリティ」のテーマでやるのだけれども、もちろんMackerelの10周年でもあるし、プロダクト自体もこれからやっていくぞ!という勢いのあるステージにいるので、素朴に「Mackerel好きだよ」という方にも、参加いただけると嬉しいなと思っております。1000人来てほしい!
missasan1000人集めたい。会場のキャパは100人ですが。
KGAオンラインは無限なんで!
missasanオンライン1000人目指しましょう!今日はお二人ともありがとうございました。
10/22(木) モニタリング・オブザーバビリティの変遷とこれからの展望! - Mackerel Tech Day開催!
ゲストによる登壇のほか、モニタリングやオブザーバビリティに関する書籍の翻訳や執筆、登壇に携わっているパネリスト陣によるパネルディスカッションもあります! 皆さまのご来場、お待ちしております。