ハレルヤオーバードライブ! - コミックナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)
等身大のバンドライフをやろう
──まずは初単行本のリリース、おめでとうございます。僕らナタリーは音楽ニュースサイトからスタートしたこともあり、バンドものの最新型として「ハレルヤ」には注目していました。
高田 ありがとうございます。僕自身、大学時代は軽音サークルでバンドやってたので、もともと描いてみたかったところにゲッサン創刊でお話をいただいて。
星野 編集部としては、ゲッサンのラインナップを考えてるときに文化部ものが絶対必要だって話があって、バンドマンガ欲しいね、と言っていたんです。じゃあ高田君バンド大好きだし来てくれ、と。
高田 それが創刊の1年くらい前ですね。
星野 最初やりとりしていたネームはちょっとギャグ寄りの、スーパースターが普通の高校生を巻き込んでバンドやってく、みたいのだったんです。でもそれがうまく転がらず、2人で話してたときに彼の大学時代のエピソードを聞いて。それで方向性が決まりましたね。
──そのエピソードというのは。
高田 いやその……当時、軽音サークルで好きな人がいまして。サークルの先輩に「お前明日告白しろ」とか強要されるんですよ、飲み屋で。でもベロベロになってしまって、その、おイタをしてルパン三世みたいな状況で警察のご厄介になり、先輩に迎えにきてもらって、それでも翌日告白したとかいう、まあしょうもない話ですよ。
星野 や、面白かったよ! 結局バンド関係ないんだけど、それが高田先生のバンドライフだったんだなー、と。だったら変にマンガ的なスーパースターだのやんないで、等身大な身の回りの話を描こうと決まったんです。例えば「タッチ」が野球マンガかと言ったら、野球はやってるけどあれは青春群像劇ですよね。それと同じで。
高田 だからプロを目指す、成り上がるみたいな話じゃなくて、小雨とハルさんの恋愛が軸で、そのために音楽に傾倒していくって流れなんです。
星野 登場人物も、けっこう実在のバンド仲間を登場させてるよね。
高田 ですね。当時サークルにいた学年が1個上の女の先輩が、ドラムを叩いてるんですけど、背がすごい低いんです。それでツーバス。
──まんまハルさんじゃないですか!
高田 ですね……まんまじゃないけど、モデルにはなってます。あと(サークルに)入ったばかりのとき、髪がツヤツヤですごいガタイのデカい人が部室に座ってたんですよ。こりゃ「この人絶対ドラムだな」と思い込んでたら実はベーシストでびっくりした、ってのもあって。
──鷹木部長ですね。作中ではベースじゃなくボーカルですが。
星野 そう。デブだからドラムって決めつけると怒られる(笑)。「その話面白いから使おう!」って盛り上がっていたら、高田先生から「ほんとは軽音楽部なんだけど、学校で禁じられてるから金属理科学研究部として活動してる。読みは“メタりか”ってどうすか?」ってアイデアが出て、「それいいよ!!」って即決でした。