『嘘解きレトリック』 (original) (raw)

え?これ昭和初期が舞台設定なんだ??。
事前に知ってるのは『鈴鹿央士くんと松本穂香ちゃんのW主演で探偵モノ』という情報だけで(あとキービジュアルをチラっと目にした気はするけどちゃんと見てはいない)普通に現代が舞台だと思ってて、始まってしばらくもこの昭和パートは松本穂香ちゃんの「お祖母ちゃん」の話で、こういう能力を祖母から受け継いだ現代に生きる孫が主人公なんだと思い込んでたんで、ビックリした。今年の月9は7月期に全振りしたとも思ってるんでそれなりに予算も手間もかかりそうな舞台設定だなという意味も含めて。

漫画原作だそうですが、松本穂香ちゃん演じる鹿乃子さんの能力と、その能力を理由とする鹿乃子さんの苦しみと孤独、そんな鹿乃子さんが祝左右馬という探偵と出会い居場所と仕事を得る設定説明回としてはとてもよく出来てるなという印象です。

鹿乃子さんは「嘘がわかる(見える)」能力持ちという設定ですが、鹿乃子さん視点の描写を見るに判るのはただ「嘘をついている」ってことだけっぽいよね。
家を出るときに「辛かったらいつでも戻ってくればいい」と言う母親の言葉が「嘘」だと判ってはいたけれど、母親の本心は「もう二度と戻ってきてくれるな」だとして、戻ってきたら(自分や幼い子供が)また嫌がらせされるから戻ってくるなという意味なのか居場所を見つけたら次こそは上手くやってそこで戻りたいと思うことなどなく幸せに生きなさいという意味なのか、そこまでは分からないんじゃないかな(抱きしめられている鹿乃子の表情は前者だと思ってるんだろうけど)(そして母親は娘の能力について100%でなくとも認識はあるだろうから、自分の言葉が「嘘」だと娘は気づくと分かった上で言ってるんだろうなーと。だって若村麻由美様だし)。

そこでその嘘を解明するのが左右馬の観察眼となると。
なにげない会話や描写を拾いながらのタロちゃんの行動とそのせいで巻き込まれた殺人事件の謎解きはすんなり納得できたし、鈴鹿くんの語り口も聞きやすく、毎回このレベルで「嘘解き」してくれるなら楽しんで見られそう。オッドアイにゃんこ可愛いし!。