ランナウェイ (original) (raw)

1980年2月25日に発売
作詞: 湯川れい子、作曲・編曲: 井上忠夫
歌:シャネルズ(後のラッツ&スター)のデビューシングル

僕の社会人デビューと同じ年に発売された歌なのですが、当時海に遊びに行っていたときは必ず、この歌はもちろんシャネルズさんの歌がたくさん流れていました。シャネルズさんの歌は夏の海にピッタリな感じのメロディーだったのが理由だと思ますが、これらの歌を作曲したのは、なんとブルーコメッツ井上忠夫さんでした。

今の若い人どころか40代の人でも、「ブルーコメッツ」とか「井上忠夫」さんと聞いても今一つピンとこないかもしれませんが、60年代後半のグループサウンズ全盛期に先頭を走っていたグループです。井上さんはボーカルやフルートなどを吹いていましたが、作曲もなさっていたとは、この「ランナウェイ」で知るまで知りませんでした。

ウィキペディアによりますと、この歌は元々はCMソングだったそうですが、その作詞を依頼されたのが湯川さんでした。湯川さんは外国の歌を翻訳することで名前は知っていましたが、なにかの記事で、素人から有名雑誌のライターになるまでの経緯を読んだことがあります。その行動力は素晴らしいものがあります。

作詞を依頼された湯川さんは、CMプランナーから「「真夏の空の下、全米を結ぶ旅客鉄道「アムトラック」の列車が駅に入って来て、その列車の前に大きなラジカセの「ランナウェイ」を肩に乗せた金髪の少年がいる」というような映像を見せられ」(ウィキペディアより引用)て、それから発想を膨らませて歌詞を創作したそうです。この歌がなんとなくアメリカを連想させるのですが、その理由がわかったような気がします。

シャネルズで僕が思い出すのは、デビュー曲からヒットを連発し人気者になったあとに、メンバーが女性関連で逮捕されたときです。リーダーの鈴木さんが記者会見を行ったのですが、顔を黒く塗っていたことに引っ掛けて「恥の上塗り」という見出しが印象に残っています。下向いたまま意気消沈した鈴木さんの写真が忘れられません。

あと一つシャネルズに関連して驚いたのは、デビュー前にサザンオールスターズといろいろなコンクールで競っていたことです。また、デビュー後には大瀧詠一さんと関係していたのも驚きでした。有名というかのちにヒット曲を出す人たちは、どこかしらで接点を持っているのが共通点です。

以前、コラムで「小説 ユーミン」を紹介しましたが、その本にもたくさんの人のつながりが出てきていました。意識的に有名人と知り合いになろうとする人もいますが、音楽の場合は「人脈づくり」にいそしむというよりも才能が人を結び付けるといったほうが政界ではないでしょうか。だって、才能がない人が才能のある人と付き合うのは至難の業ですから。

音楽に詳しくない僕からしますと、前奏がなくボーカルからはじまる歌い方もとても魅力に感じましたが、もしかしたなら業界では有名な歌いだしだったのかもしれません。以前、「いい歌だな」と思っていた楽曲が、十数年前に世界的にヒットしていた楽曲に似ていることを後になって知ったことがありました。「いい歌だな」と思っただけにショックでした。

音楽業界って、そういうところありますよね。でも、昔はそれが普通だったと、これもなにかで読んだことがあります。そういえば、日本でスーパーマーケットが流行りだした頃、それらはみんなアメリカに視察に行ったことがきっかけですたが、これもつまりは米国のパクリということで、なんか悲しい気分にもなります。

もし、「パクリ」を非難されたときは、そう!「ランナウェイ」。

おあとはよろしいようで。

それでは、さいなら。