山海塾「海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり」(配信) (original) (raw)
演出・振付:天児牛大
2020.5.17. 山海塾「海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり 」を期間限定配信で観た。
2015年に北九州芸術劇場で上演された舞台。85分。
新型コロナウイルス(COVID-19)によって世田谷パブリックシアターでの上演が中止になった。公演期間だった1週間限定で映像が無料公開されたものを観た。
・ダイジェストはこちら。ダイジェストがあるのはいいですね。
海から陸に、陸から海に
海の生き物を思わせるゆらゆらした動きから始まる。
舞台奥にはウミユリの化石をかたどった重厚なレリーフ。
床には砂が張られていて、場面によって青から金色に、ウミユリの化石も緑色に変化する。非常に美しいという感想。
弦楽器の重く響く音に乗せて、ゆったりした大きな流れを感じた。
できれば場面タイトルは先に見られるともっと世界に寄り添って見られたかな?
今回の公演予定では出ない予定だった天児牛大が踊っているのも嬉しかった。踊りに意思の力が感じられる。きれいなだけではない意味がぐっと加わる気がした。
舞台で見る、配信で見るということ
山海塾を見るのは多分4回目。美しさを感じるのは配信でも変わりがない。
舞台で見ると真っ暗で集中を促されるので、自分の場合意味をすごく考える。ずっと引きの視野で見ていることもあって、全体像を強く意識しがちだ。
配信だと受け身で眺める感じ。今回だと美しい色合いと動きをぼうっと眺めていた。
青の水面にローズピンクの光が差し込み、別の場面では緑が生命を感じさせ、美しかった。踊り手のアップも嬉しい。
見せるのは配信でも十分。没入して一体感を味わうようにするには舞台がいるのだろう。
いくつか舞台の映像を見た中で、舞台と同じように楽しむために良かったのはこんなアイディア。
・時間を決めてリアルタイム感を出す。予定することで期待度が高まるのと、他人と一緒に待つのが楽しい。
・当日パンフレットにあたるような説明。意識を誘導した方がスムーズに世界に入れる。
・公演中のコメントはOFF。コメント欄とパラレルに見る参加型の楽しみ方もあるだろう。
・携帯やメールはOFF
配信演劇・ダンスもこれを機に発展していくだろうと思う。楽しみだ。
(公演の配信について考える第2弾はこちら) namiuchigiwa.hatenablog.com
・2009年の公演の感想記事