ハーレムの男たち 855話 ネタバレ 先読み 原作 あらすじ ラナムンの誓い (original) (raw)

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855話 プレラが二番目の皇女に手を伸ばした時、ラティルはプレラが、まだ力をコントロールできないことを思い出しました。

◇刺々しい雰囲気◇

ラティルはプレラに、

赤ちゃんは、

まだ目で見るだけにしておこうと

言って、プレラの手が

赤ちゃんに届く前に、

その小さな手を握りました。

プレラは、ラティルに手を握られると

嬉しそうに笑いながら

「バーバ!」と叫びました。

ラティルは、

「お母様って言って」と

言いましたが、プレラは

再び「バーバ!」と叫びました。

乳母は勘がいいので、

プレラが赤ちゃんに触れるのを

皇帝が防いだことに気づきました。

やはり皇帝は、

第一子より第二子の方が

気に入ったのだろうかと

乳母は心配になりました。

しかし、彼女は、

そんなそぶりを見せる代わりに

皇女はラナムンだけをパパと呼び、

残りは皆、バーバと呼んでいると、

話しました。

自分は残りなのかと、ラティルが

気まずそうに尋ねると、乳母は

皇帝が皇女と一緒にいる時間が

少ないので仕方がないと

話そうとしました。

しかし、それよりも先に

サーナット卿が、

まず、うちの子には

お母様という言葉を

学ばせなければならないと

話に割り込みました。

これはどういう意味なのか。

乳母は気分が悪くなり、

サーナット卿をじっと見つめました。

しかし、サーナット卿は彼女の方を

見向きもしませんでした。

トゲトゲしくなった雰囲気とは違い

二番目の赤ちゃんは

静かに寝ているだけで、

プレラは、そのような赤ちゃんを

不思議そうに

眺めているだけでした。

しばらくラティルは、

プレラの頭にキスをし、小さな手を

しっかりと握っていました。

◇簡単ではない◇

ある日、側室たちは集団で

二番目の子供への誕生祝いを持って

現れました。

その時、ラティルは退屈するあまり、

大きな円を描きながら、

部屋の中をグルグル歩き回っていて、

サーナット卿が

赤ちゃんの世話をしていました。

側室たちは、笑いながら

部屋の中に入って来ましたが

三人を見て、

同時に表情が変わりました。

ラティルは、それを目撃しましたが

気づかないふりをし、

皇女が、たくさんのプレゼントを

もらえて嬉しいと明るく叫び、

ベッドに歩いて行って座りました。

サーナット卿が

自然にラティルのそばに近づくと、

側室たちは、互いに横目で

視線を交わし合いました。

ラティルは、

今度も知らないふりをして

プレゼントは何なのかと

元気よく尋ねました。

ザイシンは、

皇帝が元気そうで何よりだと言うと

手のひら二つを合わせたくらいの

大きさの箱を差し出しました。

ラティルはプレゼントを受け取ると

リボンを解きました。

箱の中には、聖水やお守りなど

ザイシンが一番よく作る

オリジナルの物品が

たくさん入っていました。

ラティルは、お礼を言い

二番目が喜ぶだろうと言うと、

お守りと、

銀をあちこちねじって作った

ブレスレットを

赤ちゃんのふっくらとした腕に

持っていきました。

しかし、ラティルが赤ちゃんの腕に

ブレスレットを付ける前に、

大丈夫だろうかと、

ゲスターが口を挟みました。

また、ゲスターは

何か言うつもりなのかと思い

ラティルが渋い顔をして彼を見ると、

ゲスターは心配そうな表情で、

サーナット卿は吸血鬼の騎士で

皇帝は吸血鬼のロードだから、

そのブレスレットを付けて

浄化されたらどうするのかと

警告ました。

その言葉は言いがかりではなく、

かなり、もっともらしい

不吉な言葉でした。

ラティルは、赤ちゃんが

しかめっ面をしているのを見て、

ブレスレットを箱に入れました。

ザイシンは、

自分の考えが浅はかだった。

