“読む+聴く”の新しい電子書籍「YOMIBITO」を徹底紹介!谷山紀章、林勇、畠中祐、新祐樹が語る聴きどころとは - コミックナタリー 特集・インタビュー (original) (raw)

声優たちの朗読を耳にしながら電子書籍も読めるレーベル「YOMIBITO」が、ソニーの電子書店Reader Storeで誕生した。朗読音声と電子書籍がセットになっていることによって、江戸川乱歩やコナン・ドイルといった“読んでみたいけどなかなか手が出ない”往年の大作家の小説を気軽に楽しむことができる。コミックナタリーでは「YOMIBITO」の特徴や魅力を紹介。さらに朗読を担当した谷山紀章、林勇、畠中祐、新祐樹に作品の聴きどころや読んだ感想などについてコメントしてもらった。

構成・文 / 大湊京香

「読む+聴く」という新たな読書スタイル

「YOMIBITO」は声優による“朗読音声付きの電子書籍”を販売するレーベル。その最大の特徴は朗読音声と電子書籍がセットになっていることだ。朗読音声のみ、電子書籍のみといったコンテンツが多い中で、「YOMIBITO」の作品はその両者を併せ持っている。家事の最中や通勤時など手が離せないときには朗読のみ、じっくりと作品世界に浸りたいときには電子書籍と朗読を合わせるなど、自身のライフスタイルに沿って作品を楽しむことができる。

「YOMIBITO」ロゴ

豪華声優陣による朗読音声

キャストにはベテランから旬の声優までがずらりと並ぶ。3月25日に配信開始されたばかりの第2弾では、「BASTARD!! -暗黒の破壊神-」でダーク・シュナイダーを演じることが発表された谷山紀章、「東京リベンジャーズ」で花垣武道を演じる新祐樹と佐野万次郎役の林勇、「SK∞ エスケーエイト」のレキ役で知られる畠中祐が朗読を担当。そのほか配信中の第1弾には麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜が、3月30日に配信される第3弾には寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生が参加している。

魅力は1人何役もの“演じ分け”

聴きどころはなんと言っても声優の“演じ分け”。登場人物の数だけ役者がいる舞台やアニメとは異なり、1人での朗読はすべての登場人物を演じる必要がある。だからこそ、「YOMIBITO」では声優自身が考えた解釈や演技を最大限活かした作品作りを行ったと制作サイドは話す。例えば谷山が朗読する「D坂の殺人事件」と林が朗読する「心理試験」は同じ明智小五郎シリーズ作品のため同じ人物が登場するが、演者の個性、キャラクターへの解釈により異なる印象を持つ人もいるだろう。聴き比べてみるのも楽しみの1つだ。

また女性声優たちが演じる男性キャラクターの声にも注目。現在配信されている往年のミステリー作品の登場人物には男性が多い。もちろん少年役などの性別の垣根を越えた演技をする女性声優は多くいるが、年配の男性役は男性声優が担当することがほとんど。アニメなどではなかなか聴くことのできない演技を聴くことができるのもポイントだ。

ルパンも明智小五郎も! 名作揃いの配信作品

「YOMIBITO」では、江戸川乱歩「D坂の殺人事件」やアーサー・コナン・ドイル「暗号舞踏人の謎」といったクラシック・ミステリーの名作が主に配信されている。これらの作品には古い文体が多く、声優陣の中には昔の言い回しを読むのに苦労したと語る人も。タイトルは知っているけど読むのは少し億劫……そういった往年の名作小説を、好きな声優の声で堪能してみてはいかがだろうか。なお1作品は複数巻に分かれており、1巻7分から15分程度と気軽に利用できるのもポイントだ。

「YOMIBITO」のラインナップ

配信中

3月30日配信開始作品(予約受付中)

谷山紀章、林勇、畠中祐、新祐樹よりコメント到着!

谷山紀章

谷山紀章

Q1:谷山さんが朗読を担当した江戸川乱歩「D坂の殺人事件」の聴きどころ、また力を入れたポイントを教えてください。

登場人物が存外多く、なおかつセリフを持っていましたので、朗読箇所とそれらを区別することは意図せざるを得ませんでした。しかしながらそれらが、まるで地続きであるような聴こえ方でリスナーの耳に届くような、一方で漠然としたイメージも持って臨みました。

Q2:ご自身の担当作品を読んだときの感想を教えてください。

あの江戸川乱歩ですからさぞかし〇〇〇な文体で△△△なのであろうという先入観みたいな思い込みがありました。が、当作品に限っては思ったよりも☆☆☆で×××なのだなあと所謂、ギャップを感じました。これがいろんな意味で意外でした。明智は明智。現代ミステリの根底にも通ずる名探偵像のステレオタイプの元祖がコレなのだなと膝を打ちそうになりました。

Q3:谷山さんは「YOMIBITO」をどのように利用したいですか?

