森崎東、篠田正浩らのATG作品10本が初DVD化 (original) (raw)

ATGと称され、芸術的、実験的な作品の配給、製作を行ってきた映画会社、日本アート・シアター・ギルド。その中からDVD化されていない作品10本を選りすぐった「ATG初DVD化BOX（仮）」が9月16日に発売される。

1961年から1992年にかけて活動し、日本映画史に多大な影響を与えたATG。ジャン＝リュック・ゴダールやアンドレイ・タルコフスキーなどの作品を輸入し、ヨーロッパ映画の動向をいち早く紹介したほか、大島渚の「新宿泥棒日記」や岡本喜八の「肉弾」といった異色作を多数世に送り出した。また異分野で活躍する人々に制作の場を用意し、勅使河原宏や寺山修司らが映画監督デビューを果たしたことでも知られている。

このたび発売されるBOXには、松竹からフリーとなった森崎東の長編第1作で、スタントマンとして働く中年男性と映画監督を夢見る若者たちが絡み合うホームドラマ「黒木太郎の愛と冒険」や、立松和平の同名小説を原作に、佐藤浩市が主人公の純粋な青年を演じた「蜜月」などを収録。ほかに、篠田正浩がメガホンを取り邪馬台国の女王を描いた「卑弥呼」、貧乏ながらも東京で懸命に生きる地方出身の男女をつづった青春映画「鴎よ、きらめく海を見たか／めぐり逢い」といった作品が並ぶ。

若手監督に活動の場を与え、一時代を彩ったATG作品をまとめて堪能できる同BOX。収録作品は単体では販売されないので注意してほしい。

ATG初DVD化BOX（仮）

2015年9月16日（水）発売
発売・販売元：キングレコード
価格：32400円
＜収録作品＞
「卑弥呼」 1974年監督 / 篠田正浩
「鴎よ、きらめく海を見たか／めぐり逢い」 1975年監督 / 吉田憲二
「鬼の詩」 1975年監督 / 村野鐵太郎
「黒木太郎の愛と冒険」 1977年監督 / 森崎東
「西陣心中」 1977年監督 / 高林陽一
「北村透谷わが冬の歌」 1977年監督 / 山口清一郎
「正午なり」 1978年監督 / 後藤幸一
「青春 PARTII」 1979年監督 / 小原宏裕
「蜜月」 1984年監督 / 橋浦方人
「君は裸足の神を見たか」 1986年監督 / 金秀吉

リンク

キングレコード公式サイト

※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。