ウェルビーイングってなんだ? そこには重要性とともに数々のギャップも (original) (raw)

最近よく耳にするウェルビーイング(Wel-being)って何だ? 直訳すると「良い状態」ですが、調べたらWHO世界保健機構の憲章がわかりやすく、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(Wel-being)にあること」と定義されています。

単に「幸せ/満足」ということではなく、〝心身ともに良い状態であること/その状態を持続すること〟だと理解しました。そうだとすると、どうやら私たちや社会にとってとても重要なキーワードじゃないですか。

さらに**ウェルビーイングをより知ろうとすると、ポジティブ心理学」**という言葉に行き当たりました。「ウェルビーイングこそが、ポジティブ心理学のテーマである」と。

これら著書の先生方に教えを乞うと、ウェルビーイングを決定する尺度は、

であり、さらに持続的な幸福を実現するためには、

健康/強み/自尊心/自律性/やりぬく力=グリット/レジリエンス

が重要な要素であると。

私が好きなグリットや**レジリエンスをはじめ、ストレスストレスコーピング**など、とかく単体で議論されることが多い言葉達が一堂に会し、相互に関係しあっていることがとても興味深いですね。あらためてウェルビーイングには、幸福論とは異なる奥深さがあることを実感しました。

「人は「強み」を活かすことで物事に「E:没入」し、大きな「A:達成感」を手にする。また達成した成果から「M:意味、意義」を見出し、これがさらに強みを生かす原動力になる。こうして人間は他人から差別化された確固たる人物として、他者とより良い「R:関係」を結べるようになる」

と解説されていますが、単純な話し、

  1. 人は興味を持つと熱中する
  2. 熱中するとうまくできるようになる
  3. うまくできると自分の自信になる
  4. 自信は強みになる
  5. 周りから評価されたら、満足感、充実感を得ることができる
  6. さらに世の中に貢献できれば、満足感、充実感が増大する

ということ。

だからいくつになっても(特に少年期~青年期)興味を阻害してはダメで、今のような詰め込み式の金太郎飴育成教育ではウェルビーイングは実現できないだろうな…と心底思います!

実際、この著書に中でも、

と、子供にとってウェルビーイングは優先課題のはずなのに、学校では社会で成功する術を中心に教えていて、この間には大きなギャップがあることが見て取れます。

またGALLUP社による調査「職場のパフォーマンスと社会の健全性に関する世界指標2024」の中の「Employee Wellbeing」

によると、従業員が変えたいのは(変えてほしいのは)報酬アップもさることながら、**ウェルビーイングと企業文化の改善**だといいます。

ウェルビーイング経営などという言葉もむなしく、ここでも職場と従業員の間にギャップがあります。働き方改革が叫ばれる中、組織には今まさに社会が求めている**ウェルビーイング=生産性向上+充足感=**への取り組みを切に願いたいです。

最後に、もう一度、先の2つの著書の副題を噛みしめて、

「幸福から持続的幸福へ」 ウェルビーイングな生き方を求めて」

まずは私自身ができること=自分自身がウェルビーイングになること、あらためて意識すること=から始めてみよう。そうでないと周りもウェルビーイングにはならないだろうし…。そして仕事でお世話になっている企業にもおすそ分けしてみよう=コンサルタントに丸投げではなく自分の頭で考え行動しないと、それなりの無難な結果しか得ることができませんよ=と。

(おまけ)

毎年発表される「世界幸福度ランキング2024」

によると、2024年の世界幸福度ランキング1位は7年連続フィンランド(上位3位は不動)、日本は51位(前回2023年は47位)に後退し、G7の中では引き続き最下位。年代別では、60歳以上では36位、45~59歳で52位、30~44歳で63位、30歳未満は73位と、若い世代の満足度が低くなっています。

指標別では、「一人当たりのGDP」や「健康寿命」は上位であるのに、「寛大さ」や「主観的満足度」「人生を選択する自由」はかなり低く、「社会的支援」も高いとは言えない状況。

相変わらずの結果ですが、国の豊かさと個人の感覚にはかなりギャップがあるようです。しかし少しひねくれた見方をすると、豊かになったが故の〝わがままな欲望〟のようにも感じます。

(ま)

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