ダンベルなどをプレゼントするには、

まだ子供の年齢が小さいので

無難な物を選んだけれど、

こうなってしまったと、

落ち込みながら呟きました。

ラティルは、ザイシンが

意気消沈するのではないかと思い、

後で無事であることを確認してから

渡せばいい。

いつでも役に立つので、

良いプレゼントだと、

彼の肩を叩きながら

明るく言いました。

その後は、心配なプレゼントはなく、

皆、赤ちゃんへ、

適切なプレゼントを持ってきたので、

ラティルは喜ぶだけでした。

ギルゴールは手ぶらでしたが、

自分の贈り物は温室に植えてある。

赤ちゃんが歩けるようになったら

連れて行って見せてあげると言うと

サーナット卿は、

もやもやしましたが、

すでに、ラティルは

ギルゴールが準備していた

プレゼントを見たので、

これも気に入っていました。

ラティルは、

少し大きくなったら、

連れて行って見せてやってと

頼みました。

最後にゲスターが

プレゼントを差し出しました。

ゲスターのプレゼントは、

彼の手編みの冬用の服でした。

どれも動物の形をしていて、

とても可愛かったものの、

ラティルは、それを受け取りながら、

表情を管理するのが

容易ではありませんでした。

「まあ、かわいい」と

明るく言ったはずなのに、

声が沈んでしまいました。

ラティルは、

しきりに浮かび上がってくる、

「これは大丈夫なのか」という疑念を

拭い去ろうとしました。

しかし、サーナット卿も、正面から

ゲスターを警戒する目で

チラチラ見ていたので、

ラティルも疑念を拭い去ることが

できませんでした。

これに気づいたランスター伯爵は

赤ちゃんの靴下を

サーナット卿の手に乗せながら、

赤ちゃんが

サーナット卿に似ているから、

自分が錯乱するのではないかと

心配しているのか。

これだけ体格の差があるのだから、

そんなはずがない。

だから心配するなと言って

笑いました。

ラティルは口を開けて

ランスター伯爵を見ました。

あの言葉が不吉に聞こえるのは

偏見だろうかと悩みました。

彼女はランスター伯爵に

文句を言っておくことにしました。

彼の前科のせいで、

訳もなく彼の話を捻じ曲げて

聞いていたとしても、

二番目の赤ちゃんは

自分を防御する能力が全くないので

あらかじめ事件が起きる前に

言っておいた方が良さそうでした。

しかし、ラティルは、

全般的に側室の雰囲気が

暗いのを感じ、口をつぐみました。

ゲスターだけが

言葉を捻じ曲げているのではなく

皆、おめでとうと言って

プレゼントを持って来たけれど、

程度の差はあるものの、表情だけは

一様に冷ややかでした。

突然、サーナット卿が

子供の父親として登場したことは

彼らを、ひどく傷つけたに違いないと

思いました。

その間、ずっと静かにしていた

サーナット卿は、

自分の子供を脅すなら、自分も

我慢はしないと警告しました。

その言葉に、ラティルは

息もできなくなりました。

サーナット卿は、

ゲスターを直視していたので、

まさに彼に警告していました。

ランスター伯爵は、

ポケットに手を入れて

にやりと笑うと、

自分はサーナット卿を脅したのに

彼には言葉が通じないようだと

皮肉を言いました。

クラインは、

あえて、二番目の赤ちゃんの近くに

いたくなかったので、

わざと後ろに立ち、そこから

それを見ていました。

彼は、事態が

尋常ではない状況になると、

隣に立っているタッシールに、

奴は皇配にもなれず、

子供の父親にもなれず、

その上、皇帝と喧嘩までするなんて

とても、めちゃくちゃに

なっているみたいだと

ひそひそ話しました。

すると、タッシールは、

もう自分と話をしてくれるのかと

尋ねました。

クラインは、しまったと思って

タッシールを睨むと、

高慢そうに身を翻しながら、

皇帝は、疲れているだろうから、

自分はもう失礼すると挨拶をして

外に出て行きました。

