音楽と形式と (original) (raw)

大変お久しぶりです。
動画編集などが忙しくブログの更新ができておりませんでした。
決して書きたいことがなかったとか、そういうわけではありません。

さて、タイトルのような問いというのは定期的に投げかけられているように感じますし、現にYouTubeのショート動画でも回ってきたことがあります。

みなさんならこの質問にどう回答しますか?
音楽をやっていればやっているほど、この問いには多彩な回答方法があり、どれが質問者にとって納得できる解なのか悩むところだと思います。

それほどまでにこの問いは回答に困るし、はっきり言ってめんどくさいのです。

そこで僕ならどのように回答するかと言うと、「”6/8=3/4”というのは数学の世界の話で、音楽の世界の話ではないから当てはまらないよ」です。

これでも納得しないならめんどくさいけど、強拍と弱拍の概念からスタートになるかな……

そもそもよく考えてほしい。音楽と数学はまったく異なるものだということに。一方は芸術であり、一方は学問である。音楽は音学ではないことに注目すべきだし、数学は数学的世界観を形成する学問であることを忘れないでほしい。

今は生物学的世界観が優勢とされているけど、一昔前はそれこそ物理学的世界観が主流だった。
しかし生物学的世界観が優勢となった今、物理学的なものの見方の価値がなくなってしまったのかと言うと、それは違うだろう。
どちらも素晴らしいけど、より多くの人が多くのシチュエーションにおいてなんとなく納得する回答を持ってこれるのが生物学だっただけで、いずれも同じ出来事を異なる理屈で説明しているに過ぎないはずだ。

あらためて問いに戻れば「なぜ6/8拍子=3/4拍子ではないのか?」という問いが提示されている時点で、「音楽的な内容(美)を数学で表現しろ」という無理難題を言われているに等しい。もっと言うなら、この問いは「音楽美というのは数学的世界観の上に成立しているのですか?」と読み替えることも可能だろう。

ここまで読んでいただければ、多くの方にはこの問いの価値がいかほどかわかるだろう。

久々の更新がこんなんですみません。
シベリウスの2番の一楽章について解説した動画を投稿しておりますので、よろしければご覧ください。

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