94歳の新聞ちぎり絵『木村セツ原画展』ただいま全国巡回中! (original) (raw)
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『94歳セツの新聞ちぎり絵日記』展 覚え書き 2023年4月上旬
【人間はいくつになっても新しいことに挑戦できる】
希望に満ちた、ちょっとだけ胡散臭い言葉。
しかし、この教えを体現している人も確かに存在する。
木村セツさん、御年94歳。
89歳で夫を亡くし、90歳から新聞ちぎり絵を始めたアーティスト。
SNSのフォロワーは8万。あたたかい作風と、ソフトクリームや缶ビール・卵かけごはんといった親しみのもてるモチーフで、ファンは日々増え続けています。
今日は日中暑そうです。おやつにひんやりしたスイーツが食べたくなります。コーヒーゼリー。アイス乗せでこれまたテンション上がりますね。ゼリーのツヤ感を出すため今回から文字が盛りだくさんですw ミルクと混ざったところが上手い。コースターの模様と色味がやさしく、涼しさも感じさせてくれます。 pic.twitter.com/ICeL3aWEys
— 94歳セツの新聞ちぎり絵 (@setsu0107) April 16, 2023
あたたかくなりましたね。スーパーにも赤くてカワイイ苺たちが並んでいます。と、よく見ると超大粒?しかも4Lサイズとあるこの苺!いったいどんな大きさなんや・・・。みずみずしく名前通りしっかり熟して今が食べ頃ですね!新聞にこんな赤使われているのも驚きです。何円なんやろw pic.twitter.com/7noRUQXFh4
— 94歳セツの新聞ちぎり絵 (@setsu0107) March 9, 2023
配偶者を失い寂しそうに過ごすセツさんに、ちぎり絵をすすめたのは娘さんでした。「母は手先が器用だから」程度の軽い気持ちだったそう。
いままで絵を描いたことのなかったセツさん。当初は題材の選定・下絵描き・素材調達まで、すべて娘さんの担当でした。しかしセツさんのちぎり絵に対する情熱はどんどん高まり、現在は下書きから素材集めまで御本人が行っています。
新聞広告しか使わないのもセツさん流こだわりのひとつ。めずらしい色の広告は「これは貴重な色やな」と喜び、大事に保存します。素材を集めた箱の数は4箱を超えたとか!
4月上旬、表参道の山陽堂書店で開催された原画展へ行きました。
そのときの感想を写真とともに紹介していきます。
なお、『94歳セツの新聞ちぎり絵日記』刊行記念原画展は全国を巡回中。
あなたの暮らす町にもやってくるかもしれません!
この記事で興味を持たれた方は、ぜひ公式HPをチェックしてみてくださいね。
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横殴りの雨の中、足を運んだ原画展(山陽堂書店にて)
購入した絵はがき!
どうしても原画が見たくて、横殴りの雨のなか足を運びました。想像以上に素晴らしく、思いきって行ってよかった!
月並みな表現だけれど、人は何歳になっても挑戦できる、成長できるんだと勇気をもらいました。
階段をのぼったさきの山陽堂書店の上階ギャラリー。15人も入ればいっぱいの小さなフロアに、同じく小さな額縁がずらりと。
撮影は遠景のみOK*1。
『94歳セツの新聞ちぎり絵日記』刊行記念 木村セツ原画展 2023年3月27日(月)〜4月8日(土) | 山陽堂書店情報サイト
木村セツさん宛ての感想ノートが置かれており、たくさんのファンにまじって私も「お身体をいたわりつつ創作活動を楽しんでほしい」と綴ってきました。
有頭フライ完成です!コロモサクサクズッシリしたエビで美味しそう・・・。タルタル付きで最高なやつや!エビフライのために用意されたのではと思うくらいの新聞の元画像、なんだったんでしょうね。誕生日のご馳走が忘れられず再現してしまったようです。笑 皆様にもどうぞお裾分け!お腹鳴る〜 pic.twitter.com/WXSYhMJ3Bw
— 94歳セツの新聞ちぎり絵 (@setsu0107) January 21, 2023
お祝いのエビフライ定食。ネットに食べている写真を掲載したら「このエビ、ちぎり絵で作ってください」とファンからメッセージが届いたそうです。思わず微笑んでしまう誕生エピソード!
冷奴「醤油のたれ流れてるところをよく観察して」制作したとセツさん。
“ちぎり絵日記”だけあって絵に添えられた日記?(コメント?)も味わい深く、また良いのです。
こんにちは。新作卵かけご飯です。黄身のツヤ、すごいですね。祖母は白身有り派なのかな?白身の透明感がリアル。お茶碗とご飯の質感にかなり苦戦し、焦茶一色の醤油さしの表現も大変だったとのこと。シンプルが故の難しさがあるのでしょうね。苦労のかいあってみごと空腹を誘う作品となりました。笑 pic.twitter.com/iDxb7s0ftf
— 94歳セツの新聞ちぎり絵 (@setsu0107) July 28, 2021
お米ひと粒ひと粒がツヤツヤ輝いてます。その上にかけられた卵の黄身の照り!
明日の昼食の献立は卵かけごはんで決まりだな……。
窓の外を見る福ちゃん。今回はいつもと違うモチーフに挑戦です。春の、その先を思わせる色合い。窓から入る温かな風にソワソワしている猫の福ちゃんの後ろ姿。カーテンのレースかなり難しかったとのこと、よく見たら納得。爽やかな水色もよく探してきましたね。新聞にこんな色が存在するとわ。 pic.twitter.com/k5fU7N2BSq
— 94歳セツの新聞ちぎり絵 (@setsu0107) March 30, 2022
福ちゃん可愛い。公式Twitter(X)では福ちゃんのお写真のほか、セツさんの制作動画もアップされています。
私は主にTwitterで作品を拝見していました。
そういった場合、普通は原画を見ると「あ、ここが画像とは違う」発見があるものですが、ほとんど印象に差がないことに驚きました。
間近でどんなに眺めても、これが新聞の写真やら広告から生み出されたのが信じられないのです。それくらい精緻で繊細な作品群。
ちぎり絵なのだから、よく見ると端っこが剥がれたりしていないかなとの私の予想は見事に覆されました。花びらの濃色部分に突然あらわれる「炭水化物」の文字に、あぁこれは新聞広告だったのだ……と改めて感動*2。
作成過程をドキュメンタリーで映像化してほしい。切に願っています!
木村セツさんのちぎり絵は本の装丁にも使われています。『祖母姫、ロンドンへ行く!』内容も面白そうで、気になっているんですよね。そのうち読みたい。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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