ホウ・シャオシェン8年ぶりの最新作がカンヌで上映、妻夫木聡は初カンヌ (original) (raw)

現地時間5月21日、「悲情城市」などで知られる台湾の監督ホウ・シャオシェンの「黒衣の刺客」が、カンヌ国際映画祭コンペティション部門で上映された。

監督のホウ・シャオシェン、キャストのスー・チーチャン・チェン、そして妻夫木聡らが記者会見に登壇した。唐時代の中国を舞台に、誘拐された娘が暗殺者に仕立て上げられ帰宅し、かつての許嫁の命を狙うという伝奇小説をもとにした物語。ホウにとって初の武侠時代劇で、日本の侍映画を手本にした理由を、「日本の侍映画における一騎打ちのシーンには、武道の美しさとパワーがある。特に黒澤明の映画では、暴力的なシーンや武侠を最低限に抑え、主人公の精神性を描き出している。そういった空気を取り入れたかった」と説明した。

「ミレニアム・マンボ」などホウ作品に出演経験がある娘役のスー・チーは、「監督の演出はとてもさりげなく、雲、風、水、火といった人間を取り囲む自然の要素を捉えようとしているのではないかと感じている。特に、空気の流れを映像に表そうとしているのでは」と語り、「素晴らしい分析だ」とホウを感心させていた。

また、窮地に陥った娘を助ける遣唐使の日本人青年に妻夫木が扮し、初のカンヌ参加を果たした。妻夫木はこの経験を「まだよく見て回れていませんが、世界の人々と一緒にいられるだけでとても刺激的。カンヌ映画祭で上映されるような映画に参加することができてとても幸せです」と緊張気味に語った。

「黒衣の刺客」は2015年秋、日本公開予定。

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ホウ・シャオシェンの映画作品

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