まるで夢の世界!モネの想いに触れる旅 北川村「モネの庭」マルモッタンにて (original) (raw)

今年は異例の猛暑続きの九月になりました。

いかがお過ごしでしょうか?

今回ご紹介するのは、先月訪れた

高知県の「北川村『モネの庭』マルモッタン」です。

モネが43歳から移り住んだフランス・ジヴェルニーの庭を再現した場所。

そこは、夢の中の世界のような美しい庭園でした。

モネが好きな人も、あまり知らない人も・・・

きっとこの風景を観たらうっとりしてしまうのでは・・・?

ぜひ最後までお付き合いお願いいたします。

☆写真は全て2024年8月13日~15日に撮影したものです。

1、モネが夢見た青い睡蓮と「水の庭」

車を降りて、夏の花で彩られた小道を上がっていくと・・・

緑のアーチが、いきなり出現。

その橋から見えた美しい池は、モネの世界・・・

モネといえば、睡蓮。

邸宅の庭園に睡蓮の池を作るという計画に着手したのは

モネがジヴェルニーに移り住んで10年後、53歳のときのこと。

創作活動以外のほとんどの時間を庭仕事に費やし

試行錯誤しながら自分の理想、夢の庭園を自ら作り上げました。

その庭園を見事に再現した「北川村『モネの庭』マルモッタン」は

クロード・モネ財団から正式に認められ、

世界中で唯一「モネの庭」を名乗ることを許されたのです。

ジヴェルニーのモネの庭から株分けされた睡蓮。

8月の日差しの中、青い睡蓮が満開でした。

モネは青の睡蓮を切望し、何度も庭で咲かせることを試みましたが

ジヴェルニーの気候では難しく、

結局、叶いませんでした。

高知県のモネの庭では、温暖な気候を利用して栽培に成功。

こうして毎年、夏には満開の青い睡蓮を観ることができるのです。

モネが願った夢の花を、時も場所も隔てて私達が見ているというのは

なんだか不思議な気分。

ぐるりと池を回ります。

モネの描いた睡蓮の絵がそこここに飾られています。

暑さのせいなのか、人もまばらでした。

静けさの中の庭園は夢を見ているよう。

美しすぎて、現実味がありません。

この一瞬が、永遠だったらいいのに

睡蓮の庭を観ながら、何度もそう思いました。

この現実世界では否応なく時間は過ぎていき、いつかこの睡蓮も枯れていき

景色はどんどん変わっていく・・・

その当然のことが、なんだか勿体なくて、ずっと時が止まってほしくて

この場所にいることが幸福すぎて・・・

うまく言葉にできないけれど、そんな気持ちになりました。

もしかしたら、モネもそうだったのでしょうか?

だから、移ろいゆく光を、そこにある空気を、

その一瞬の美しさと輝きを永遠のものにするために

連作を描き続けたのでしょうか。

現実の世界には永遠なんてない。

それが悲しいような惜しいような、切ない幸福感・・・

天才の気持ちは、私のような凡人にはわかりません。

でも、この庭園を訪れると、ほんの少しモネの想いに触れたような

そんな気持ちになれました。

睡蓮だけではなく、小道の脇に咲く花々も、とても可憐でした。

2、ルノワールと巡った旅の地で ボルディゲラの庭

ボルディゲラの庭へと向かいます。

林や遊具のある公園を抜けて進んでいきます。

静まり返った木立の中に、ぽつんとベンチが。

なんだか海外の公園みたい。

ボルディゲラは、モネが43歳の時にルノアールと旅行した地。

大いに刺激を受けたモネは、この土地の風景を30点以上もの作品に残しました。

美術史に名を残す偉大な画家二人は地中海の美しい風景を観ながら、

何を考え、何を話し、何を感じたのでしょうか。

モネの描いた風景からイメージした庭園が、

高知ならではの植物を利用して表現されています。

ごつごつとした花崗岩、空高く葉を広げるヤシの木や生い茂る緑の木々など

野生味溢れる風景を背景に咲く睡蓮は、

先ほどとはまた違った趣があります。

かわいい桃色のハスの花のつぼみがひとつ。

丘の上に立つ「リヴィエラの小屋」。

猛暑の昼下がり、ひとときの休息を求めて小屋へ。

小屋の中はモネの絵画やドライフラワーなどが飾られた

素敵な空間。

エアコンがないのが残念!!

