Understand(2020)感想・評価 (original) (raw)

クリア条件を推測する一筆書きパズル。

www.youtube.com

評価:9/10

プレイ時間:詰んだら攻略見つつ20時間

ストアページの作品紹介が端的にまとまっているので以下引用。

Understandは全てのレベルが異なるクリア条件を持っている
実験的なパズルゲームです.

プレイヤーがクリア条件を満たしたとき
操作画面下部に表示される記号が変化します
プレイヤーは試行錯誤しながら、記号が変化する条件を推測し
全てのクリア条件を満たす線を引く必要があります.

特徴
100以上のレベルが異なるクリア条件持っています
言語に依存しないゲームプレイを楽しめます
いくつかの”頭を柔らかくして考えるべき問題”がプレイヤーを待っています
シンプルなユーザインタフェース
誰も見たことのないパズルジャンル

store.steampowered.com

「全てのレベルが異なるクリア条件を持っている」というのがミソで、作中には時おり見た目がまったく同じステージが出てくるが、それぞれクリア条件が異なるため解法も異なってくる。

最低限のレベルデザインとして以下のようなものがある。

①レベルはグループでまとめられている

このゲームにはスーパーマリオブラザーズのようなステージ構造がある。例えば最初のステージは「1-1」といった具合だ。ここでは便宜上、ステージ構造について、大きな括りをチャプター、小さな括りをレベルと呼ぶことにする。例えば1-2はチャプター1のレベル2だ。

チャプターごとにコンセプトあるいはテーマのようなものが設定されている。同一チャプター内で出てくるクリア条件は似通った性質のものでまとめられている。

レベルの中にはさらに複数の小問があり、それらはリニアな構造を持つ。はじめは1問だけ開示されており、クリアすると次の小問がオープンされる。解けなければそこで行き止まりである。同じレベルの中ではクリア条件は同一だが、リニア構造の奥へ進むほどにパズルの難易度が上がっていく。

②グリッドのマップの採用

パズルと同じくシンプルなグリッドのマス目に各レベルを配置したマップがある(ゲームの初期画面)。レベルをクリアすると隣接するマスのレベルが出現、プレイ可能になる。

チャプターと同様に、マップ上のレベルの配置もクリア条件が似通ったものが近くなるようにデザインされている。

①②によって、基本→応用といったように、ある程度滑らかにパズルの難易度が上がるようになっている。時には類似がまったく感じられないような飛躍もあったりするが、大まかには流れが作られていると言える。

体感としてはかなりハードコアなパズルゲーである。作中で直接名前が引用されるThe Witnessなんかに近い。Celesteのパズル版のようでもある。余分な演出はなく、ただただパズルの壁が連なっている。

ずっとプレイしているとだんだん消耗していく(壁にぶつかり続けているわけなので…)ので、自分に合ったペースでのプレイを推奨。クリアしたところで得られるのは自己満足のみなので、各自費やすリソースには注意されたし。

自分はチャプター4の途中まで自力でなんとかプレイし、そこからは少し詰んだら攻略を見るプレイスタイルに変えてだいたい最後までプレイしました。攻略を見ることを許容してサクサクプレイしているとパズルの面白さ、楽しさが際立って感じられるようになりました。チェリーピッキング

しかし改めて振り返ると、チャプター5でクリア条件がガラリと変わるので、そういう意味ではチャプター4は山場の一つではあったのかな、とか。チャプター7もそれ以外と比べると異色な感じで、だから5と7はちょっとした気分転換のように機能するところがある。気分転換になりそうなチャプターの配置を鑑みるにやはり多少はプレイヤーのストレスを配慮しているように思えるが…。

パズル好きにとっては神ゲーだと思う。そうでない人にとってはかなりハードコアに映る。どちらにしても価格以上の価値があることは事実だと思う。

蛇足 チャプター4で詰まったときにbskyに放流した愚痴

understand、いよいよ「いじわる」と言っていいレベル(だと思う)難易度が登場してきた

ここで思うのはいわゆる「いじわるな」謎をおれらはどう評価すればいいのか、ということ そのルールが成立するケースってこの今回の1ケースしかなくない? n=1じゃない?というパズルをどう評価すればいいのか それって美しいですか?ということ それこそ(自分オリジナル文脈であれですが)witness〜陰謀論に通じる……それってあなただけが信じていることではないんですか?という疑問のようなものがどうしても頭に浮かんできてしまう

でもまあルールに貴賤なんかないというのもわかる 複数の色んなケースで通用するルールがなんで良さそうに見えるかというと、無意識レベルで物事の評価軸に「機能性」がインストールされているからだと思うし ゲームは道具でもなんでもないんだから機能性で測る必要ないんだよね ……と分かってはいるさんだけど、それでもさあ…!という感情が湧いてくる うんち

自分がこんなんになってるのはunderstandが純パズルすぎるからだな 普通のパズルゲームはパズルだけで出来てはないんだよ パズル以外の要素がある ゲームとパズルってやっぱ違うのか

こんなことを考えるのは疲れてる証拠です。ゲームから離れましょう。

なんかこの記事の文章は冷静にみえるかもしれませんが、実際のプレイ中はかなり奇声をあげたり悪態をついたりしてました。だって無理よ、こんなルール思いつくの。たまには明らかにミスリードを意図した小問の流れもあったりするしね…(それはそれで「ゲーム」だなと思うけど)。