若尾文子、舞台挨拶で小津安二郎との思い出にうっとり (original) (raw)

若尾文子、小津に思いを馳せ「お嫁さんになりたいと思ってました」とうっとり

2015年6月27日 14:41 3

若尾文子の特集上映「若尾文子映画祭 青春」が、本日6月27日より東京・角川シネマ新宿にてスタート。オープニングを飾る「青空娘」の上映後に初日舞台挨拶が行われ、若尾が会場に姿を見せた。

少々緊張した面持ちで登場した若尾は、立ち見も出るほどにぎわう客席を見わたすと、「昔ほどは映画への関心が見られない今、こんなにたくさんの人が観に来てくれるなんて。とってもうれしいことですね」と感謝を述べて表情をやわらげた。

特集上映は、若尾の銀幕デビュー作「死の街を脱れて」をはじめ、計60本の出演作がラインナップされている。増村保造の監督作「青空娘」では、自分の本当の母親を探して奮闘するヒロインをはつらつと演じた。若尾もこの作品はお気に入りで「主人公は継母にいじめられるんだけど、シンデレラとは真逆。みんなやっつけてしまう新しい感覚」とポイントを説明し、当時の心境を「気持ちよかった!」と楽しげに伝えた。

浮草」の監督を務めた小津安二郎について話がおよぶと、若尾はため息まじりに「私、小津先生が大好きでした」とうっとり。「いつも真っ白い帽子、まっ白い靴、まっ白いシャツを身に付けて。朝からお酒飲んでいても全然いやらしくないんです」とはにかみながら小津を語る。演出については「俳優たちに自由にやらせているように見えますが、実はがんじがらめ。すべて計算づくなんです」と明かし、そして再び「『こういう人のお嫁さんになりたい!』って思ってましたの」と口にしていたずらっぽい笑みを浮かべた。

特集上映のタイトルにちなみ、司会者から「あなたにとって青春とは?」と尋ねられた若尾は「映画と撮影所が私の青春ですね。ほかなんてありませんよ」と言い切り、「舞台もテレビもやりました。でもやっぱり映画ですね、私は。映画の中にいるときが一番自分らしくて」と正直な思いを吐露。最後に若尾は「本当は1人ひとりにお礼を言いたいのですが……」と名残惜しそうにしながら客席へ深々と頭を下げた。

若尾文子映画祭 青春

2015年6月27日(土)~8月14日(金)東京都 角川シネマ新宿
<上映作品>
「青空娘」
「浮草」
「赤線地帯」
「しとやかな獣」
「最高殊勲夫人」
「赤い天使」
「越前竹人形」ほか
料金:一般1600円 / 高校・大学生1300円 / シニア(60歳以上)1100円 / 水曜サービスデー1100円
※学生応援キャンペーン 毎週日曜19:00の回に限り学生500円(要学生証提示、オンラインの購入は対象外)

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