モネの庭をイメージしたかき氷。

お花は食べられるのですって。かわいいですね。

涼やかなお味が、体の隅々まで沁み渡りました。

来た道を戻り、「カフェ モネの家」で昼食を。

白を基調とした内装に、大きな窓から見える山々やパラソル、

そこここに飾られたモネの絵・・・

お料理もなかなか美味です。

(右)モネの庭をイメージしたドリンク「青い睡蓮」を注文すると、左の丸いコースターをプレゼントしてもらえました

人が多くて店内の写真を撮れなかったので、HPを貼っておきますね。

www.kjmonet.jp

ミュージアムショップでいろいろと買い物。

モネ好きにはたまらないグッズがたくさん!

2階には、モネの家のミニチュアやモネが愛した食器などが展示されています。

モネの家 ダイニングルーム(「クロード・モネ財団」特別限定 複製品)

(左)モネの家 サロン兼アトリエ (右)モネの家

3、モネの絵の具箱を再現 花の庭へ

「花の庭」はその名の通り、花で溢れた庭園。

モネが自ら丹精して作り上げた庭園をイメージしたそう。

夏の光が満ち満ちていて、そこに花々が色鮮やかに咲き乱れていて・・・

忘れられない美しい景色。

山々を背景に花が咲き乱れる光景は、高知ならではの絶景。

人が全くいなくて静まり返った庭園。

なんだか現実味がないままに、一周していました。

4、モネが愛した日本で、モネの夢を見る

モネが晩年に情熱を傾けて作った庭を再現した

「北川村『モネの庭』マルモッタン」。

そこにはモネが夢見て叶えることのできなかった青い睡蓮が咲き

生涯変わらぬ堅い友情を育んだ芸術仲間ルノワールとの旅の地があり

絵の具箱をひっくり返したような、光と花々に溢れた庭園があります。

光を、空気を、時間を、この世では決して永遠にはとどめておけないものを、

キャンバスに描き続けた画家・モネ。

彼が愛した日本で、そしてこの高知の地で、

モネの想いに、ほんの少し触れることができた気がします。

光で溢れた庭園の美しさ、今を盛りと咲き乱れる花々の鮮やかさは

忘れることのできない夏の想い出になりました。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)について>

私が高知を旅行した

2024年8月13~15日、

南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表されていました。

「モネの庭」へ向かう途中の掲示板には

南海トラフ地震 臨時情報 巨大地震注意 発表中」の文字が。

車窓から見える青く静かな海・・・

地震が起こったら、こんな美しい海が、本当に牙を剝くのだろうか、

街を飲み込み、人々の命を奪うことがあるのだろうかと

信じられない思いでした。

でも、それは現実です。自然は、時に牙を剥く。

容赦はありません。

「浸水想定区域」「避難経路」と書かれた看板がいくつも目に入り

心が痛くなりました。

このあたりに住んでいる人々のいまの気持ちは、どうなんだろう・・・

いつ起きるかわからない地震津波が来たら間違いなく飲み込まれてしまう

家や店、町の暮らし・・・

私達に向けてくれたお店の人の温かい笑顔の裏には、

不安があったにちがいありません。

その後、警報は解除されましたが、災害はいつ起こるかわかりません。

高知県の優しい人々の笑顔が、ずっと続きますように。

この美しい高知の街が、自然が、人々の暮らしが失われることが

決してありませんように。

日本が、世界が、安全でありますように。

願い、祈ることしかできません。

モネの庭 四季彩

モネの庭: 花々が語るジヴェルニーの四季

モネ 庭とレシピ

<過去記事紹介>

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