『猿若江戸の初櫓』レポ~勘太郎本日より休演。 (original) (raw)
夜の部に行きました。
▲とてもいいポスターですね。篠山紀信さんです
『猿若江戸の初櫓』は、中村家由来の演目です。
▲猿若人形が2階ロビーに展示されていました。初代以来300年以上中村家に伝承されているそうです。
詳しいあらすじなどはこちらに書きましたが、
「猿若江戸の初櫓」と「梅ごよみ」 - 「初めての歌舞伎を楽しもう」munakatayoko’s blog
今回は狼藉者に襲われて困っている夫婦を助けるというところは、話の中で語られているのみで芝居にはいっておらず残念でした。
福助さんが脳出血で倒れたのち、復帰してから次第にセリフが増え、動作が大きくなっていることに尊敬の念を抱きます。
初代中村勘三郎がお江戸で歌舞伎を演じることを許された所以に因んで作られた芝居ですから、中村屋にとってはとても大切な演目。ここのところずっと勘九郎が演じていましたが、今月は長男の勘太郎くんが猿若を!
4日に観たときはとてものびのびと踊っていたのですが。。。
本日、残念ながら休演となってしまいました。
え!?主役なのに! 勘太郎休演というアナウンスにざわつく観客席。
お隣の方も「せっかく勘太郎君を観に来たのに!どうしよう、もう一日チケット取らなくちゃ!」と言っていました(^^)/
そしてもう一度ざわついたのは、「代演は中村勘九郎」という声を聴いて。
いつもながら代役をすぐにこなせる歌舞伎役者には頭が下がります。とはいえ、
お父さんの勘九郎は何回もこの役をやっていますし、今回は勘太郎君にバシバシ指導をしていたでしょうから、他の代役よりは観ているこちらも安心です。
果たせるかな勘九郎の猿若。さすがに堂に入ったもので、走る動作のところなどは体の後ろに蹴り上げる足が床に平行の体より完全に上にあるという身体能力。セリフももちろんよどみなく。
4日に観た勘太郎君もしっかりと腰が落ち、指がしなやかできれいで、猿若の愛嬌がありとてもよかったです。
さぞかし本人も悔しいことでしょう。焦らずちゃんと治して、なるべく早く復帰できますように。
猿若のリズムに合わせて、心を合わせて荷物を運んでいく若い衆たちも美しくリズミカル、出雲の阿国の七之助もあでやかで楽しい一幕です。どうぞお見逃しのないように。
一幕見にもおススメですよ。
今月のほかの演目はこちら!