環境計量士のメモ書き (original) (raw)

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2021年4月から土壌のカドミウムトリクロロエチレンの基準値が改正になりました。
それに伴って、カドミウムの溶出と地下水の測定方法からフレーム原子吸光法が無くなりました。
環境省_土壌の汚染に係る環境基準についての一部を改正する件等の公布及び意見募集(パブリックコメント)の結果について

土壌環境基準

カドミウムに係る環境上の条件のうち検液中濃度に係る値にあっては、汚染土壌が地下水面から離れており、かつ、原状において当該地下水中の濃度が地下水1Lにつき0.003㎎を超えていない場合には、検液1Lにつき0.009㎎とする。
環境省_土壌環境基準 別表

特定毒物について簡単なメモ。
有機リンの分析で標準液を使いますが、有機リンの標準液(メチルジメトン、メチルパラチオン、パラチオン)は特定毒物に該当するので特定毒物研究者でなければ売ってもらえません。
特定毒物研究者の許可は都道府県知事が行います。
特定毒物とは ↓

第二条 この法律で「毒物」とは、別表第一に掲げる物であつて、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。
2 この法律で「劇物」とは、別表第二に掲げる物であつて、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。
この法律で「特定毒物」とは、毒物であつて、別表第三に掲げるものをいう。

引用元:毒物及び劇物取締法 | e-Gov法令検索

↓の三がパラチオン、四がメチルジメトン、六がメチルパラチオン

別表第三
一 オクタメチルピロホスホルアミド
二 四アルキル鉛
三 ジエチルパラニトロフエニルチオホスフエイト
四 ジメチルエチルメルカプトエチルチオホスフエイト
五 ジメチル―(ジエチルアミド―一―クロルクロトニル)―ホスフエイト
六 ジメチルパラニトロフエニルチオホスフエイト
七 テトラエチルピロホスフエイト
八 モノフルオール酢酸
九 モノフルオール酢酸アミド
十 前各号に掲げる毒物のほか、前各号に掲げる物を含有する製剤その他の著しい毒性を有する毒物であつて政令で定めるもの

引用元:毒物及び劇物取締法 | e-Gov法令検索

少々飽きてきました。
書いてるのが楽しい時もあるけど・・・

週1で書くのも大変な事だと思いました。
無理に書かなくて良いかなと思うけど、書かなくなったら永遠放置する気がする

内容がちょっと調べれば分かる事ばかりなのが面白くないですね。
メモだから・・・

メモなのでささっと完結に書き上げる事が出来るようになりたいです。
大した内容じゃないのに結構時間を取られてしまう

今後書くかもしれない事のメモ
・実用塩分の定義とか
・ICPの原理
・pHの計算
・BODの希釈水
ヨウ素消費量の分析方法






.

滴定で使う事がある
チオ硫酸ナトリウムについてのメモ

チオ硫酸ナトリウム

モル質量 約158 g/mol

チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1mol/L)調製法

チオ硫酸ナトリウム五水和物(\rm{ Na_2S_2O_3・5H_2O} 分子量248.19) 26gと
炭酸ナトリウム0.2gを
溶存酸素を含まない水に溶かして1Lに定容

気密容器で二日間放置

使用時に標定

0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物26 g及びJIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム0.2 gを2. n) 1)の溶存酸素を含まない水に溶かして1 Lとし,気密容器に入れて少なくとも2日間放置する。標定は使用時に行う。

引用元:JIS K0102 19 a) 試薬 8)

チオ硫酸ナトリウム溶液の標定

・JIS k0102 19のCODOHのとこに記載があるヨウ素カリウムで標定する方法
反応)
\rm{KIO_3 + 5KI + H_2SO_4 → 3K_2SO_4 + 3H_2O + 3I_2  }