続いて、他の側室たちも、

あれこれ言い訳をして出て行きました。

あっという間に部屋の中には

ラティル、サーナット卿、

タッシール、赤ちゃんの四人だけが

残りました。

タッシールは、彼らが去る姿を見た後

サーナット卿を見て、肩をすくめながら

自分たちは、公共の敵になったようだと

ぼやきました。

サーナット卿は、

「そうですね」と返事をしましたが、

だからといって自分たちは

味方同士ではないでと言う

タッシールの言葉に、

サーナット卿は驚きました。

それからタッシールは、

ラティルの頬にキスをし、

赤ちゃんの額にも、一度キスをすると

サーナット卿を抱き締めようとして

腕を広げました。

しかし、サーナット卿が

微動だにせず

彼をじっと見つめると、

タッシールは、傷ついたふりをして

手を下げながら

ほら、自分を避けていると嘆きました。

それから、彼はラティルの頬に

もう一度キスをしました。

三人だけになると、

サーナット卿は重いため息をついて、

簡単ではないと呟きました。

侍従長の悲しみ◇

その日の午後、ラティルは

側室たちがサーナット卿に見せた

敵意を思い出しました。

当時、彼は、側室ではなかったので、

仕方のないことでした。

これは、ラティルが

サーナット卿を受け入れるかどうか

悩んだ時に、

一番、苦心した部分でもありました。

サーナット卿は、貴婦人たちの間で

最も人気のある未婚男性なので、

自分の側室にならなければ、

立派な夫人を迎えて家門を継ぎ、

堅固な人生を歩む人でした。

自分との間には、純粋な忠誠心だけが

残ることになるけれど、

それによる苦痛と物足りなさは

徐々に時間が

解決してくれたかもしれないと

考えました。

結局、ラティルは

夕方ごろ、侍従長を呼ぶと、

一カ月後の自分の誕生パーティーの時

サーナット卿が

二番目の皇女を抱いている方が

いいですよね?と尋ねました。

侍従長

サーナット卿?と聞き返すと、

ラティルは、

彼は皇女の実の父親なので、

その前にサーナット卿を

側室に迎えたいけれど、

どう思うかと尋ねました。

侍従長は、渋い表情で

日付を計算しているうちに、

さらに表情が悪くなりました。

侍従長は、

まだ皇女が生後100日も経たないうちに

パーティーに連れて行くのは

大変ではないかと答えました。

ラティルは、

そうだろうかと聞き返すと、

侍従長は、

そうなので、 サーナット卿だけ

出席すればいい。 それにその日は

ラナムンの誕生日でもあるからと

返事をしました。

ラナムンを支持する侍従長

自分の誕生日でもないのに、

訳もなく悲しくなりました。

ラティルは、

侍従長の言う通りだ。

誕生日の近くで、

サーナット卿を側室に入れれば

ラナムンが悲しむだろうと

返事をすると、

彼は素早く頷きました。

ラティルは、しばらく考えた後、

生後100日目に、

赤ちゃんの顔と名前を公開する時に、

側室の誓約式を

一緒にするのは大丈夫かと尋ねました。

侍従長は、

大丈夫ではありませんでしたが

ここまで彼が口を出すのは

難しいことでした。

◇ラナムンの誓い◇

その話を聞いたラナムンは

ベッドに横になって

ぐっすり眠っているプレラを、

あらゆる感情が入り混じった目で

見つめました。

赤ちゃんは、生涯に渡り

自分と比較される

大きなライバルができたことを

知らないまま、

ただ幸せそうに眠っていました。

彼は赤ちゃんの布団を少し持ち上げて

髪を優しく撫でました。

赤ちゃんは寝ながらも、

ラナムンの手の方に顔を向けて

笑いました。

ラナムンはプレラの小さな額に

キスをすると、

「お父様が必ず守ってあげる。

お父様が他の父親に

お母様を奪われることはない」と

誓いました。

◇生まれた時からの家族◇

誕生日を10日ほど後に控えた日。

こっそりラティルは、

生まれた時から家族だった

彼らのことを思い浮かべました。

しかし、今、トゥーラは