せっかくなので良い音響と良いヘッドホンなり、イヤホンなりでじっくりと聴く行為に専念してみたいです。自宅の一番落ち着く場所で好きな飲み物でも飲みながら。そのためにわざわざ時間を割く贅沢な時間に充してみたいです。

Q4:これから「YOMIBITO」を利用される方、興味のある方に向けたメッセージをお願いします。

気が向くというのが人間の一番の行動原理であるから1人でも多くの方の気が向くことを期待したいです。

林勇

林勇

Q1:林勇さんが朗読を担当した江戸川乱歩「心理試験」の聴きどころ、また力を入れたポイントを教えてください。

「心理試験」はあの有名な名探偵、明智小五郎をはじめたくさん人物が登場します。声優としてキャラ分けをはっきりわかりやすく表現したのが、一番力を入れた部分です。

Q2:ご自身の担当作品を読んだときの感想を教えてください。

推理小説は普段あまり読まないのですが、すごく読みやすかったですし、明智がどのように解き明かしていくのかが読んでて爽快でした!

Q3:林さんは「YOMIBITO」をどのように利用したいですか?

移動する際の電車や車で朗読音声を聴きたいです。僕としては読むよりも聴くほうがすごく手軽に感じますし、使い勝手が良さそうです。

Q4:これから「YOMIBITO」を利用される方、興味のある方に向けたメッセージをお願いします。

小説を読まれる方も、また違ったアプローチで楽しんでいただけるのと同時に、普段あまり小説を読む習慣がない方も音声なので気楽に利用できるサービスだと思います! 自分のニーズに合ったかたちで楽しんでいただければ嬉しいです!

畠中祐

畠中祐

Q1:畠中祐さんが朗読を担当した渡辺温「象牙の牌」の聴きどころ、また力を入れたポイントを教えてください。

ちょっともう必死すぎて、なかなか聞きどころポイントを作れたかはわかりませんが、後半の畳み掛けるような展開に、勢いがつくように朗読はしたつもりです!!!

Q2:ご自身の担当作品を読んだときの感想を教えてください。

自分と同じ、27歳で命を終えた渡辺温さんの才能が詰まった作品だと感じました。話の展開、緊張感、そのすべてが、現代に通ずる面白さに満ちていて驚きました。普通に読者としてワクワクしながら一気に読んでしまいました。渡辺温さんがこの先もずっと生きていたなら、どんな物語が生み出されていたのか、読んでみたいなと心から思いました。

Q3:畠中さんは「YOMIBITO」をどのように利用したいですか?

僕自身小さい頃、活字を読むことにすごく苦手意識がありまして、ですがそれで作品が読まれないのはすごくもったいないことなので、ぜひこのYOMIBITOを使っていただけたらなと思います。あと、読む役者さんの解釈が色濃く反映されると思うので、朗読作品としても楽しんでもらえたらうれしいです……!

Q4:これから「YOMIBITO」を利用される方、興味のある方に向けたメッセージをお願いします。

今回の企画は、今の自分を映す鏡のようでした。朗読をしていると、役者としての自分の現状が見えてくるようで、ほんと冷や汗が止まりません。でも、すごく貴重な経験だったし、今できる全力をやったつもりです。ぜひ皆さんに聞いていただけたらうれしいなと思います! よろしくお願いします!!

新祐樹

新祐樹

Q1:新祐樹さんが朗読を担当したモーリス・ルブラン「探偵小説アルセーヌ・ルパン」の聴きどころ、また力を入れたポイントを教えてください。

作品自体のテンポが良いので、そこは聴いてくれている皆様に心地よくわかりやすく伝わることを意識しました。中盤からは掛け合いが多くなり、謎解明への勢いを楽しく感じていただけたらいいなと思います。実際朗読しているとき、僕自身もとても楽しかったので、今回は僕のイメージしたキャラクターでお届けしています。どんな姿なのかを想像してみてください!

Q2:ご自身の担当作品を読んだときの感想を教えてください。

皆様ご存知の方も多いと思われるアルセーヌ・ルパンシリーズ。しかし、なかなかちゃんと読んだことがなかったのですが今回改めてちゃんと読むと、とても痛快で驚かされる面白い作品でした。登場人物もそうですが、読み手のこともルパンの手の内で踊らされているようです。皆様も心地よく踊らされてほしいですね。

Q3:新さんは「YOMIBITO」をどのように利用したいですか?

目で見る情報と、聞いて得る情報だと感じ方が変わったりすることがあると思います。その両方で作品を楽しむと、必ずより立体的に深くその作品を理解して楽しむことができると思います。おうちや時間があるときは見つつ聞きつつ楽しみ、部分部分で空いた時間や通勤時には音だけで楽しむのも素敵だと思います。僕は電車移動時に作品を読むことが多いので、その都度状況に応じて、音と目で楽しみたいです!

Q4:これから「YOMIBITO」を利用される方、興味のある方に向けたメッセージをお願いします。

例えば、長い作品であったり、読むと少し難しい作品なんていうのもあると思います。しかし、音声で聞けばよりわかりやすく作品に浸かれるはずです! 先に書籍で楽しみ、そのあと音声で聞けば、また新しい発見もあるかもしれません。さまざまな形で作品と触れ合えると思うので自分に合った形を見つけて楽しんでください!