アニメ「サンリオ男子」花倉洸幸インタビュー - コミックナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)

放送中のテレビアニメ「サンリオ男子」は、同じ学校に通う男子高校生5人が、サンリオキャラクター好きということを通じて1つになっていく青春ストーリー。彼らの日常を届ける公式Twitterが2015年にスタートしたのをきっかけに、これまでにマンガ、ゲームアプリとさまざまなメディア展開がされてきた。

コミックナタリーではアニメがクライマックスに差し掛かったこのタイミングで、リトルツインスターズが好きな男子高校生・西宮諒役の花倉洸幸にインタビューを実施。男子高校生5人が結束するきっかけとなったこじらせ男子・諒の視点から、彼らの出会いから今後の展開までたっぷり語ってもらった。また江口拓也、斉藤壮馬、内田雄馬、大須賀純といったキャスト陣との裏話も。最後にはフォトギャラリーも用意したので、併せて楽しんでほしい。

取材 / 熊瀬哲子 文 / 西村萌 撮影 / 石橋雅人

「サンリオ男子」とは?

始まりは男子高校生5人の共同Twitterから!

サンリオキャラクターが好きな男子高校生を描いたメディアミックスプロジェクト「サンリオ男子」。始まりは2015年、それぞれのキャラクターが日常を呟く共同アカウントとして開設された公式Twitter(参照:サンリオ男子【公式】 (@Sdan_sanrio) | Twitter)から。以降マンガや恋愛ゲームアプリなど広がりを見せ、2018年1月にテレビアニメ化を果たした。

「サンリオ男子」公式Twitterより。 「サンリオ男子」公式Twitterより。

サンリオを通じて“俺”が“俺たち”に

左から吉野俊介、水野祐、長谷川康太、西宮諒、源誠一郎。

主人公は平凡な毎日をただなんとなく過ごす男子高校生・長谷川康太。幼い頃、ポムポムプリンが好きだった康太は、ある出来事がきっかけでそれを素直に言えなくなっていた。そんな彼はマイメロディ好きな水野祐、ハローキティ好きな吉野俊介と出会い、サンリオキャラクターが好きなことを恥ずかしがらなくてもいいと思えるように。リトルツインスターズ好きな西宮諒、シナモロール好きな源誠一郎も加わり、サンリオキャラクターのグッズとともに新たな青春の日々をスタートさせる。

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花倉洸幸インタビュー

ワケもわからず、KIRIMIちゃん.とばつ丸が好きだと……

今日はファッションもキキララ仕様でやってきました(笑)。

──あ! 耳元のピアスがリトルツインスターズなんですね。あと靴も……?

そう、星の総柄なんです。私物のキキララグッズも持ってきました。

花倉洸幸

──完璧なコーディネート、ありがとうございます(笑)。さっそくですが、花倉さんは「サンリオ男子」のゲームアプリからキキララ好きな男子高校生・西宮諒役を演じています。最初にオファーを受けたときのことをお伺いしてもよろしいですか?

うちの事務所のスタイルだとは思うんですけど、本当にギリギリまで何も教えてくれないんですよ。ある日マネージャーさんから事務所に呼び出されて、「好きなサンリオキャラクターは?」ってインタビューされて。意図がよくつかめないまま、とっさにKIRIMIちゃん.とか(バッド)ばつ丸って答えたんです(笑)。その場ではそれで終わって、「サンリオ男子」ってタイトルを知ったのは、PVを収録するからと渡された台本ででしたね。

──キャストに決定したっていう知らせも特になかったんですね。

西宮諒のキャラクター設定画。

PV収録に入る前、サンリオにちょっと詳しくなっておいてねってことはえらい遠回しに言われてたんですけど。それでサンリオについて調べていくうちに、「サンリオ男子」っていうTwitterやマンガで展開されているコンテンツがあることを知って。台本の文字を見て、「え、アレか!?」って思いましたね(笑)。しかも諒ちゃんのキャラクターが完全に女の子みたいな見た目だったので、「おっと、この子を演るのか。どうしよう……」という不安も持ちつつ。でも子供の頃から馴染みのあるサンリオの企画にかかわることができるっていうのは素直にうれかったですし、サンリオキャラクターを通じて5人の男子高校生が交流していくっていうストーリーも面白い作品になりそうだなと感じました。

──そんな中、アニメ化も決定し……。

彼らが動いて、それに我々が声をあてられるんだっていうのが感慨深かったです。しかも描かれるのは、公式Twitterやマンガでも描かれてない、サンリオ男子たちが出会った頃のお話。僕らが見ていたのはすでに仲良しな5人組だったので、どういうエピソードになるのかすごく楽しみになりました。

諒ちゃんってこんなにイライラしてたの!?

──実際にアニメになってみて、Twitterやゲームでは見えなかった予想外な部分はありましたか?

「サンリオ男子」第6話より。会長が倒れた報告を受けるも、自分には関係ないと反論する諒。

驚いたのは、諒ちゃんって「こんなにイライラしてたの!?」っていう(笑)。キキララ好きということを恥だと感じている自分とは対照的に、サンリオ好きを公言していて堂々と楽しんでいる祐たちのことを変態呼ばわりしてたじゃないですか。

──連呼してましたね(笑)。

見た目に関してかわいいって言ってくる人たちにも、すごく牙を剥いてましたし。こんなにこじらせてるキャラクターだとは思いもしなかった(笑)。

──諒は4人と仲良くなるまで時間がかかりましたもんね。

ただ彼を見てると、みんなに強く当たりつつも、自分が悪いことを言っているっていう自覚はどこかにあるみたいなんですよ。誠一郎に忠告されたときも、歯向かうときも、少し身体がビクッとするんです。怒られるかもって思ってるんでしょうね(笑)。そんな姿から、彼は虚勢を張ってるだけで、それが本当の姿じゃなさそうだと。自分でもどうしたらいいかわからない状態になってるんだろうなっていうところで、救ってあげられたらって思いました。

──そんな諒と祐たちを和解させようと、生徒会長である誠一郎は仲裁に入ったり、誤解を受けて拒絶されたときにも家まで出向いたり、一生懸命でした。

「サンリオ男子」第5話より。祐たちといさかいになった理由についてはぐらかそうとする諒を引き止める会長。

そうですね。もともと僕は、諒ちゃんが4人と仲良くなったのってやっぱり主人公の康太からだと思ってたんです。でも実はそうじゃなくて、諒ちゃんの心を動かして、最初に仲良くなったのは自分のために倒れるまで動いてくれた誠一郎だった。その2人が、康太、祐、俊介の3人に加わってようやく5人組になる。そういった経緯はアニメになって初めて知って、面白かったところでした。

──諒がぶつかったことで、5人の絆が生まれました。

こじらせていたおかげですね(笑)。

──そんな諒を演じるにあたって、気をつけた点やこだわりはありますか?

やっぱり5人が仲良くなる6話ぐらいまでは、彼が何事にもイライラして終始不機嫌だった頃なので特に気を使いましたね。休憩中にキャスト同士でしゃべってゲラゲラ笑っても、その楽しい雰囲気が出ないように、収録が始まったら切り替えて。自分の表情が不機嫌モードになってだんだん死んでいくんですけど(笑)、そうすることで彼の抱えてる葛藤が声にも乗ればいいなと思ってやってました。