「PSYCHO-PASS」関智一と狡噛の共通点は (original) (raw)

TVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」の上映イベント「リバコメ!!×TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』」が去る8月13日に東京・サンパール荒川で開催され、狡噛慎也役の関智一、宜野座伸元役の野島健児が登壇した。本記事では夜公演の模様をレポートする。

「リバコメ!!」はアニメファンに愛される作品を、出演声優による生コメンタリーとトークショーと合わせて上映するイベント。その第8回としてピックアップされた「PSYCHO-PASS サイコパス」は、2012年の第1期スタートからちょうど今年10周年を迎える。夜公演で上映されたのは第1期から、事前の人気投票で上位になった21話「血の褒賞」、そして最終回にあたる22話「完璧な世界」。クライマックスに向けての息を呑むような展開の連続に、関と野島は思わず画面に見入りながらもトークを繰り広げた。

21話では父・征陸が宜野座をかばって亡くなる場面が描かれるが、そのきっかけとなるシーンに差し掛かると野島は「宜野座、動くなよ! 宜野座! あー!」と声を上げ、槙島と征陸の戦いに「今日は勝つかもって思っちゃう」「どの瞬間で、どうしてればよかったんだろうって、1つひとつ見ちゃいますね」と深く息をつく。関は狡噛を演じるにあたって「少しかれているくらいのほうが合っていた」と振り返り、「一番声が渋くなるように調節していった。キツめの仕事を直前に入れてもらったりして」と意外な役作りを明かした。

シリアスな話題ばかりではなく、狡噛と槙島の後を追った朱が穀倉地帯へ足を踏み入れる場面では、農業の経験がある野島が「僕、麦を作ってたことがあるんですが、麦って鋭利なトゲがあって、歩くのが怖いんですよ。この場面を観てると普通はないドキドキ感があります(笑)」といった軽快なトークも。22話の終盤、ケガを負った槙島が穀倉地帯を1人進んでいくシーンでは、「逃げたんですかね、(死に)場所を選びに来たんですかね」と問う野島に対し、「(狡噛と)2人きりになりに来たんじゃない?」と関が答えるなど、それぞれの解釈が垣間見えるやり取りもあった。2つのエピソードを見終えた2人は「やっぱり面白いね!」とうなずき合い、「PSYCHO-PASS サイコパス」の色あせない魅力を再確認した様子だった。

上映後はファンから寄せられた質問に答えるコーナーへ。「自分の役以外で好きなキャラ、演じてみたいキャラ」を聞かれた関は「征陸さんが好きです。もし機会があるなら演じられたらうれしい」と答え、一方野島は「自分の役を外すと難しい……」と宜野座への思い入れをにじませつつ、「やりたい役はコミッサちゃんですね」とマスコットキャラクターの名を挙げ、観客を笑わせる。「女性陣で彼女にするなら?」という問いには関が「朱ちゃん。怖いなとも思いますけど、一番誠実そう」と回答。そのほか「俳優・声優以外で、シビュラの職業適性でA判定が出そうな仕事」「ホログラムで部屋の内装を変えるなら、どんな部屋にする?」といった、作品にちなんだ質問に答えていった。さらに作中のセリフを披露する企画コーナーも。自身の役だけでなく、互いの役や朱も含め、ランダムに引いたセリフを披露してファンを沸かせた。

最後に野島は「『PSYCHO-PASS サイコパス』に出会わなければ、今の自分はなかったなと思います。いろんな人とのつながりができたり、関さんとも仲良くさせていただいたり、自分をすごく引き上げてくれた作品です。僕も自分の車に宜野座さんのブランケットを置いてたり(笑)、もう日常なんですよね。皆さんも、この先もずっとこの作品やキャラクターとともに過ごしてもらえたらうれしいです」とファンにメッセージを贈る。関は「昼公演で『狡噛と似ているところはありますか?』って聞かれたの、1個思い出しました」と切り出し、「狡噛って『ドラえもん』の単行本を全巻紙で持ってるんですけど、僕も持っています!」と続けると客席からは大きな拍手が起こった。そしてこのイベントの翌日には「PSYCHO-PASS サイコパス」10周年プロジェクトの新発表が控えていたこともあり、「これだけみんなが集まってくれて、損をさせないような発表が明日あります。今日は眠れないね!」とファンに呼びかける。10周年を迎え、さらなる展開への期待に満ちたムードで、イベントは幕を下ろした。

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