中野区の2021衆院選についての簡略な備忘(2021年11月) (original) (raw)
2021年10月31日に衆議院議員選挙があった。国政選挙は関係する要素が多すぎて、区内選挙情勢の分析に用いるには必ずしも適さない。そのためざっと気づいたことだけ簡単に備忘的に書いておく。2021/11/2記 (敬称略)
☆一部区民の関心を集めてきた中野非公式リポートの中野区選挙分析☆
中野区は東京7区と10区
中野区の小選挙区は以前は全域が東京7区だったが、2017年衆院選から南側は東京7区の一部、北側は10区の一部になった。
中野区選挙管理委員会ホームページより
右が東京7区、左が10区のポスター。中野区内で2021年10月下旬撮影
維新も油断ならない結果を残したのだが、私は論じる材料に乏しいので、野党と自民についてのみ以下に述べる。それにしても並べてみると改めて、候補者全員男なのはどうかと思う。
東京7区
立憲民主党副代表 長妻昭が野党統一候補。2017年共産党は7区で候補を出さなかったため、事実上前回から野党統一候補だった。
7区は長妻の定席で、自民の松本文明はこれまで小選挙区で敗れ比例復活することを繰り返してきた。自民党は連続2回以上比例復活したら比例との重複立候補を認めないのが原則のはずなのに、今回も松本は重複になっていた。
今回は松本は比例復活できなかった。
NHKのサイトより
東京7区、8区、9区は野党統一候補にゼロ打ちで当確が出た。いずれも自民党候補は比例復活できなかった。
(8区-立憲吉田はるみと自民石原伸晃、9区-立憲山岸一生と自民安藤高夫)
NHKのサイトより
東京10区
10区は自民の鈴木隼人が3回目の当選。野党統一候補の鈴木庸介(立憲民主党)は比例復活し初当選。
NHKのサイトより
中野では庸介の方が得票が多い
隼人と庸介の各区ごとの得票は次の通り。
鈴木隼人(自民)
豊島37,908.830
練馬35,602.379
中野32,486.688
新宿9,124.990
鈴木庸介(立憲)
豊島34,669.830
練馬31,069.620
中野34,052.311
新宿8,129.009
つまり、豊島、練馬、新宿の各区では隼人の方が庸介より得票が多かったが、中野では庸介の方が得票が多かった。10区の中野区部分というのは、区割り変更前は長妻の選挙区だった場所だ。中野区での長妻人気を反映した数字と思われる。
各区選管のホームページより
比例代表
中野区7区
中野区10区
いずれも中野区選管HPより
追記: 松本文明は引退の模様
画像1-2枚目のツイートをみて、友人が中野駅南口にあった松本文明(自民、衆院東京7区、落選)の選挙事務所を確認しに行きました。
既にもぬけのからで、別の貼り紙が貼られていたそうです(3-4枚目、2021/11/2夜友人撮影)。
「最後まで」という言葉を使うのは、引退でしょうかね? pic.twitter.com/WNmXasmVoo— 中野非公式通信 (@nakanocitizens) November 2, 2021
松本文明さん引退表明してるのにあんま取り上げられてないですね。 pic.twitter.com/w1shizHAdf
— 宮原ジェフリーいちろう🍠 (@ichiro_jeffrey) November 2, 2021
松本推薦の現職中野区議は3人
ちなみに中野区議会の現職自民党議員で、2019年区議選で松本文明の推薦をもらった、したがって松本引退の影響がありそうな議員は伊藤正信、内川和久、若林しげおの3人。
他に松本の推薦を受けたうちで、伊東しんじは2019年区議選で落選、いでい良輔は2021年6月に区議を辞職し7月の都議選に立候補して落選した。
2019年中野区議選の推薦関係は下記参照。
野党候補統一が変えた地元政治の景色、あるいは変化の予感はあるわけで、地元東京7区10区でも、それはいずれも前回からの変化をもたらした。
地方議員を含む地元政治家が、自分たちに見えている景色の変化を、選挙が過ぎても自分の言葉で、政治サークルの外の人にも見えるよう発信し続けてくれたらと願っている。
自民党の選挙で気がついたこと。