「E.T.」(1982)発想は人を育て、辛いことは生きるための糧になる! (original) (raw)

名作中の名作、しかし観ていない!公開当時観る環境になかったし、そのまま放置していた。ところが先日(6月24日)、「NHKBSで放送!」とニュースで取り上げられ、この機会にと録画、鑑賞です。

スピルバーグ監督の自叙伝「フェイブルマンズ」(2022)を観ていたので、この物語の続き、子供時代に両親の不仲による孤独の中で、どう過ごしたかをモチーフにした作品だと直ぐに気付いた。宇宙人が誰か?夢を与えてくれたエンジニアの父親かなと想像しながら。(笑)

宇宙人との交流をわくわくしながら楽しみました。子供を主対象としたSF作品と思っていたが、とんでもない、死生観に及ぶ描写もあり、人が生きていく上での大切なことが描かれていた。 監督:スティーブン・スピルバーグ脚本:メリッサ・マシソン、撮影:アレン・ダビュー、音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演者:ディー・ウォーレスヘンリー・トーマスロバート・マクノートンドリュー・バリモアピーター・コヨーテ、K・C・マーテル、ショーン・フライ、C・トーマス・ハウエル

物語は

アメリカのとある森に、地球の植物を調査するため宇宙船が飛来する。人間たちの追跡が迫り、宇宙船は逃げるように飛び去りが、その際に1人の異星人が取り残されてしまう。森のそばに暮らす少年エリオットは、その異星人と出会い家にかくまう。兄と妹を巻き込み、E.T.と名づけた異星人と交流を深めていくエリオットたちだったが……。(映画COMより)

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あらすじ&感想

森に降下した宇宙船から数人の異星人が出て来て植物採取を始めた。

そこに宇宙船を監視していた政府関係機関が駆けつけ、驚いた異星人たちは宇宙船に退避し飛び去った。が、ひとり乗り遅れた。後に悪ガキたちにより名付けられたE.T.(The Extra-Terrestrial)だ。

10歳のエリオット(ヘンリー・トーマス)は仲間とゲームする15歳の兄マイケル(ロバート・マクノートン)から注文していたビザを受取に外に出た。異変に気付いき近づくと怪物(E.T,)がいた。部屋に戻り、その話をするが誰も信じない。夜、確かめに外に出た。やはりE.T、がいた。

朝、登校途中に森の中に餌を捲き会える準備をしておいた

夜、この話を家族に話すが、ハロヴィンの仮装の話に熱中で誰も信じない。。「パパに電話したら」という母親メアリー(ディー・ウォーレス)に、「パパはメキシコだ!」と言い返すと、メアリーは「失礼!」と席を外した。

まずいという顔をするマイケル。「メキシコってどこ?」と聞く5歳の娘カーディ(ドリュー・バリモア)。エリオットは少し母親から疎まれているらしい。(笑)

このシーンで「フェイブルマンズ」(2022)の母親ミッツィを思い出し

その夜、エリオットは異音で物置小屋に行きE.T,に出会った

E.T.が指でエリオットの鼻に触る。エリオットも同じことをして“感覚がシンクロナイズ”することが分かった。

翌朝、エリオットは朝寝坊して学校を休み、皆が居なくなってからE.T.を自室に招き入れ、食べ物やおもちゃの単語や使い方を教えた。よく覚える。そこの兄のロバートが戻って来て、E.T,を見て驚く。カーディもやってきた。母も部屋に見にやってきたが、E.T、が上手く隠れ、気付かなかった。カーディには「母に言うな!」と釘を刺した。

夜、マイケル、エリオット、カーディが集ってE.T,と遊んだ

E.T,は「惑星から来た」とそこら中にあるものを使って惑星軌道を描き説明した。エリオットよりかなり頭がよかった。E.T、は物を浮遊させる力を持っていた。物を空間に浮かべて遊んでだ。

ハロヴィンの日。エリオットは登校。同級生に「怪獣を見た」と喋ったがバカ扱いされた。理科の時間にカエルの解剖を習っていた

この頃、E.T、は冷蔵庫を開けて食べ物を探していた。缶ビールを飲み、TVでキスシーンを見て驚いた。ゲーム機に触った。テーブルの上にあったマンガも見た。

教室のエリオットはこのE.T、の行動にシングロナイズして好きな子(エリカ・エレニアック)にキスし、カエルを逃がし、教室は大混乱に陥った。(笑)

家にメアリ-とカーディが戻ってきた。メアリーは冷蔵庫に買ってきたものを収納し始めたが、E.T、の存在に気付かない。そこに学校からエリオットの異常行動の電話が入り、学校に出掛けた。

カーディがTVのセサミストーリーで文字の発音練習を葉初めた これに合わせてE.T、も始め、”BはBeing good”と喋る。カーディは理解できない。(笑)

エリオットが帰宅するとカーディが「私が言葉を教えた。E.T、は話せる」という。E.T、に聞くと「デンワ、ウチ、」と喋る。マイケルも帰宅してE.T、に確認した。E.T、が「宇宙船が迎えにくる」と話していることに気付いた

