『松本清張 点と線』鑑賞ガイド (original) (raw)

小野寺修二さんより

◎カンパニーデラシネラ『松本清張 点と線』鑑賞ガイド◎

当日パンフレットに記載する「あらすじ」です。
今回初めてデラシネラをご観劇いただく方も多いと思いますが、序盤からフルスロットルで飛ばしていきますので(スピードではなく、どんどん見立てが始まっていくという意味で)こちらご一読いただいておくと、一助になるかと!

東京駅十三番ホームに、安田辰郎と女二人が立っている。三人は向かいの十五番ホームから、お時と佐山憲一が特急《あさかぜ》に乗り、旅立つところを目撃する。数日後、お時と佐山憲一は心中死体となって、九州香椎の浜で見つかった。博多署の鳥飼刑事は、この心中に疑念をいだく。
佐山憲一は、現在世間を騒がしている不正事件の重要参考人だった。警視庁捜査二課の三原刑事は佐山を追う中で、この心中事件にまつわるたくさんの偶然に気づいていく。不自然な完璧がそこにはあった。

成 河 三原刑事
武谷公雄 鳥飼刑事
王下貴司 安田辰郎
藤田桃子 お時同僚(八重)
崎山莉奈 お時同僚(とみ子)
大西彩瑛 お時
小野寺修二 佐山憲一

2024年7月27日(土) 19時、28日(日) 14時 / 18時
上演:1時間30分 (休憩なし)
会場:神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール
一般前売:4,500円

撮影:鈴木穣蔵

f:id:Magnoliarida:20240724060733j:image
f:id:Magnoliarida:20240724060730j:image

📌小説に書かれている昭和30年代の東京駅は様変わりし、四分間トリックは現状実現困難です。ある友人が古き日本を「もはやSF」と言いました。今回デラシネラ版SFを、総勢38名、人力で立ち上げたいと思います。f:id:Magnoliarida:20240724060716j:image

📌松本清張原作、ニコラ・ビュフ美術、国広和毅オリジナル音楽、そして38名の出演者。盛りだくさんでありながら、成河さん演じる主人公、三原刑事の一人芝居ともいえる構造で、ステージングの妙、見どころです!お待ちしています!

カンパニーデラシネラ『点と線』。松本清張原作、ニコラ・ビュフ美術、国広和毅オリジナル音楽、そして38名の出演者。盛りだくさんでありながら、成河さん演じる主人公、三原刑事の一人芝居ともいえる構造で、ステージングの妙、見どころです!お待ちしています!
7/27(土)28(日)@横浜市桜木町 pic.twitter.com/SUdj1lUGsP

— 小野寺修二 (@derashinera) 2024年7月18日

♫国広和毅さん「その昔バンド「ダた」で「and点と線」という詩を書いた。パウルクレーの絵画を「点と線で書かれた手紙」と称したのでした。当時松本清張さんの「点と線」は知らず。「点と線で書かれた君の手紙は重さもなく面積もないから突然消える」今回の点と線ではどんな曲が作れるかな」

その昔バンド「ダた」で「and点と線」という詩を書いた。パウルクレーの絵画を「点と線で書かれた手紙」と称したのでした。当時松本清張さんの「点と線」は知らず。「点と線で書かれた君の手紙は重さもなく面積もないから突然消える」今回の点と線ではどんな曲が作れるかな #カンパニーデラシネラ

— 国広和毅 (@KunihiroKazuki) 2024年7月13日

★カンパニーデラシネ松本清張 点と線 小野寺修二(インタビュー・文/吉田沙奈さん 撮影/鈴木穣蔵さん)

「皆さん素晴らしいです。成河さんと武谷(公雄)さんは、デラシネラにとって新しい才能の出会い。普段喋るお芝居をメインにしていて身体表現にも興味のある方々との作業は、「演劇とは」、「どうしたら面白くなるか」と考える上ですごく助けになっています。加えて、デラシネラの手法をよくわかってくれている人たちが集まってくれている。その2組の出会いによって、大きな化学反応が起きています。いつも素敵な座組ですが、今回は特にチャレンジングであり、新しいことを見つけるのにすごく良いですね。」

――小野寺さんが考える生の舞台の魅力・面白さはなんでしょう?

「目の前で実際に人が動き、セリフを言うのを見るのは、もしかすると脳にいいかもしれないと思います(笑)。
これは舞台全般ではなく僕らの場合ですが、“見立てる世界”なんです。映画や文章のリアリティというよりは、人の想像力を借りて形にしていく仕事。普段は受け取るだけになりがちですが、自分で「こういうことかな?」と考える機会になる気がします。
思わぬものに出会えたり、めちゃくちゃムカついたり、すごく楽しんだり。「つまらない」を含めていろいろな見方・考え方があるのを体感していただき、「自分の好き嫌い、自分はどんなことをやりたいか」を考えるきっかけになれば。特に演劇っていろいろな形があるので、「これをこんなふうに表現するのか」という楽しみもある。頭の体操というか、リフレッシュの場にもなっている気がします。ただ、チケットが高くなってしまっているので、もう少し安くできるように努力していきたいですね。」

――楽しみにしている皆さんへのメッセージをお願いします

「いつも以上に身体の表現と言葉が絡み合った、不条理な世界が立ち上がっていると思います。そこにプラスして松本清張さんの独特な世界、重厚で硬質な世界を自分たちの身体で立ち上げられたら。ニコラ・ビュフさんの美術もすごくいいですし、清張さんの言葉、国広和毅さんのオリジナル音楽、自分たちの身体など、見ていただけるものが多い気がしますから、「原作通り」と思わず、目の前で起きていることをいろいろと想像しながら見ていただけるとより楽しめるはず。そしてこれだけ盛りだくさんでありながら、成河さん演じる主人公、三原刑事の一人芝居とも言える構造となっており、そこはステージングの妙、見どころです。劇場でお待ちしています!」

★38人のキャストで生み出す新たな色。カンパニーデラシネラ『点と線』小野寺修二インタビュー - ぴあエンタメ情報 (取材・文:釣木文恵さん 撮影:鈴木穣蔵さん)

「大げさに言うと、他にはないものを探すのが演劇だと思っているんです。自分たちの手法、アイディア、色みたいなものって一度つかんでも明日にはもうなくなってしまうものでもある。けれど、それを常に積み上げていくことで、どんどん変化してまた新しいものが生まれていくわけですよね。今回改めて15年前の自分を振り返ってみると、考え方もやり方も変わっている。そんな中で、僕のメソッドを知っている人、長年一緒にやってきた人と、成河さんや武谷公雄さんといった新しい才能とが出会って、また少しずつ変化が起きていく。それはまた、デラシネラならではの色となっていくのだと思うんです。その繰り返しで、自分たちの色をより濃くしていって、デラシネラでしかできないものになるといいなと思いますね。」

f:id:Magnoliarida:20240724071710j:image
f:id:Magnoliarida:20240724071712j:image

成河くんのブログより「デラシネラのひとびと」

web-dorama.jugem.jp

「 およそ30人のエキストラの方たちとの稽古。出会うために、それぞれの人生のために、集まってくれた方たちとの、感動的な時間。生き甲斐とも言える時間。だから、えんげきは、仕事ではなくて、生活なんだと。活き活きと、生きる、ことなんだと。教わる。」