REDWING COLUMN NO.113 レッドウィングの紐を変える 8133スーパーソール編 (original) (raw)
REDWING COLUMN NO.113 レッドウィングの紐を変える 8133スーパーソール編
最近は出番が減りつつある8133の紐を変えるプチカスタムをして、着用するモチベーションを上げたり
ちょっとした変化が加わったことで、何か新しい発見がないか探ってみることにした。
スーパーソールとはレッドウィング社が特許を取った製法であり、そしてこのアウトソールのこと。
本来は手作業で行っていた工程を、スーパーソールでは専用の型に入れて発砲ウレタンの樹脂を流し込み
アウトソールの成型と同時に、本体に縫い付けられたウェルトと底面を接合するという仕組み。
日本では現在8133のみとなっているけれど、米国では他のモデルやソールパターンもいくつか存在する。
元々8133スーパーソールはどちらかと言えば、国内モデルの中ではマイナーな部類ながらも
キムタクが初期の90年代から公私ともに着用していることもあって、根強いマニアのいたモデルだった。
2000年代に入って一旦取り扱いがなくなったものの、ショップ別注で復刻されたことで注目を集め
この黒いアウトソールのスマートな見た目と、他のモデルに比べて軽量で歩きやすいこともあり
アパレル関係者からの評価が良かったことも重なって、公式に再ラインナップされ現在に至る。
買い足したり交換して余った紐はこんな感じに、ツールボックスにメンテナンスグッズとまとめてあり
捨てるような状態の物は一つもないので、何かしらに再利用する時の為に保管している。
※このツールボックスは現在生産終了して、どうやら塗装がマットな質感に変更になったらしい。
定番のタスラン製丸紐の現行から少し前の物に90年代の使い古しなど、現在は取り扱いのない平紐
ブラウンガラスレザーの8161から外した平紐や、純正のワックス付きの平紐に101ポストマンの物。
黒の丸紐は所有ブーツから外した数よりも微妙に多いようだけど、改めて考えてみても分からない。
やや細めのワックス無しの平紐は黒の品番が93104、茶色の方は8167カスタムに付けていて93507で
旧ベックマンは紐が途中から太くなっていて、細い時期はこれをワックス加工した物と思われる。
割とどこにでもありそうな紐ではあるけど、15年ほど前の物なのでまだ見つかるかもしれない。
手持ちの中からワックス付きの茶色い平紐、ワックス無しの黒い平紐、タスラン製の黒×茶色の丸紐と
ついでに黄色×茶色のいかにもレッドウィングや、ワーク感のある丸紐を合わせてみることにした。
タスラン製の黒×茶色の丸紐は、茶系アイアンレンジャーなどの標準装備としても使われていて
以前記事にしたビブラムラグソール8176の変え紐としても選び、現在もそのまま採用している。
先ずはデフォルトの組み合わせをということで、黒いタスラン製の丸紐の感じから見てみる。
ブラッククロームレザー×黒いアウトソールに黒い丸紐は、とにかく安定感のある組み合わせ。
自分はレッドウィングの場合は紐を下から通すアンダーラップ派で、上から通すオーバーラップよりも
締め付けが控えめとなり、スポーツなどでは長距離走向けの通し方とも言われている。
昔からのクセでアンダーラップだけど、今はどちらでも良いので他の靴はオーバーラップも併用。
続いては黄色×茶色の通称トラ紐を合わせてみたところ、かなり派手になった印象を受ける。
このパターンはたまに見掛けるけど、自分はウェルトやアウトソールとの一体感で選んだりするので
トラクショントレッドソールや茶系のソールだったりすれば、採用する候補にはなるかもしれない。
これは通す前から分かっていたけど、変え紐として優秀な黒×茶色のタスラン製丸紐。
茶色の主張があまりなく紐が光っているようにも見えて、やや上品な感じに仕上がる。
この8133は茶芯感が微妙だけど、良い具合に茶色く露出したレザーとも雰囲気が合いそう。
左から黒、黄色×茶色、黒×茶色のタスラン製丸紐の3パターンを比較してみる。
やはり真ん中のトラ紐はインパクトという意味では一番強く、両端はだいぶ落ち着いて見える。
以前採用されていた丸紐はやや太くてふわふわしているので、ワークブーツらしい無骨な印象だとか
ある意味もっさりした感じになり、現行は細くてスマートさが増すような感じだろうか。
次は違うタイプということで、マイナーチェンジや個体差もある純正ワックス平紐の茶色。
純正平紐は灰色とも取れるようなスモーキーな茶色をしている為、ブラッククロームにも馴染み
この角度だと8133とは別のモデルのような、渋いヴィンテージワークブーツ風にも見える。
合わせる前はどうかなと思っていたけど、今回の中で一番気に入ったのがこれだった。
ラストに合わせるのは、旧ベックマン初期仕様のワックス加工無しの細い平紐。
決して悪い印象があるというわけではないけど、ワックス付きの茶色の平紐を先に見たせいか
シンプルにまとまっていて面白味に欠けるというか、これには特に新鮮さを感じなかった。
とても上品ではあるので、変え紐で遊ぶならこれが一番という方もいるとは思う。
平紐も丸紐同様に太くなるほどワーク感やレトロな雰囲気が出て、細いと上品になる感じだろうか。
丸紐とは違って履く時に容赦なく捻じれてしまい、時間が掛かるのがデメリットではあるものの
今回のように手っ取り早く気分を変えられる為、一旦平紐にハマると色々と変えたくなる。
今回の8133変え紐編で気に入った茶色い平紐の組み合わせは通好みの渋い感じになった。
久々に色が薄くなってボロくなったデニムシャツとか、太めのミリタリーパンツも良いなと思ったり
やっぱり自分なりにバチっと決まると、合わせたくなるアイテムがイメージしやすくなる。
平紐のレトロな感じだと、自分が春や秋の季節に着用することの多いヴィンテージ系アイテムに合わせ
真冬の寒い時期は趣向が少し変わり、快適さを求めてこんな感じになるので丸紐に戻すのもアリだなと
その季節のアイテムやコーディネート次第で紐を変えるというのは、自分には新しい感覚かもしれない。
自然光で撮影するとカッコよさがマシマシになるので、デフォルトバージョンも撮ってみる。
こうすると最初から変える必要がないようにも思えて来てしまい、何とも言えない感じになるけど
改めて8133スーパーソールは、本当に幅広いコーディネートに使いやすいブーツだと思う。