手順)
ヨウ素カリウムを130℃で2時間加熱

約0.72gはかりとる

少量の水に溶かす

メスフラスコで200mL定容

20mLを300mL共栓三角フラスコにとる

ヨウ化カリウム2g加える

硫酸(1+5)5mL加える

密栓して静かに混ぜる

暗所で5分間放置

水100mL加える

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定

空試験を行い滴定値を補正

計算

計算式)
\rm{ f = a × \dfrac{b}{100} × \dfrac{20}{200} × \dfrac{1}{x × 0.003567}  }

標定 標定は,次による。
− JIS K 8005に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを130 ℃で約2時間加熱し,デシケーター中で放冷する。その約0.72 gを1 mgの桁まではかりとり,少量の水に溶かし,全量フラスコ200 mLに移し入れ,水を標線まで加える。
− この20 mLを共栓三角フラスコ300 mLにとり,JIS K 8913に規定するよう化カリウム2 g及び硫酸(1+5)(JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製する。)5 mLを加え,直ちに密栓して静かに混ぜ,暗所に約5分間放置する。
− 水約100 mLを加えた後,遊離したよう素をこのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の黄色が薄くなってから指示薬としてでんぷん溶液(10 g/L)1 mLを加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。
− 別に,水について同条件で空試験を行って補正したmL数から,次の式によって0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター(f)を算出する。
\rm{ f = a × \dfrac{b}{100} × \dfrac{20}{200} × \dfrac{1}{x × 0.003567}  }
ここに, a: よう素酸カリウムの質量(g)
b: よう素酸カリウムの純度(質量分率%)
x: 滴定に要した0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液量(補正した値)(mL)
0.003 567: 0.1 mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当するよう素酸カリウムの質量(g)

引用元:JIS K0102 19 a) 試薬 8)

チオ硫酸ナトリウムとヨウ素の反応

\rm{ I_2 + 2Na_2S_2O_3 → 2NaI + Na_2S_4O_6}

途中

f:id:measurer:20210222003422j:plain

アスコルビン酸

アスコルビン酸についてのメモです。
還元剤として色んな分析に使います。(リンやシリカの発色時、水素化物発生原子吸光法でヒ素測定時の予備還元等)
上記のような通常の分析操作以外でも、個人的に内部精度管理で使ったりしてます。

目次

性質

モル質量 176 g/mol
水への溶解度 33 g/L
分解温度 約 190 ℃
CAS RN 50-81-7

強熱減量

蒸発残留物だけであれば塩化ナトリウムを適当に溶かすだけで良いですが、強熱減量も精度管理として回収を確認したくてアスコルビン酸を試した事があります。単純に塩化ナトリウムとアスコルビン酸を適当量混ぜて溶かしただけです。結果はうまくいきました。強熱減量の回収を確認したい場合に試してみてはいかがでしょうか。

酸化性物質を含む試料のBODを分析する場合、酸化性物質を処理する必要があります。

処理についてのメモになります。

目次

亜硫酸ナトリウムが過剰の場合の計算

酸化性物質の処理には亜硫酸ナトリウムを使います。加える亜硫酸ナトリウムが過剰だと溶存酸素が無くなってしまいますので、必要量を滴定で算出します。多少多いくらいなら曝気しながら少し待てば大丈夫です。
亜硫酸ナトリウムを過剰に入れた時に、どのくらい影響があるかの計算です。

亜硫酸ナトリウム溶液の濃度
1.6 (g) ÷ 126 (g/mol) ÷ 1 (L) = 0.0127 (mol/L)

亜硫酸ナトリウム溶液(12.5 mmol/L) JIS K 8061に規定する亜硫酸ナトリウム1.6 gを水に溶かして1 Lとする。使用時に調製する。

引用元:JIS K0102 21 a) 試薬 8)

亜硫酸ナトリウム溶液1mL中の亜硫酸ナトリウムの量
0.0127 (mol/L) × 1/1000 (L) = 0.0000127 (mol)
亜硫酸イオンと溶存酸素の反応
\rm{2SO_{3}^{\  2-} + O_2 → 2SO_4^{\ 2-}}
亜硫酸1mol当り0.5molのO2を消費、0.5molのO2は16gに相当します。
0.0000127 (mol) × 16 (g) = 0.0002032 (g)
0.0002032 (g) = 0.2032 (mg)
従って、亜硫酸ナトリウム溶液を1mL過剰に加えると0.2032(mg)の溶存酸素を消費します。試料100mLに対して亜硫酸ナトリウム溶液を1mL過剰に入れたケースだと濃度としては約2mg/L減る計算になります。

