マトリョーシカ的日常 (original) (raw)

自閉症と重度知的障害を伴う次男はビニール製の容器の類を好む。片手でそれをつまみ顔へ近づけると、もう片方の手でそれを軽く叩く。ぽんぽんと音が鳴るものや鳴らないものもある。が、それが好きらしい。私はこの謎の生態をペコペコと名付け観測することにしている。ペコペコのない日はもう知らない。

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やっと常識的な気候になった。朝にいれるコーヒーへ氷を投入せずとも飲める。こうなってくると読書が捗るはずなのだが、いまはコードや別の文章を書くので精一杯の雰囲気だ。遠くで電車の通る音がする。

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日も落ちかけているというのに、じっとりとした暑さが肌から離れない。私は自転車を漕いでいた。眠すぎて騒いでいた次男はいつの間にか静かになっていて、ちらと確認するとすでに寝ていた。こういった日々が永遠につづくと思っていたけど、彼も来年は小学生になって、ここには乗せることはできなくなる。ただただ暑い。

コードを書くよりも考えることのほうが増えてしまった。というより、まともにコードを書く時間を確保できていない。今に始まった事ではないが。こうなってくると常に考えるということが大事になってくる。そして言葉にしてそれをコードに落とし込む。

自作サービスもなかなか進まない。シミュレーションのデータの形式をどのようにすればいいか、まだ固まっていない。ボトルネックになる工程を明らかにして、あと何秒短くすれば良いかをわかるようにしたい。

プロジェクトマネージャー試験を受けることにした。応用情報を取得してからもう二年経っており、来年からは試験の一部免除が申請できなくなるためだ。受けるからには合格したい。

UnsplashDavid Gomez

陸の孤島ですね、ともらした私は窮屈なマイクロバスの中にいた。埋立地の上にできた滑走路を飛行機が行き交っていたが、今回はその隣の建物に用事があった。田園地帯の中央にてきとうに敷かれた車道があって、そこをちらちらと進んでいたのだった。用事というのはまったく必要でない仕事であって、そのラフさが生きるのを楽にしてくれていた。

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生きる方が戦いだ、と誰かが言っていたが、まさにそのような日々を過ごしている。次男とのバトルはより熱く展開されるようになり、わたしどもは死ぬほど疲れている。妻が、施設ではこういうのを使っているらしいとアイテムを見せてくれた。腰の高さほどある巨大な筒の中に水が満たされており、ライトアップされた泡が常時出ている。

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