CATS & APPLE (original) (raw)

養命酒の創業100周年事業として、駒ヶ根工場に「くらすわの森」がオープンしたとのことで、この連休にさっそく訪ねてみた。
広大な敷地にカフェやレストラン、マルシェなど多様な施設が配置されていて、たくさんの人で賑わっている。
養命酒とは無関係な商品が販売されていて、どういうことなんだろうと思ったら、養命酒が新規事業として「くらすわ」ブランドで店舗展開していることを知った。ソラマチにも店舗があるという。

駒ヶ根に誕生した「くらすわの森」の中でユニークなのは「森のライブラリー」。商業施設から離れた森の中に非商業施設として図書館が設けられている。「物語と言葉」「美しいもの」「ものづくり」といった「くらすわが大切にするコンセプト」をテーマにコーナー分けされ、さまざまなジャンルの本が揃えられている。

誰が選書したのかわからないけれど、趣味の良い本ばかり。小さい子供が狭いスペースで遊んでいたのはオープンしたての休日だからで、平日なら静かに時間を過ごすことが出来そうだ。
商業施設としては、リピーターを増やすしかけが必要と感じたが、散策したりライブラリーに寄ったりしながら、ゆったり時間を過ごす施設は新しい。定着できるかどうか注目していきたい。

steve nelson communications

1990年発表。この完成度はデビュー作とは思えない。criss crossの飾り気のないジャケットが人柄を表しているよう。


今年はぶどうの糖度が上がらず、赤系はなかなか色がつかずに気を揉んだ。それでも例年に比べ1週間近くの収穫後れで済み、無事出荷を終えた。
35℃以上になると、光合成をしなくなるのが糖度が上がらない原因とわかり安堵したが、自然相手の仕事の難しさを実感。人間よりもぶどうのほうが落ち着いているように思えた。
大粒で美しいぶどうを揃えるには、房切りや摘粒の技術を向上させないといけない。毎年進歩していくためには、作業を記録して学習できるように工夫が必要だ。枝の剪定、管理作業ももっと効率良く行える方法も考えなければならない。
こんなふうに義父たちは日々考え、様々工夫してきたのだろう。それを"生きる力"と呼ぶのかもしれない。
これまでとはまったく違う世界。知らないことは多いけれど、結果がはっきりしていて後腐れもない。これは競馬に通じる。自分には合っている。少しづつ前へ進んでいこう。

Tomasz Stańko Soul Of Things

ポーランドのトランペッター、トマシュ・スタンコは、2000年代初めにマルチン・ヴァシレフスキのトリオを迎えてECMに3作を残した。これはその最初のアルバム。
いまや当代随一のピアニストとなったマルチン・ヴァシレフスキは当時20代半ば。強く自己主張することなくピンと張り詰めた演奏でトマシュ・スタンコに寄り添う。
曲目は「Soul Of Things Ⅰ〜ⅫⅠ 」。組曲かフリーインプロビゼーションのようだけれども警戒は無用。湿度の低い美旋律が全体を覆い尽くす。高い情動性知能でコントロールされたポーランドジャズの頂点。

benny golson gone with golson

ベニー・ゴルソンが亡くなった。ウネウネしたテナーはいまだに好きになれないけれど、ゴルソン・ハーモニーでジャズファンを広げた功績は大きい。
初めてゴルソン・ハーモニーを聴いたのは、カーティス・フラーの『BLUES-ETTE』かリー・モーガンの『Lee Morgan Vol.3』だったと思う。「Five Spot After Dark」や「I Remember Clifford」の哀愁のメロディとゴルソン・ハーモニーの取り合わせは、ジャズを聴きはじめたばかりの耳にとても心地よく響いた。
合掌。

マイケル・カスクーナによるブルーノート未発表音源の発掘は、このレーベルのクオリティの高さを再認識させる。ブルーノートLTシリーズとして発表された諸作はどれもこれもがなぜオクラ入りしたのかわからない良い演奏ばかり。
でもセールス的には今ひとつだったようだ。フュージョン真っ盛りというタイミングに加えて、ブルーノートらしからぬ画一的で無個性なジャケットデザインも購買意欲を削いだのは間違いない。

結局LTシリーズは1500番台や4000番台のような扱いからは遠く、日陰の身としてひっそり長らえる運命を背負った。

africaine art blakey & jazz messengers

『AFRICAINE』は1981年発表。ウィントン・マルサリスが加入して、人気が再燃する直前で、とくに話題にもならなかったと推察する。
ちなみに下のシマウマの写真をあしらったジャケットがオリジナル。最近このオリジナルジャケットで再発されたけれど、こんな出来の悪いオリジナルジャケットにこだわる必要はないと思う。

この作品、日陰の身ながら聴きどころはいっぱいだ。
とりわけリーダー作を発表する前のウェイン・ショーターの演奏は貴重。誰にも似ていない個性を発揮しながら、ここでのショーターは比較的親しみやすい。もちろんリー・モーガンは絶好調。ほどよいファンキーさが良い塩梅。

シマウマよりはマシとはいえ、上のジャケットもそれほど魅力的とは言えない。フランシス・ウルフの秘蔵写真でデザインし直して発売したら、人気盤になってもおかしくない、と思う。日陰の身だからこそ美しく見えるのだろうか。

兵庫県と鹿児島県警で内部告発潰しが発覚。鹿児島は百条委員会設置が否決され、どうやらウヤムヤで終わりそうだが、兵庫は百条委員会の様子がライブ中継され、連日注目の的となっている。

2つの事件にはエリートとその取り巻きによる犯罪という共通点がある。学歴エリートの精神的貧困は深刻な問題だし、菅義偉に代表される強権的な手法が是認されてきた帰結でもある。日本社会の劣化と病を象徴しているように思えてならない。
斎藤元彦とその取り巻きのような連中は日本のいたるところで跋扈している。問題は根深い。