残留塩素濃度と亜硫酸ナトリウムの必要量

酸化性物質の処理が必要なケースの多くは残留塩素に因るものだと思います。残留塩素の濃度と亜硫酸ナトリウムの必要量を計算してみます。
\rm{ClO^{-} + SO_3^{\  2-} → Cl^{-} + SO_4^{\  2-}}

残留塩素1.0 (Cl mg/L)の試料100mLを(0.0127mol/L)亜硫酸ナトリウム溶液で処理する場合
残留塩素が1.0 (Cl mg/L)の試料100mL中の残留塩素
1 (mg/L) × 100/1000(L) = 0.1 (mg)
0.0001(g) ÷ 35.5 (g/mol) = 0.00000282 (mol)

(0.0127mol/L)亜硫酸ナトリウム溶液1mL中の亜硫酸イオンは0.0000127molで、亜硫酸イオンと次亜塩素酸イオンの反応は1:1なので
0.00000282 ÷ 0.0000127 = 0.222mL

従いまして残留塩素1.0の試料だと、試料100mLに対して亜硫酸ナトリウム溶液を約0.22mL加える必要があります。この時、0.10mL多めに加えたとしても溶存酸素濃度は約0.2mg/Lしか減少しません。15分後の溶存酸素を測定する段階で亜硫酸を消費しきっていれば問題ありません。消費しきれていなくても影響はわずかです。

処理手順(参考)

参考で酸化性物質の処理手順を載せときます。JISに書いてある通りです。

試料100mLを適当な容器に分取

アジ化ナトリウム0.1g加える

ヨウ化カリウム1g加える

塩酸(1+1)を加える (1~2mL)

暗所で数分間放置

でんぷん溶液加える

亜硫酸ナトリウム溶液で滴定

上記とは別に試料を分取(BOD仕込む用)

滴定で求めた亜硫酸ナトリウム必要量を加える

必要に応じてpH調整

曝気

BOD仕込み開始

残留塩素などの酸化性物質を含む試料 あらかじめ試料100 mLにJIS K 9501に規定するアジ化ナトリウム0.1 gとよう化カリウム1 gとを加えて振り混ぜた後,塩酸(1+1)(JIS K 8180に規定する塩酸を用いて調製する。)を加えてpHを約1とし,暗所に数分間放置する。遊離したよう素をでんぷん溶液を指示薬として亜硫酸ナトリウム溶液(12.5 mmol/L)でよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。別に,同量の試料をとり,先の滴定値から求めた計算量の亜硫酸ナトリウム溶液(12.5 mmol/L)を加えて残留塩素を還元した後,必要ならば水酸化ナトリウム溶液(40 g/L)又は塩酸(1+11)を用いてpH約7とする。

引用元:JIS K0102 21 c) 試料の前処理 2)

ちょっと考察

以上の事を踏まえまして、総残留塩素が極端に高くなければ、総残留塩素濃度から亜硫酸ナトリウム溶液の添加量を決めても良いのかと思いました。残留塩素1mg/Lを処理するのに、通常の倍の量の亜硫酸ナトリウム溶液を加えたとしても溶存酸素は0.4mg/L位減少するだけです。そして、0.4と言う数値がそのままBODの値に影響する訳ではありません。15分後の溶存酸素を測定するまでに、亜硫酸ナトリウムと溶存酸素の反応はそれなりに進むので影響は限定的と思われます。

まとめ

※亜硫酸ナトリウム溶液をJISの通り作った場合
・試料100mLに対して亜硫酸ナトリウム溶液1mL過剰で溶存酸素は2mg/L減少
・残量塩素1.0mg/Lの試料100mLを処理するのに必要な亜硫酸ナトリウム溶液は約0.22mL