マイケルとエリオットは車庫で部品を集め、E.T、に無線機とアンテナを作らせた。エリオットが指を怪我するとE.T、が即座に治してしまう。メアリーはカーディにピーターパンとテインカー・ベルの話を読み聞かせている声が聞こえていた

ハロヴィンの夜。陽が暮れる前に、マイケルはピーターパン、エリオットはクック船長、E.T、はゴーストに化け、うまくメアリーを騙し、家を出て宇宙船が現れる森に急いだ。途中でヨーダの仮装者に遭い、E.T、が驚く。(笑)

本作、スターウオーズの影響がかなり受けていることが分かる。(笑)

自転車に乗り換え、前籠にE.T、を乗せて森に急いだ

悪路になるとE.T、の力で空を飛ぶ。月をバックにすばらしい映像を見せてくれる。森についてアンテナを張り宇宙船との交信を試みるが反応がない。エリオットは「家に帰ろう」と誘ったがE.T、は通信を続けた。その内、エリオットは眠った。朝、目を覚ますとE.T、が居ない!

家ではメアリーがエリオットが帰らないと心配していた

そこにエリオットが戻り、マイケルにE.T、を見失ったことを伝えた。マイケルは森にE.T、を捜しに出かけ、川原で意識不明になっているE.T、を発見し、家に連れ戻しメアリーに会わせた。このとき、家は政府関係機関に囲まれていた。

家の周りは封鎖され、家への出入りはビニールのトンネルを通して完全防護衣で行われるという、完全防護の仮研究所となっていた

E.T、とエリオットが医療室に収容され、ふたりは繋がれた状態で酸素吸入、バイタル液の注入を受けていた。エリオットは「死なせたくない!彼は家に帰るんだ!」と叫び続けた。

研究員のキーズ(ピーター・コヨーテ)から「俺も宇宙人を捜していた、君はよく面倒をみた」と激励された。

しかし、E.T、は呼吸停止と診断され、冷凍箱に納められ、解剖のため研究所に運ばれることになった エリオットは取り乱し泣いた。菊の花が萎れることでE.T、の死を差知ったマイケル、カーディは駆けつけ泣いた。カーディの泣き方、これには泣けた。子役の演技がめちゃめちゃに上手い!

許されてエリオットが安置室を尋ねると、E.T、の胸が赤く光っていた

E.T、が「ウチ、デンワシタ」と言う。エリオットは激しく泣いて、さもE.T、は死んでいる如く振る舞い、マイケルを捜した。マイケルは、運転免許を持たないが、救急車にE.T、が運び込まれたところで車を盗み、仲間の助けを借りで、宇宙船が来る森に運びことにした。

仲間が公園で自転車を準備して救急車を待っていた。ここでマイケルとエリオットは自転車に乗り換え、エリオットが自転車の前籠のE.T、を乗せて走り出した。激しい警察とのカーチェイス。E.T、の浮遊力で5人の自転車が夕焼けの空の中を飛んだ。

夜、宇宙船が降下着陸。E.T、が「一緒に行こう」と誘ったが、エリオットは「ここにいる」と断った。E.T、がエリオットの頭に指を添え「イツモ ココニ イル」と言い、宇宙船に乗って地球を離れた。美しい虹が光っていた。

まとめ:

E.T.との出会いによるエリオットの成長譚だが、兄マイケル、妹カーディとの絆の物語でもある。好奇心の大切さ、優しさや勇気を教わる。エリオットの悲しみを母親メアリーがすべて引き取るラストシーンもよかった。

孤独なエリオットとE.T.が言葉が通じ感覚が繋がる仲になる。家でE.T.がビーを飲みTVやコミックを見た感覚が理科の時間でカエルの解剖を教わるエリオットに伝わり、エリオットが好きな子にキスしたり、カエルを逃がして授業が大混乱になるシーン、奇抜な発想で描かれるふたりの友情に笑った。自分の星に帰りたいという**E.T.を自転車の前籠に乗せて空を飛ぶシーン思わず画像に吸い込まれるほどの感動があった。**警察に追われ、パトカーと自転車のチェイスも楽しかった。

子供たちはきっと夢見るような空想に富んだ楽しい作品ではなかったかと

しかしE.T.が一度死に、再起しての二度目の別れは、特に妹カーディの泣き演技が絶妙で、辛かった。ラストでE.T.がエリオットの頭を指で触り、「イツモ、ココニ、イルヨ」と語るシーン。「別れても、常にエリオットと一緒に生きている」というメッセージはエリオットが強く生きる糧となったと思う。

スピルバーグ監督はこの想いを抱き、後にシジョン・フォード監督の面接を受けて映画界に入る。その際、「地平線は上か下がいい画だ!中はダメだ!」と教わった。この作品はそうなっていた。(笑)

人生には悲しい別れがあるが、そうではない。このことが生きる力になるんだと教えるとことがベストだった

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