アドバイスは本当に正しい?相手の立場に立って考えることの難しさ (original) (raw)
アドバイスは本当に正しい?相手の立場に立って考えることの難しさ
「相手の立場に立て」
誰もが一度は耳にしたことのある言葉だと思います。 しかし、実際に相手の立場に立つことは、想像以上に難しいものです。
精神科医として日々多くの患者さんと接する中で、私は「アドバイスを深く受け取ってしまう人」や「人の評価を気にしすぎる人」によく出会います。
彼ら彼女らは、アドバイスや評価をそのまま受け止めすぎてしまい、苦しんでいるように感じます。
そこで今回は、「アドバイスは本当に正しいのか?」「相手の立場に立つことの難しさ」について、私の考えを述べたいと思います。
アドバイスは必ずしも正しくない
まず、大前提として、アドバイスは必ずしも正しいとは限りません。
なぜなら、アドバイスはあくまでもアドバイスをする側の主観に基づいた意見であり、客観的な根拠やデータに基づいているとは限らないからです。
例えば、Aさんにとって効果的なアドバイスが、Bさんにとっても効果的であるとは限りません。 状況や性格、置かれている立場によって、適切なアドバイスは異なるからです。
相手の立場に立つことの難しさ
では、どうすれば相手の立場に立ったアドバイスができるのでしょうか?
それは、相手の状況や気持ちを理解し、共感することから始まります。
しかし、これが非常に難しい。
頭では「相手の立場に立って考えよう」と思っていても、実際には自分の経験や価値観に基づいて物事を判断してしまいがちです。
例えば、親が子供にアドバイスをする際、どうしても「自分が親になったつもり」でアドバイスをしてしまいがちです。 しかし、子供が置かれている状況や感じていることは、親の想像をはるかに超えているかもしれません。
相手の立場に立つためにできること
相手の立場に立つことは容易ではありませんが、不可能ではありません。
相手の立場に立つために、私たちができることはたくさんあります。
- 相手の話に耳を傾け、気持ちを理解しようと努める
- 相手の置かれている状況や背景を理解する
- 自分とは異なる意見や価値観を受け入れる
- 先入観や偏見を持たずに、フラットな視点で相手と接する
これらのことを意識することで、少しずつ相手の立場に近づき、より良いコミュニケーションを取ることができるようになるでしょう。
アドバイスは参考程度に、最終的には自分で決断する
最後に、アドバイスを受ける側の立場から一言。
アドバイスはあくまでも参考程度にとどめ、最終的には自分で決断することが大切です。
なぜなら、自分の人生は自分のものです。 アドバイスをする側ではなく、あなた自身があなたの人生の主人公なのですから。
アドバイスを鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考え、自分の心に従って行動しましょう。
それが、より良い人生を送るための秘訣です。