SORANORINGO (original) (raw)

鼓笛隊

雨上がりの空に

大きな虹がかかる頃

ひとり草原を歩いた

虹からは透明な音楽が

空いっぱいにあふれだし

その音楽に合わせるように

鼓笛隊があらわれた

誰かに聴かせるわけでもなく

正しいリズムで

宇宙の音を響かせていた

雨露にかがやく草原の中を

鮮やかな赤色で行進していく鼓笛隊

「ああ これは虹のように当たり前なことなのだ」

いつの間にか空は晴れわたり

鼓笛隊は虹とともに消えてしまった

空からは宇宙の音の残響が

粉のように降りそそぎ

世界を金色に変えた

手についた粉をそっとなめたら

あまい宇宙の味がした

ちいさな水色

ちいさな水色

ころころ

空に落ちてった

きっとスプーンの音楽を

聴きにいったんだよ

雲は思ってたより

あったかい

水色の声がしたよ

くるみと音楽

  1. 小さな頃
    くるみをひとつ
    手の平に乗せてくれた

いつか
透明な楽器になるようにと

  1. くるみの中に
    小さな雲が流れている
    かたい殻に守られて
    ゆっくりと
    空のにおいに満たされていく

そのくるみから
朝焼けの音楽が静かに聴こえてくる

  1. くるみの木から
    音符ひとつ分の
    ホルンの音がした

小さな手紙のような音だった

梅雨明けして、すっかり夏ですね。

アイスコーヒーが美味しい。

今日の1枚。

HUMAN CONDITIONS

透明な大地で咲いた花

降っては消える

かすかな光を残して

私は光をたくさん拾い集めた

この光で

君に音楽を作ってもらおう

花の降る気配がしたら

そっと樹の針をおとす

いつか花は

あまい香りを響かせるかもしれない

良い文学や音楽は最終的に文体や言葉を超えたイメージで世界中にちゃんと伝わっている。

〜奈良美智〜

画廊

陽射しがおだやかに射し込んでいる
夢の中の小さな画廊
どの絵も作者は違うけれど
深くて静かな魂の一体感がある

その中の1枚の絵を見ていると
私の魂が懐かしく光るのが分かった
心のどこかで
ずっと探していたのかもしれない

夢の中の小さな画廊
私の1番大切な場所
いつかまたちゃんと辿り着ける