Linksys Velop WHW03 V2にOpenWrtを導入したメモ (original) (raw)
Linksys whw03 v2
OpenWrtでの利用周波数帯の制限
このルータは、ハードウェアスペック的には結構良好な上にトライバンドデバイスなので、自宅メッシュのバックホールを分離させるのにいいなと思って購入を検討したのだけど、一つ重大な制限があったために確保を見合わせておりました。その制限とは公式ページに掲載されているこれ。
The supported channels of the two 5 GHz radios are severely limited:
Channels 32, 52 through 68, 96 through 144, and 169 through 177 are unusable on either radios. This means that these devices cannot in general connect as clients to existing 5 GHz networks, and thus cannot repeat them, which severely limits the usefulness of having dual 5 GHz radios.
https://openwrt.org/toh/linksys/whw03_v2#limitations
端的には、5GHzで使える周波数が激しく限定されているという話。せっかく5GHzを2系統積んでいるのに、片系はW52(チャネル36から48)しか使えず、もう片系は日本国内では利用不可能(な周波数帯しか使えない)という残念状態。これではOpenWrt化する意味はない。
だったのけど、このたび最新の23.05.4でめでたくこの制限が解除されました。ハックしてくれる皆さんに毎度感謝。
[OpenWrt Wiki] OpenWrt 23.05.4 - Service Release - 20. July 2024
OpenWrtの導入ステップ
管理コンソールからファイル指定で更新するだけでOpenWrt化が完了する。一番簡単で手間いらずのパターン。OpenWrt公式から23.05.4のFactoryイメージ(Squashfs)をダウンロードしておいて、純正ファームのWebコンソールに入って、画面下部の"ca"というリンクを踏んでアドバンスドな管理メニューに入って、ファームウェア更新の画面からローカルアップデートをする。二度ほど何か警告されるが全部YESで進んで、ルーターがリブートしたら192.168.1.1でOpenWrtにアクセスできる
ハードウェアスペックなど
- 付属の電源アダプタは12V2A。多分外径5.5mmの内径2.5mm
- LEDは直立させた天井部分に控えめに丸くついている。眩しすぎず良い感じ
- OpenWrtでのストレージの空き領域は120MBとちょっと。まあ結構大きいほう
- CPU4コア(IPQ4019)、メモリ512MB。Google Wifiとかと一緒
- EthernetポートはWANx1、LANx1だけ。これもGoogle Wifiと同じ。物理的に別のスイッチなので、ブリッジするためには色々やらないといけないらしい。当方ではブリッジ化はしないので特に問題ナシ
- USBポートなし
- 問題の5GHzデュアルチャネルは、確かに23.05.4だと使える周波数が拡張されていて、片系はW52/53、もう片系でW56という担当分け。これなら普通に運用できる
使ってみた所感など
まだ定常運用していないので初期の感想だけど
- 発熱はそこそこあって筐体が常時ホカホカだが、大量に入ったスリットというかメッシュ状の穴が有効に働いているらしく、アツアツまでにはならない
- Wifiの送信強度はまずまず。Google Wifiと同レベル。WXR-2533DHPよりはちょっと弱い。Meraki MR42/52の最強コンビには全然及ばない。我が家では5GHzで階を隔てると若干心細いが、スマホレベルの通信ならまあセーフというレベル
- 縦に長い筐体で接地面積を食わないので、狭い場所にも置きやすい。デザインも悪目立ちせず中々よろしい。アリです
その他余談
- 黄ばみやすい。まあ性能に影響はないが
- lm_sensorsでデバイスの温度が拾える。collectd-mod-sensorsでグラフ化できる。だがしかし何故か再起動すると値が拾えなくなることがあり、再起動すると直ることもあるしダメなこともあるし、放置してたらいきなり拾い出したりする。謎過ぎる。collectd-mod-thermalはNG
端的にはトライバンドになってOpenWrt化が激しく楽になったGoogle Wifiという感じ。安価なタマを見つけられればアリな機種なんではないでしょうか。