ヘウンと旅行に行って

いませんでした。

ラティルは、

眠っている赤ちゃんを

ずっとトントンし続けていましたが

我慢ができなくなり、

サーナット卿は、

カルレインほどではなくても、

足が早いですよねと尋ねました。

彼は、

カルレインと比較しなければ、

もっと良かったけれど、

早いと答えました。

すると、ラティルは

レアンを見て来てと頼みました。

サーナット卿は意外な提案に

眉をつり上げながら、

今、見て来るのかと尋ねました。

彼は赤ちゃんを抱いた

ラティルを見ました。

サーナット卿は

妻と自分、子供の三人で構成された

この空間から

離れたくありませんでした。

彼が普段から、追加勤務、延長勤務、

代理勤務までしながら

皇帝のそばを守った結果は、

今日になって、

ようやく効果を発揮していました。

彼に世話になった部下たちは

素直にサーナット卿と

交代勤務をしてくれているので

彼はこの温かい空間に

長く留まることができました。

それなのに、レアンがいる

その遠いところまで行って来いと

言われてしまいました。

サーナット卿は、

遠過ぎないかと尋ねました。

ラティルは、

やはり、首都の端は遠過ぎるか。

吸血鬼の、か細い足では

1ヶ月はかかるのかと尋ねました。

サーナット卿は

「はい」と返事をしました。

しかし、ラティルは、

一時間もかからないだろうと思い

「行って来い」と

睨みながら指示しました。

サーナット卿は

仕方なく椅子から立ち上がり、

ただ、行ってくればいいのかと

尋ねました。

ラティルは、

行って、何か一つくらい見て来て。

自分が元気に過ごしていること、

自分たちの子供のことも

話すようにと頼みました。

◇なぜ、あの人が?◇

サーナット卿は

離れ難い足を無理やり動かして

できるだけ早く移動しました。

30分以内に、さっと顔だけ確認して

帰って来るつもりでした。

ラティルには

大変だと言いましたが、

最大速度で走れば、

首都の端まで行ってくるのに

それほど時間は

かかりませんでした。

しかし、塔の付近に到着した彼は、

しばらく立ち止まって

身を隠さなければなりませんでした。

塔の付近に、先客がいたからでした。

サーナット卿は、

なぜ、あの人がここにいるのかと

不思議に思いました。

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側室たちが笑いながら

ラティルの部屋へ

やって来たというのが驚きでした。

彼らはライバル同士だけれど、

側室でもないくせに

ラティルに子供を産ませた、

サーナット卿という共通の敵が

できたせいで、

とりあえず、戦いは中断。

けれども、一緒に来たということは

他の人の抜け駆けは許さないという

意思を感じられました。

ゲスターへの信頼は、

なくなってしまったようですね。

ギルゴールのプレゼントは、

ラティルが妊娠していることを

教えてくれた時に植えていた

木のことだと思います。

妻って、まだサーナット卿は、

側室になっていないのだから、

ラティルは妻ではないでしょう。

それに、交代勤務をしたのは

自分がラティルのそばにいたいという

願望があったから。

サーナット卿は、

彼女が自分の子供を産んだ途端

アナッチャ化したように思えます。

サーナット卿が赤ちゃんを連れて

パーティーに顔を出せば、

どうしたって、人々は

そちらへ注目してしまう。

そうなれば、パーティー

もう一人の主役であるラナムンは

脇へ追いやられてしまう。

年末祭のことがあるから、

プレラをパーティー

連れ出さないでしょうし。

ラナムンを贔屓しているからこそ

出て来た言葉とはいえ

侍従長の助言は賢明だと思います。

トゥーラを家族と

思うようになるなんて、

すごい心境の変化だと思います。

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